イタリア料理ほんやく三昧: 12月 2014

2014年12月29日月曜日

カンポフィローネのマッケロンチーニ

イタリア料理を構成している地元密着食材の中でも、鮮度が重要で保存しにくいものは、現地に行かないと味わうことができない貴重品。
その昔は、白トリュフとか、クラテッロとか、ブッラータとか、それをわざわざ食べるために、現地まで出かけて行ったものです。
今はたいていのものが日本でも入手可能になって驚くばかりですが、最近の円安、ユーロ高では、輸入業者の方々のご苦労、お察しします。

ところで、まだ日本でなかなか手に入らないものもたくさんありますよね。
その中の一つが、イタリアで一番美味しい卵入りパスタと言われているパスタです。

カンポフィローネのマッケロンチーニ。
 ↓



イタリアの乾麺としては、グラニャーノの次くらいに有名。
なのに、マルケのカンポフィローネという町でしか作られていないので、外にはほとんど出回らない。
詳細は依然にブログで取り上げています。
こちら

細いタリアテッリーネで、卵をたっぷり使うのが特徴。

伝統的な定番ソースはラグーです。
そういえば、グラニャーノのパッケリも、伝統的なソースは、ナポリ風ラグーでした。

グラニャーノは、水が豊富で水力を使った粉ひき小屋がたくさんできたことで、小麦粉が豊富に手に入るようになり、乾麺の大量生産が可能になって発展しました。
鉄道や港など、交通の便も良かった。
気候にも恵まれました。

一方、カンポフィローネは、グラニャーノとの共通点は、海に近い、ということぐらい。
粉とたっぷりの卵が原料のパスタですが、粉がたっぷりあったグラニャーノと違って、卵がたっぷりあったのがこのパスタが生まれたきっかけ。

15世紀の文献にも登場するパスタのようですが、カンポフィローネは修道院を中心に発展した町で、どうやらこの修道院の勢力圏より外に、パスタは広まらなかったようです。

近年になって、なぜ世界的に有名になったのかというと、考えられる原因は年に1回8月に行われるサグラ。
マルケの海辺の町で8月と言うと、バカンス客がたくさん集まるんでしょうね。
つまり町おこしが成功したというわけです。

サグラの様子の動画はこちら

カンポフィローネのマッケロンチーニのメーカーの動画。
 ↓



イタリアの自慢の食材がいかに世界で支持されているかを示す時、なぜか必ず、「日本にも輸出しています」、と言うんですよね。
上の動画でも、日本に輸出してると言ってますが、どこで売ってるんですか?



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“ラグーのマッケロンチーニ”のリチッタを含む関連記事「乾燥パスタのふるさと」の日本語訳は、「総合解説」2012年8月号に載っています。

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2014年12月25日木曜日

パッケリ


グラニャーノのパスタと言えば、代表的なのがパッケリ。






ソースであえたり、詰め物をしたりと創作意欲を刺激するような万能な形。

一説によると、パッケリとは「ビンタ」という意味で、ソースで和えたパッケリを皿に盛り付ける時、ビンタするような音が出るからなんだそうです。
その起源はなんと古代ギリシャ語で平手打ちという意味の言葉というから、ちょっと本格的。
こういうジョークのような話は、誰が言い出したのか真偽の程は別にして、ネット社会だとあっという間に広まって定説になってしまいますね。

大型のパスタなので少しでもお皿一杯になるところから、ナポリでは庶民の味方のように扱われたパスタだそうですが、ナポリ以外では、家庭料理の中にあまり普及していない印象。


「総合解説」にも載せたソレント風パッケリは、トマトソースのパッケリですが、モッツァレッラの小角切りとトマトソースで和えてオーブンで焼くというボリューミーな一品。


カンバーニア料理のパスタの本、『マッケローニ』には、

http://creapasso.com/maccheroni.html

“じゃがいもとローズマリーのパッケリ”
じゃがいもの小角切りをパッケリと一緒にゆでて、にんにく、ローズマリー、唐辛子を熱した油に入れてジャガイモが崩れるまでマンテカーレする、というこれも家庭料理風。

