イタリア料理ほんやく三昧: 9月 2014

2014年9月29日月曜日

フォルスト

今日はビールの話。

それにしてもここ数年、イタリアのビール市場は活気を呈しているようですね。
イタリア人が家の外で飲む飲み物の中で、ミネラルウォーターに次いで消費量が多いのがビールだなんて、イタリアの食文化もダイナミックに動いているんだなあ。

今回取り上げるのは、フォルスト。
アルト・アディジェのビールです。
ドイツ語で森という意味のフォルストという村にあります。
webページはこちら

Due


フォルストの創業者は、山からの済んだ水がわき出る場所として、この場所を選んだんだそうです。
フォルストのCM。
 ↓




フォルストの創業は1857年。

ドイツ系の食文化も取り込んでいる北イタリアならではのユニークな伝統です。

フォルストはイタリアで一番美しいビールメーカーと言われています。
社屋がアルト・アディジェの山の伝統的な雰囲気を見事に伝えていて、おとぎ話に出てくる森に囲まれたお城のよう。

こんな姿


代表的なビールは、フォルスト・プレミアム。
創業当時の伝統的な製法のビール。
 ↓
Forst Premium: Venetian Beer


このほかに、初孫の名前をつけたフォルスト・ジクタスとか、社長の60歳の誕生日を祝って造ったフォルスVIPピルス(下の写真)とか、大手だけど、一族経営ならではのネーミングのビールが一杯。

Nettare degli Dei

ピッツァにビールは昔からよく聞きますが、このフィノッキオーナとフォンティーナのフォカッチャにビールの組み合わせもおいしそう。
フィレンツェの光景。
 ↓
Finocchiona & Fontina on focaccia at Antica Sosta Degli Aldobrandini in Florence, Italy...


イタリアの地ビールの時代、来るかな。

総合解説」のボリュームアップを機に、今後はイタリアのビールの話題も積極的に解説に取り入れていくことにしました。
お楽しみに~。


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“ファルスト”の記事の日本語訳は「総合解説」2012年6月号に載っています。

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2014年9月25日木曜日

カリアリ

今日は総合解説5月号のクルメガイドで取り上げている街、カリアリの話。

カリアリはサルデーニャの南の端にある、サルデーニャ最大の都市です。
みっちり詰まっているけど、歴史地区やマリーナ地区をアップで見ると、なかなか趣がある。

Cagliari


Cagliari dall'alto


4つある歴史地区の一つ、ヴィッラノーヴァ。

A spasso per Villanova (Strolling around Villanova) * Explored *


マリーナ地区。

Cagliari Marina typical narrow streets


サン・ベネデットの市場はヨーロツパ最大。
面積は8000㎡。
ちなみに築地は23ヘクタール。




カリアリ料理を紹介する動画→こちら

記事に度々登場するサルデーニャ料理、クルルジョネスは、じゃがいも、ミント、ペコリーノの詰め物のラビオリ。
変わった閉じ方で、個性的な麦の穂の形になります。




アサリのフレーゴラも人気の一品。
動画



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カリアリのホテル、レストラン、ショップ情報などグルメガイドは「総合解説」2012年5月号に載っています。

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2014年9月22日月曜日

モスカート・ディ・スカンツォ

今日はワインの話。

モスカート・ディ・スカンツォDOCG。

ロンバルディアのベルガモ県、スカンツォロッシャーテのコムーネで作られているワインです。
パッシートの赤ワイン。

イタリアで最小のDOCGというのがセールスポイントの一つ。
2012年の時点では、19軒の造り手が500ml入りのボトルで年間6万本製造しているという、希少ワイン。
しかも、管理組合の会長自らが、ニッチ市場向けのすきま産業のワインだと語っています。

イタリアでも直接作り手か管理組合に行かないと手に入らないというワイン。
さすがに日本で売っている人はいないかなあ。

ワインの詳細は「総合解説」2012年5月号をご覧いただくとして、記事にもある通り、このワインは、イタリア郵便局の記念切手、「メイド・イン・イタリー」のDOCGワインシリーズ(こんな切手)では、ロンバルデイァに5つあるDOCGワインの中から、ロンバルディア代表として選ばれて、0.70ユーロの切手になっています。

