2015年8月10日月曜日

エルバッツォーネ

今月の「総合解説」地方料理の2品目は、エミリア・ロマーニャのエルバッツォーネです。

旬の青菜を炒めてパルミジャーノで調味し、タルトの具にしたこの料理は、パルマとモデナの中間にある街、レッジョ・エミリアの農民料理がルーツで、この地方のソウルフードのようなもの。
地元の人からはこよなく愛されているようですが、地元から一歩外に出ると知名度はいまひとつ。
なので、エルバッツォーネを世界中の人に知ってもらいたいというのがレッジョ・エミリア人の悲願。


地元、レッジョ・エミリアの中学生が作ったお見事な動画。



センスいいですね。
なんだか、大阪の人が得意そうなイメージ。
使う青菜は、ビエトラ、ほうれん草、エルベッテが一般的。
名前からして、エルベッテを使う料理なんだろうなあ、と思ったら、なんと、地元ではこの料理
“scarpasòun”(スカルパソウン?)という、エルバッツォーネとは似ても似つかない名前です。

このスカルパというのは、なんとも悲しいことに、畑でとれたビエトラの柔らかい緑の部分ではなく、一番硬くて食べづらい白い部分のことなんだそうです。
だから、純粋に伝統的なスカルパッツォーネは、少々とっつきにくい食べ物なんですねー。
ピーマンを食べない子供になんとか食べさせようとお母さんが工夫するように、みんなが食べたがらないビエトラの硬い部分を、お母さんが工夫を重ねて美味しい料理に改良していったのが、現在のエルバッツォーネ、という訳です。
縁に近い部分と中央部分では歯ごたえが違うから、どこの部分が欲しいと指定できれば、通ですねえ。


ビエトラ(フダンソウ、スイスチャード)は、南ヨーロッパの地中海地方原産の優れた栄養価の野菜。



洗練されたアレンジ。
ビエトラとスカモルツァのキッシュ




最近ではスーパーでも見かけるようになったスイスチャード。
日本のお母さんは、どんな工夫をするんでしょうか。


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“エルバッツォーネ”のリチェッタは「総合解説」13&14年1月号に載っています。
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バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...