“白いんげんと栗のパッケリ”は冬の料理。
乾燥豆と干し栗を戻し、別々に香味野菜とハーブでゆでて半量をミキサーにかけ、パンチェッタと一種に炒めたらゆでたパッケリをいれてなじませる。
仕上げはペコリーノとイタリアンパセリ。

確かにどれもしっかり家庭料理風ですね。

コロンナータのラルドやトマト入りじゃがいものパッケリ。
 ↓



シェフのバリバリのナポリ便をアシスタントが通訳してます。


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“ソレント風パッケリ”のリチェッタを含むグラニャーノのパスタの記事の日本語訳は「総合解説」2012年8月号に載っています。

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2014年12月22日月曜日

グラニャーノ

乾燥パスタの産地といえば、まず一番有名なのは、ナポリ県のラッタリ山地の中にある町、グラニャーノ。





パスタを効率よく乾燥させることを優先させて街並みを作った町。
ちなみに、改築したのはローマ通りとトリヴィオーネ広場、サン・マルコ広場など。
乾燥だけでなく、町の中心も駅の近くに移し、通りを結んで製品を運びやすくするなどの改良が加えられました。

乾麺のパスタ、つまり大量生産するパスタ産業の歴史を考える時、たいてい、その始まりとされるのがグラニャーノ。
乾燥パスタのふるさとと呼ばれるのにふさわしい町。

そもそもは、海に近いところから、湿り気を帯びた空気のおかげで、麺がゆっくり乾燥しました。
そのために、美味しいパスタができたんだそうです。

その海には、大量生産した乾麺を、遠く外国まで運ぶ重要な港がありました。
町を変えるだけでなく、グラニャーノとナポリを結ぶ鉄道の駅もできて、輸出網も完備されました。

さらに、グラニャーノは澄んだ水が豊富な地域で、小麦を挽く水車をたくさん作ることができました。
硬質小麦も上質のものが手に入りました。

今も水車渓谷と呼ばれるグラニャーノの小川。



ある意味、この渓谷がグラニャーノのパスタの本当の発祥地。

16世紀末頃から、グラニャーノにもぼちぼち大手のパスタメーカーが登場してきますが、元々は織物産業が盛んな町でした。
18世末に蚕が病気にやられて絹の生産ができなくなり、徐々にパスタ作りにシフトしていきます。

そういえば、アマルフィのレモンも、絹産業が不振で蚕用の桑の木をレモンに植え替えたことが、普及のきっかけでした。
イタリアのパスタやレモンが一世を風靡した裏には、日本の織物産業の発展があったんですね。

ちなみに、グラニャーノの代名詞ともいえるパスタメーカー、ガロファロは17世紀末の創業。



そして18世紀にグラニャーノのパスタは全盛期を迎えます。
代表的なパスタ、マッケローニの名前は乾麺のパスタの代名詞として世界中に広まります。
パスタの町として栄えたグラニャーノですが、戦争で爆撃を受けて破壊され、戦後は北部のライバル企業に押されて、急速に衰退していきます。

一時はグラニャーノ最大と言われたガロファロも、2014年にスペインの企業が買収しました。

最近は、IGP製品に認定されるなど、企業と料理人両方の強いバックアップのおかげで、復活をとげつつあります。

グラニャーノの歴史がかいま見れるスライドショー。





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“乾燥パスタのふるさと”の記事の日本語訳は「総合解説」2012年8月号に載っています。
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2014年12月18日木曜日

アッラ・ペスカトーラ

今日は、アッラ・ペスカトーラの話。
今月の「総合解説」では、地方料理として“リゾット・アッラ・ペスカトーラ”を紹介しています。





一応ヴェネチアの地方料理としてリチェッタを取り上げていますが、このペスカトーラ、確かにイタリア料理ではあるのですが、どこの地方の料理かというと、イタリアの海辺の町だったらどこにでもある料理なので、地方を特定するのは難しそうです。