こちらは同シリーズのヴェルディッキオDOCG。


Verdicchio dei Castelli di Jesi


ボルツァーノのアウトクトーナという土着品種のワイン大会(FB)の甘口ワイン部門で2012年に優勝したモスカート・ディ・スカンツォの造り手はマグリ・セレーノ。
カンティーナのwebページはこちら
 ↓



このワインの特徴は、その産地。
急こう配の薄い土壌で、その下は硬い石灰岩。
つまり、ぶどうの出来には造り手の努力が反映される。
収穫は9月から10月にかけてだから、今頃?
房がまばらにつくので手作業なんだって。

モスカート・ディ・スカンツォの畑がよくわかる動画

生産量は少ないし、イタリアでも知名度は低いのに、もっと有名になりたいという大きな野望を持つ管理組合長のカンテイーナは、イル・チプレッソ。
webページはこちら


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“モスカート・ディ・スカンツォ”の記事の日本語訳は「総合解説」2012年5月号に載っています。

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2014年9月18日木曜日

イタリアのパスタメーカーの前身

今日はイタリアのパスタメーカーの話。
あなたはどのブランドのパスタがお気に入りですか?

有名どころだと、バリッラ(バリラ)やデ・チェッコ(ディチェコ)。

Barilla Pasta Day

De Cecco


発祥地や創業年が書いてありますねー。

19世紀後半、イタリアでパスタ産業がスタートする前までは、バリラもデ・チェッコも、別の商売をしていました。
どこも最初は、町のパン屋さんなど小さな商店でした。
それがある時、一念発起して起業して、時代の波に乗って世界的な企業へと大成功を収めたわけです。

バリラは、今や世界で最も有名なイタリア企業の一つですが、その前身は、パルマの小さなパンとパスタ屋さんでした。
同族経営で、現代の経営者は4代目。

デ・チェッコはアブルッツォの地元で最高と評判の石臼の粉挽き屋さん。

アニェージは、最高の小麦とみなされていたウクライナ産タガンログ小麦を粉にする製粉業。

イタリアの製粉業の重要性については、先週、ピッツァに最適の粉を作るには、ピッツァ職人の熟練の感と同じくらい粉屋さんのブレンド技術がポイント、という話をしたばかりでした。

結局は、職人技がイタリアの食品産業を支えていて、世界的な巨大メーカーであっても、パン屋さんや粉屋さんからスタートしているんですね。

バリッラの創業からの歩みを映画のように素敵に伝えるイメージ動画、タイトルは『夢』。
さすがは大企業。
やることがスマート。
 ↓



創業者、ピエトロ・バリッラ・シニアさんが小麦の穂を握りしめるシーンは、粉からスタートしたライバル、デ・チェッコを意識してるのかなあなんて勘繰ったりして。

イタリアでもパスタメーカーは北から南まで各地にあるので、理論的には、美味しい乾麺のパスタの大量生産には、地理的な条件にはあまり左右されなそう。
ということは、日本でもできる。



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関連記事“イタリアのパスタメーカー”『サーレ・エ・ペペ』の日本語訳は、「総合解説」2012年5月号に載っています。

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2014年9月16日火曜日

ナポリ・ピッツァの水の話

ナポリピッツァの本、『farina acqua lievito sale passione』を読み解く話、続けます。

今日は、水。

よく、ナポリのピッツァが美味しいのは、水のせいだと言いますよね。
ナポリの人は、ナポリのコーヒーとピッツァが世界一美味しいのは、ナポリの水が違うからだと、確信しています。

その一番の特徴は、水の硬さ。
硬い水には、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが多く含まれています。
ナポリの水の硬さは、硬い~やや硬い。

ピッツァに使う水は、やや硬いものが最適。
このタイプは、グルテンの網目構造の生成を促すとかなんちゃら科学的な根拠があって、
生地のphがピッツァに最適の5~6になるのだそうです。

あーもー、パン生地って科学だったんだー。
硬すぎる水だとグルテンの粘りが強くなり過ぎ、その結果生地が堅くなって発酵時間も長くなります。
逆に軟かすぎる水だと生地の弾力が少なくなって、粘りがでます。

