イタリア料理ほんやく三昧: ヴェネト風パスタ・エ・ファジョーリ

2015年1月19日月曜日

ヴェネト風パスタ・エ・ファジョーリ

今日はイタリアのソールフード的伝統料理、パスタ・エ・ファジョーリの話。

maltagiati nella crema di fagioli


パスタ・エ・ファジョーリは度々取り上げています。
地方料理として見ると、イタリア各地にありますが、イタリアではこの料理はヴェネトが発祥地と言う認識なんですね。

オステリーエ・ディ・イタリアシリーズの『クチーナ・レジョナーレ』
には、
「パスタ・エ・ファジョーリはポー川流域で広く普及している料理だが、中部や南部にもある。
一つだけ選ぶとすれば、やはり、穀物と豆を組み合わせた料理がたくさんあるヴェネトのリチェッタだろう」
として、トレヴィーゾのオステリーアのリチェッタを紹介しています。



この料理のルーツは、やはりヴェネトなんですね。そこで、ヴェネト料理のパスタ・エ・ファジョーリを調べると、すぐにあることに気が付きます。
豆は、ラモンと呼ばれるものを使うということです。

ラモンはヴェネト州のベッル-ノ県の町。
名物のラモン豆はIGP製品です。

ラモン豆祭り
 ↓



カルロ・クラっコシェフも、著書『クールにしたいならエシャロットを使う』の中で、パスタ・エ・ファジョーリについてこう語っています。

「一般的には乾燥ボルロッティを使うが、山のラモン豆を使うと一段と美味しくなる。
この豆は、じゃがいものような、独特の味をしている。
パスタ・エ・ファジョーリ・ビアンカなら、カンネッリーニ(白いんげん)で代用してもよい。
伝統的には、本物のパスタ・エ・ファジョーリは、かなり濃く、スプーンを刺しても倒れないくらいだと言う。
もちろん濃いものは美味しいに違いないが、二口も食べると満腹になってしまう。
最高のパスタ・エ・ファジョーリは、適度に濃くて水っぽくない、ちょうど中間の濃度のものだ。
味が濃いので、幼児には食べにくい料理だ。
逆に言えば、成長しながら覚えて、受け入れていく料理と言うことができる。
私の母は、ほぼ2週間ごとにパスタ・エ・ファジョーリを作って、肉の代わりに生ハムやパンチェッタ、ラルドを加えて出した。
私は、母親が様々なものを鍋に入れてことこと煮込む姿をいつも見ていた」

クラッコシェフの指摘にもある通り、ヴェネトのパスタ・エ・ファジョーリは、ビアンコです。
色付きのパスタ・エ・ファジョーリの場合は、同じくベッルーノ産の別の豆を勧めています。

ラモンは皮が薄くて甘いのが特徴だそうです。
しかもじゃがいもの味なら、豆を裏漉しする濃厚なヴェネトのパスタ・エ・ファジョーリには、ぴったりですね。

ラモン豆のパスタ・エ・ファジョーリ
 ↓



濃厚と言えば、「総合解説」で紹介しているパスタ・エ・ファジョーリのリチェッタには、濃厚にするための、面白いアイデアが使われています。
こんな方法初めて見たので、かなりオリジナルかもしれません。
簡単なので、そのうちやってみようと密かに思っています。



ところで、パスタ・エ・ファジョーリは、素朴で地味な家庭料理というイメージですが、マリア・カラスの本にも、リチェッタが紹介されています。

以前、ブログでも紹介していますが(こちら)、マリア・カラスはヴェネト出身の男性と結婚していたので、ヴェネト料理を熱心に研究して作っていました。

前の晩に豆を戻すところから初めて、ことこと数時間煮て、作った翌日の方が美味しくなる、という家庭料理を、伝説のディーヴァも姑さんに教わりながら作っていたんだろうなあ。



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“ヴェネト風パスタ・エ・ファジョーリ”の記事とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2012年9月号に載っています。
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