ちなみに、『ガストロノミア大辞典』によると、
     ↓

http://creapasso.com/books.html
 
「 alla pescatoraとは、一般的にパスタ(リングイーネ、パヴェッテ)や米料理のソースを意味する名前。シーフード(軟体動物、小型の甲殻類)をトマトソースで煮たもので、にんにくとバジリコを加えることが多い。」
と書かれています。
 
ペスカトーラは。スパゲッティのソースというよりは、リゾットやリングイーネとの組み合わせのほうが一般的なようです。
 
リゾット・アッラ・ペスカトーラ。
 ↓  



別名、アッラ・マリナーラalla marinaraとか、アッラ・スコリエーラallascogliera、アッロ・スコッリオallo scogliaとも呼ばれます。
これが正しいリチェッタというものはなく、入れる食材も地元で手に入りやすい食材を使うので、バリエーションは豊富。

どうやらイタリアでは、アッラ・ペスカトーラと言えばリゾットが定番のようですが、見た目のゴージャスさから判断すると、パスタの方がインパクトがあるなあ。





ちなみに英語で言うと、シーフード・パスタという身も蓋もないネーミング。
漁師風パスタ、またはアッラ・ペスカトーラというと、一段上の料理のような印象。


リッチョーネのリストランテ・イル・ポルティコのオマール入りの豪華版スパゲッティ・アッロ・スコッリオ。

 




赤いエビと黒いムール貝は、無敵の組み合わせですねえ。


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“リゾット・アッラ・ペスカトーラ”のリチェッタは、「総合解説」2012年8月号に載っています。

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2014年12月15日月曜日

カフェラテ

今日はコーヒーの話。

早朝のトリノのカフェ。





最近、「カフェオレとカフェラッテはどう違うのか」というクイズをTVで見て以来、ちょっとひっかかってます。
なんでも正解は、「カフェオレはドリップコーヒーで作って、カフェラテはエスプレッソで作る」んだそうです。

その時は、なるほどねえ、と思ったぐらいだったのですが、ふとした時に、
ん~?
なんかひっかかるなあ。
と違和感を感じるようになりました。

イタリアのホテルでは、いつも朝食にカフェラッテを頼むのですが、その時出てくるのは、「コーヒーポットに入ったドリップコーヒー+ミルク」です。

イタリアのバールで「カフェラッテ」を注文すると、出てくるのはグラスに入った「ミルク+コーヒー」。




「エスプレッソ+ミルク」を飲みたかったら「カプチーノ」を注文しますよー。

ブリオッシュとカップッチーノのイタリアンブレックファースト。




もう1つ、私は日本では「カフェモカ」が好きなんですが、イタリアで「カフェモカ」と注文しても、注文したことないけど、多分、チョコレートシロップ入りのコーヒーは出てこない。
イタリアでモカと言えば、モカでいれたエスプレッソのことだし。

モカ
 ↓



バールでイタリア式朝食




コーヒーと言えば、今月の「総合解説」に、ちょっとショッキングなコーヒードリンクのリチェッタが2つ。
その一つは35ページに載っています。
 コーヒーソーダだって。
炭酸はガス入りミネラルウオーターで。
ありえないですよねー。




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“コーヒーの冷たいドルチェ”のリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2012年8月号に載っています。
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2014年12月11日木曜日

ヴァルテッリーナ

今日はイタリア便りです。
それでは、ロンバルディアのSegnalibroさん、お願いします。


以前通りかかった時に気になっていた、ロンバルディア州の北に位置するヴァルテッリーナ地方。
山や氷河の景観を楽しむ列車として知られるベルニナ急行に乗るため、ミラノからティラーノに向かうときにはここを通ります。
山の南斜面に沿って20km以上も葡萄畑が続き、谷間には牛がのんびりと草をはむ光景が広がっていて、一度足を止めてゆっくりしてみたいと思っていたんです。