水の温度もポイント。
低すぎると発酵速度が遅くなり、熱すぎるとグルテンの鎖構造にダメージを与えます。

ピッツァの生地に最適の水温は冬は20度、夏は16度。

夏の水道水は高温すぎるので、冷蔵庫で冷やすとか、氷を加えるなどして温度を下げる必要があるそうです。

ふう。
かなり詳細な解説で、序文から粉の話、水の話と続くここまでで、本の冒頭わすが20ページです。
この後、イースト、塩、トマト、モッツァレッラ、オリーブオイル、竈、などなど、実に詳しく興味深い話が続きます。

ナポリのピッツァのクラシックはマリナーラとマルゲリータ。
このピッツァは、有名店、ダ・ミケーレのマリナーラ。
 ↓
Marinara, Antica Pizzeria da Michele, Napoli, Italy

こちらも有名店、ブランディのマルゲリータ。
 ↓
Margherita pizza at Pizzeria Brandi

クアットロ・スタジョーニもクラシックピッツァの一つ。
本で紹介しているトッピングはハム、ナポリサラミ、アーティチョーク、マッシュルーム、ガエータの黒オリーブ、モッツァレッラ、フィオル・ディ・ラッテ、ピエンノーロ・デル・ヴェズヴィオ種のミニトマト、バジリコと、超豪華。
ナポリの珍しい地元食材をたっぷり使っているんですね。
胃袋が元気だったら、ぜひナポリで食べたい。
ちなみにカプリッチョーザのトッピングもほぼ同じ。

Quattro Stagioni @ Spacca Napoli



ピッツァ作りって科学だったんですね。
ピッツァイオーロさん、まじリスペクトです。


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2014年9月11日木曜日

ナポリのピッツァの小麦粉

ヴェーラ・ピッツァ・ナポレターナ協会の本、『farina acqua lievito sale passione』の紹介を続けます。
ピッツァに必要な5つのエレメント。
その最初に挙げられたのは、farina、粉です。

Solo farina...


ナポリピッツァの真髄を教えようとするピッツァイオーリたちは、最初に、ある言語学者のこんな話を伝えています。

「小麦粉farinaは、ナポリではo'siore(花)とも呼ばれる」
フィォーレとは、ふすまを含まない小麦粉のことで、これこそが、ナポリのピッツァのペースです。
(そう言えば、小麦粉は英語でもフラワーですね。
でも、花のようにきれいという意味ではない)

どんなフィオーレを使うかは人それぞれ。
まず、硬質小麦粉か、軟質小麦粉か。
硬質小麦粉は黄色みを帯びてパスタ産業の様々な製品に用いられる粉です。
軟質小麦粉は肌理が細かく乳白色で、パンやピッツァに最適の粉です。

ファリーナは、様々な小麦のミックスです。
小麦は基本的に栽培された地方ごとに個性が違います。
製粉業者は、様々な小麦を組み合わせて、望む特性を持った小麦粉を作り出します。

小麦を粉にするには、溝付きローラーを通して砕き、次にふるいにかけて粒の細かいものと大きなものに分けます。

この2つの過程を繰り返してファリーナは出来上がります。

小麦を1種類ずつ別々に粉にして最後にミックスするか、最初からミックスして粉にするか、でも小麦粉の出来は違います。

ピッツァの小麦粉を語るなら、軟質小麦粉1.7㎏に水1リットル、なんて話をする前に、まず、小麦はどうやって粉になるのか、なんですね。

 
さてさて、小麦がどうやって粉になるかがわかると、次に問題になるのは、どうやって作ったら上質の小麦粉になるのか。

いやー、基本的なことなのに、意外と知らないもんですねー。

小麦粉は小麦を粉砕してふるう過程を繰り返しながら造られるわけですが、その間に、ローラーの間隔も溝も変えます。
ふるいもだんだん細かくなります。
ナポリのピッツァに使う最適の粉は、協会によると、00タイプの軟質小麦粉です。
00なので、不純物が少ない、よく精製された粉です。
つまり、2つの過程を時間をかけて行ったもの。

