イタリア料理ほんやく三昧: ヌテッラ

2015年3月30日月曜日

ヌテッラ

今日は恒例、ガンベロ・ロッソの食材ベスト10。
今回取り上げたのは、ジャンドゥイア・クリームです。
そう、イタリア人に溺愛されている、あのヌテッラも、このタイプのクリームです。

ヌテッラおしのローマのジェラテリーア。
 ↓
Nutella everywhere


もちろん日本のスーパーにも必ずあるし。

ヌテッラがどれだけ愛されているかが分る映画のワンシーン。
ナンニ・モレッティ監督の『Bianca/僕のビアンカ』(1983)のワンシーン、バケツで裸でヌテッラ。
いったい何を言い表しているのか・・・。
 ↓ 



というか、ヌテッラ以外にもこんなクリームあるんだけっけ?
というくらい、ヌテッラしか思い浮かばない。
ベスト1から10位まで、ヌテッラで決まりじゃないの、と思ったら、なんと、他にもいっぱいありました。
しかも、どれもみーんなヌテッラより美味しそう。
こんなにジャンドゥイアクリームがあったなんて、知らなかったなあ。

あ、そうだ、順位の発表の前にちょっとアドバイス。
スーパーや近所のお店で、上位に選ばれたものと同じ製品名のものを見つけて、値段は格安だからお得、と思ったあなた、それは大きな勘違いです。
ここでベスト10に選ばれているのは、いわゆる工場で作る大量生産品じゃありません。
職人が手作りする、アルティジャナーレの製品です。
だから、今回選ばれた製品は、そもそもヌテッラとは土俵が違う製品です。
値段が桁違いなのは当たり前。
特にイタリアのドルチェの世界では、こういう二重構造の勘違いがありがちなので、要注意です。
専門店で有名になって、大量生産品をスーパーで売って儲ける。
この仕組みを知らないと、ガンベロ・ロッソで美味しいって言ってたのに、全然美味しくないじゃん、てことになりかねません。
ガンベロ・ロッソのベスト10に選ばれるような製品は、多分、近所の店では簡単には手に入りません。

それでは、まず最初に、そもそもジャンドゥイア・クリームとは、どんなクリームでしょうか。
答えは、ヘーゼルナッツペースト入りのチョコレート。
その誕生には、『ガンベロ・ロッソ』によると、ナポレオンが関わっています(通説とはかなり違いますが)。
そこらへんの詳しい話は「総合解説」に載せましたが、イタリアにとってナポレオンは、征服の戦争を度々繰り返して国の中をめちゃくちゃにしていった人物ですが、その置き土産に、ヌテッラをイタリアにプレゼントしていったのだと思うと、ちょっと和みますねー。

なぜイタリアでヌテッラが生まれたのか、その理由も解決です。
そもそもの発端は、ナポレオンがトリノで行った経済封鎖。
イギリスの植民地からの物資が届かなくなって、カカオが足りなくなった。
その代用品とされたのが、ランゲのヘーゼルナッツでした。
これがジャンドゥイアです。
そしてこれをペーストにしたのがフェッレーロ家。
つまり、ヌテッラの製造元の会社。
現オーナーのミケーレ・フェッレーロ氏は、イタリアで一番の大金持ち。
フォーブスの世界の大富豪番付で23位。
イタリアで一番の資産家は、チョコレート職人の一族だなんて、イタリアらしいなあ。
そんな彼でしたが、2015年のバレンタインデーに亡くなりました。

葬儀の様子
 ↓



私はフェレロ・ロシェが大好きで、イタリアの免税店に行くと条件反射的に買ってしまいます。
ヌテッラはちもちろん常備しています。
フェッレーロ家の莫大な資産のご~く一部に、私も貢献していたんだなあ。
RIP。

Ferrero Rocher




あ、ジャンドィゥィアクリーム・ベスト10の話は、次回です。


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“ジャンドゥイア・クリーム”の記事の日本語訳は「総合解説」2012年10月号に載っています。

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