近所のスーパーで買っているお気に入りのヨーグルトがヴァルテッリーナ地方のキウロ産だと知った時、これはやっぱり行かねばならぬと思い、片道100kmの道のりをランチしに行ってきました。
半年前に行ったペーイオ温泉で山のお食事は重いと学習したので、朝は一杯のコーヒーのみで出発したのですが、この作戦が裏目にでることに・・・。
お目当てのレストランまであとわずか5kmのところで、運転手こと相方がエネルギー切れを起こし、国道沿いの適当なレストランに入ってしまったのです・・・あぁ、はるばる2時間もかけてやってきたのに。

ヴァルテッリーナ地方では、蕎麦粉を使った郷土料理が有名です。
イタリア語で蕎麦粉は grano saraceno、サラセンの小麦って言うんです。
そういえば、おフランスには蕎麦粉を使ったおいしいガレットがありますが、フランス語でも蕎麦粉はblè sarrasin サラセンの小麦と言うそうで・・・サラセンってイスラム教徒のことですよね?
いろいろな説がありますが、蕎麦がイタリアで栽培されるようになったのは15世紀のこと。
トルコからヴェネチアへの貿易によってもたらされ、ベルガモやブレーシャで栽培されたのが始まりだそうです。
トルコ、つまりイスラム教徒からもたらされたから、サラセンの小麦と言うのかしら。
現在では生産量は多くないものの、ピエモンテやアルトアディジェ、ウンブリア、そして、ロンバルディアのヴァルテッリーナ地方で蕎麦が栽培されています。
地元でおいしいと評判のレストランで蕎麦粉のパスタ、ピッツオケリが食べたかったのに、がっかり。
落胆のあまり、お料理の写真は1枚も撮らなかったのですが、一応、ヴァルテッリーナの郷土料理を注文。
気を取り直してカメリエラ兼オーナーらしきお姉さんに、周辺の見所やお料理のレシピ等いろいろ質問してみました。
だって、お客さんは私たちだけだったのですもの。
ここで気に入ったのが、前菜で出てきたsciattシャット。 そば粉と小麦粉を衣にして揚げた、お山のチーズの天ぷらです。お借りした写真がこちら。



お姉さんいわく、粉の配合は1:1で、冷たい炭酸水と少々のグラッパを加えるのがポイントなのだとか。
シャットというのは、ここの方言でヒキガエルという意味だそうですが、確かにビヨーンと衣が伸びると足みたいに見え、カエルの唐揚げに似てるかもー。
シャットには、サラダを添えて出すのがオーソドックスなのだそうです。
なんだかんだ言いながらデザートまでしっかり平らげた後、お姉さんが持ってきた1枚の紙切れはお会計・・・ではなくて、ギッシリ手書きで埋まったメモ用紙、ヴァルテッリーナ料理のレシピでした。



プライスレスなプレゼントに思わずウルウル。
メモを手渡しながら、ちょっと照れていたお姉さんが可愛かった。
彼女のおかげで、相方と喧嘩したまま帰らずにすみました。
感謝! お食事の後は、お目当てのヨーグルトのお店をお姉さんに教えてもらい、プチ大人買い。



これこれ、Latteria Sociale di Chiuroのヨーグルト。
1957年に小規模の酪農家が集まって生まれた、ヴァルテッリーナ地方の乳製品組合が作っているものです。
牛乳やチーズも販売しているのですが、どれもこれもパッケージのデザインがかわいい。
ここのヨーグルトはおいしさのあまり、蓋の裏まで舐めてしまうんですが、舐めてびっくり、蓋の裏にまでデザインが入っているこだわりよう。
そんなこだわりは、もちろん味にも表れていて、どれもこれもおいしく、牛乳、バター、お山のチーズも購入。
さらには直売所でワインやりんごなど地元でとれたものを購入し、大満足で家路につきました。
お山の住人は頑固で閉鎖的だと聞いていましたが、ここの人たちはみんな親切で温かかったです。
さて数日後、家の近くでヴァルテッリーナ郷土料理を食べられるところはないかと探していたところ、ミラノのオサレ~な界隈、コルソコモの近くに、Sciatt à Porter というお店があるのを知りました。
http://www.sciattapoeter.it/
田舎のヴァルテッリーナ料理がオシャレに味わえそうなお店です。
お店の名前の通り、ヒキガエルこと、シャットもあります。
これ、アペリティーボのおつまみにしたら、パクパクいけちゃいますよ。
ちなみに、ここのシャットは、ガンベロロッソの2015 Street FOODというガイドブックで、ロンバルディア州のストリートフードNO.1に選ばれたのだとか。
ほほー、王冠マークがついてます。



他の州のNO.1ストリートフードも気になるところです。 ガンベロロッソ2015 Street FOODは、ただいまクレアパッソにて、好評発売中でーす♪
(詳しくはこちらのページ)



おまけの動画です。
ヴァルテッリーナ風シャットの作り方。



Sciatt à PorterのPV

そば粉の衣にチーズを詰めて揚げると、そばもイタリアンに変身ですね。

Slow Food の“ricette di osterie d'italia”シリーズの『クチーナ・レジョナーレ』から、オステリア・デル・ソーレOsteria  del Sole (Ponte in Valtellina)のリチェッタをどうぞ。

シャットSciartt
材料/4人分
 小麦粉・・200g
 そば粉・・200g
 グラッパ・・大さじ2
 チコーリア・セルヴァティカ
 カゼーラ・ジョーヴァネ(冬の間造られるビットの一種のDOPチーズ)・・2握り
 揚げ油 
 EVオリーブオイル
 水・・大さじ1
 ビネガー・・大さじ1 
 塩
・小麦粉とそば粉を混ぜ、塩、グラッパ、冷水を加えて柔らかいポレンタ状の生地にする。最低3時間休ませる。
・チーズを角切りにして生地に入れる。スプーンですくって180度に熱した揚げ油に落として揚げる。
・約4分揚げてこんがり色が付いたら取り出し、チコリーノ(塩、ビネガー、オリーブオイルで調味する)を添えてすぐにサーブする。



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2014年12月8日月曜日

ピアディーナの仲間

今日はピアディーナの仲間の話。
piadina はピアーダpiadaの縮小形。




小麦粉、塩、水、ラードがベースの発酵させない平らなパン。
ルーツは、酵母入りパンが発明される前から、つまり文明誕生前から作られていたパンですが、
時代と共に徐々に複雑になっていき、公式的には、中世にロマーニャ地方で広まったパン。
それが、20世紀になって、ロマーニャに海水浴に来たバカンス客によって再発見されて広く普及しました。

このタイプの平たいパンは、ヨーロッパ、アジア、北アフリカを結ぶルートで広まったそうですが、アジアはインドをさっとかすめた程度。
チャパティ
 ↓




チャパティの動画はこちら

レバノンのマヌーシュ(動画)も、かなり似てます。
 ↓


ピアディーナの動画はこちら

意外とあるもんですね。


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2014年12月4日木曜日

ナポリ人気質

まず、なすのパルミジャーナ。
スライスして揚げたナス、トマトソース、チーズを重ねたオーブン焼き。
それでは質問です。
これはどこの地方の料理でしょう。




多分、シチリアと答える人が多いのでは、と思うのですが、ナポリでこの料理を習った人は、ナポリ料理と信じて疑わないはず。

この料理は、シチリアとナポリで本家争いが繰り広げられている料理なのですが、『サーレ・エ・ペペ』では、この料理の説明の一番最初に、まず、ナポリ人気質というものをこんなふうに説明しています。

「陽気で人がいいけれど、極端に排他的。
ナポリ料理は、ナポリ人にとってただ一つの本物の料理だ。
彼らはナポリが生み出した美食文化に誇りを持ち、自分たちが元祖であることを全力で主張する。
もしパルミジャーナがシチリア生まれだ主張すれば、
古いリチェッタや料理界の権威がナポリ料理を讃える文献を持ち出して、徹底抗戦を始めるだろう」

これを書いたのは、ナポリ人ですが、ナポリをイタリアに置き換えれば、外国人がイメージするイタリア人気質そのものだなあ。

しかも、この料理の名前、シチリアではmelanzane alla pramigianaですが、ナポリでは、parmigiana di melanzane なんだそうです。

どっちでもいい気もしますが、『サーレ・エ・ペペ』では敢えてナポリ風のパルミジャーナのリチェッタを紹介しています。

カゼルタのリストランテ・ラ・コロンネのシェフのparmigiana di melanzane
 ↓


今月の「総合解説」では、もう1つ、ナポリがらみのネーミングの食材を紹介しています。
パーネ・カフォーネですpane cafone。

サワードウの田舎風パン。
 ↓
 


以前ブログで紹介した時(こちら)とは別の説です。

もしイタリア語の辞書をお持ちでしたら、cafoneカフォーネという言葉の意味を調べてみてください。
私の辞書には、「(ナポリで多くいる)田舎物、粗野なやつ」
と書いてあります。

ナポリ限定ですよ。
なんだか、すごく失礼で差別的な言葉なんですね。
これをそのまま訳す気にはなれなかったのですが、イタリア語の原文では、
「発祥地であるナポリの下町の活気を言い表した名前」と、とてもスマートな解釈がされていました。

ナポリ名物洗濯物。




パーネ・カフォーネ



カフォーネはアメリカにも伝わって、スラングとしても使われている言葉のようです。

とにかく、ナポリはイタリアのいじられキャラ。

ナポリで行われたヌテッラ誕生50周年のイベントで、ヌテッラを食べた時のリアクションを教えたくださいというインタビュー。
(こちら)
ナポリ人、みんなノリノリですねー。
愛されキャラだなあ。

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関連記事、“なすのパルミジャーノ”と“伝統的なパンのとサンドイッチ”の日本語リチェッタは、「総合解説」2012年8月号に載っています。

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2014年12月1日月曜日

トマトソースのスパゲッティに合うワインとビール

今日はワインの話。
唐突ですが、トマトソースのスパゲッティに合うワインって、どんなのでしょう。

基本中の基本のような気もするけどあんまり考えたことなかったなあ。
そこで、ローマのホテル・ローマ・カヴァリエーリ(ちなみにシェフはハインツ・ベツク)のソムリエ、マルコ・レイタノ氏を含む、ガンベロ・ロッソの専門家たちの意見を聞いてみましょう。

1位に選ばれたのは、ポッジョ・レ・ヴォルピのフラスカーティ・スーペリオーレ・エポス2010。


カンティーナのhpはこちら

カンティーナのPV

ワインのページはこちら

フラスカーティで栽培された地元品種のぶどう、(マルヴァジーア・ディ・カンディア、マルヴァジーア・プンティーナ、トレッビアーノ)を使用した地ワイン。
ガンベロ・ロッソでは何度もトレ・ビッキエーリに選ばれていて、ガンベロ・ロッソお気に入りのフラスカーティのようです。
日本でも手に入りやすいワインのようなので、ぜひ、トマトソースのスパゲッティと組み合わせてみてください。

順位外ですが、相性のよいビールというのも選ばれています。
それは、ドゥカートのヴィア・エミーリア。



ちなみに、このビール、前回のブログで紹介した消費者のタイプ別お勧めビールで、ビール通でない人向きのビール(ウンチクは気にしないサッカーのお供用)に選ばれています。

ドゥカートのhpはこちら

ビールのページはこちら

最近のイタリアのソムリエは、ワイン以外の泡を勧めるようになってきたそうで、ヴィア・エミーリアは万人向けのイタリア産クラフトビールの代表格のようです。
下面発酵、ドイツのテットナンガー産ホップを使用した無濾過のケラーピルス。
2010、2012、2014年のワールド・ビア・カップ、ケラービア部門銀メダル。
イタリアで最高のピルスの一つという評価を獲得しています。
産地繋がりでパルマの生ハムにも合うそうですよ。

ヴィア・エミーリアのテイスティング動画


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“トマトソースのスパゲッティに合うワイン”と“ビールと消費者”の記事の日本語訳は、「総合解説」2012年7月号にのっています。

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