上質の小麦粉を語る時に知っておくべきことは、作り方だけではありません。
小麦の成分を構成する3つの要素。
澱粉、多糖、タンパク質。
そしてタンパク質と水が合わさるとグルテンが生まれる。

さて、ここから肝心な小麦粉の強さの話ですが、この先はやたら科学的な話になって、残念ながら、文系の私が理解するには1年はかかりそうです。

色々すっ飛ばして結論だけ言うと、何やらイタリアには小麦粉の強度を表すWという表示があって、これの250から320の間の強さがナポリのピッツァには最適なんだそうです。
中~強の間。

というわけですが、使う粉の強度を知ることが、美味しいピッツァを作るには基本中の基本なんですねー。
昔のピツァイオーリは手で粉に触ればその日の粉の強さが分ったので、必要な時は、“強い”小麦粉、マニトバ粉を足していました。
でも、次第に粉屋さんが改良を加えて、ピツツァ用に最適な粉を作るようになったんだそうです。

ナポリの有名製粉業者カプートのPV動画



こんな調子で、他の要素の話も続きます。
次は水の話です。


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2014年9月8日月曜日

ヴェーラ・ピッツァ・ナポレターナ

今日は、ピッツァの話。
ヴェーラ・ピッツァ・ナポレターナ協会の本、
farina acqua lievito sale passione
のご紹介です。

まさに、協会入魂の一冊で、ナポリピッツァのすべを紹介している本です。
こういう本を読むと、ナポリの食文化の奥深さを痛感します。

ヴェーラ・ピッツァ・ナポレターナ協会とは、1984年に、ナポリ風ピッツァの国内外へのプロモーションと、品質保持のために設立された団体です
協会のwebページはこちら
下の写真の左下の黒い円の中に描かれたナポリのキャラクター、道化師プルチネッラがピッツァを焼いているデザインがトレードマーク。
会員の店には、このマークが表示されています。

会員は日本を含む世界中に大勢います。
ピッツァイオーロを目指す人なら、誰もが知っている団体ですよね。
会長のアントニオ・パーチェ氏は、他の17名のナポリの優秀なピッツァイオーリたちと一緒に協会を創立しました。
家族経営の老舗リストランテ・ピツッェリーア、チーロ・ア・サンタ・ブリジダの現経営者です。
お店のwebページはこちら


photo


とにかく、ナポリピッツァの発展に尽くしたいという協会自体も熱いですが、本もかなり熱いです。
それをいきなり感じるのが、冒頭の序文。
書いたのは、スローフード・インターナショナル会長のカルロ・ペトリーニ氏。

「ナポリは、5つのエレメントから、錬金術師のようにピッッァを生み出した」と書いています。

さーて、ピッツァを作る5つのエレメントとは何でしょう。
小麦粉、水、酵母、塩・・・。
えーと、これだけあればピッツァ生地はできるはず・・・。
いやいや、これでは4つだから、あと1つ足りない。
ところが、あえてペトリーニ氏は、5つめのエレメントのことをすぐには書きません。
どうやら、皆さんのご想像にお任せしますというつもりのようです。

スローフードの創設者たるペトリーニ氏は、テッラ・マードレという活動も行っています。
スローフードもテッラ・マードレも、その概念を正しく理解するのは、かなり難しいと思います。
私などは全然わからないのですが、テッラ・マードレは、こちらのwiki先生によると、小規模の職人による上質食品生産者のネットワークのようなもの。
べドリーニ氏は、この本の前書きで、テッラ・マードレの発想が生まれたのは、ナポリで2003年に開催されたスローフードの国際会議の場でだったと書いています。
地中海の民族と魂の交差点のようなナポリという場所の持つ気風が、土地の豊かさこそが、buono, pulito, giusto(おいしい、クリーン、フェア)というスローフードの精神と結びつき、ひいては、ヴェーラ・ピッツァ・ナポレターナ協会が目指すものと、ぴったりと一致したのだと書き、こう締めくくっています。
パッシオーネ。
そう、5番目のエレメント、情熱です。
どうやらここらへんに共通点を見出したみたいです。

さらに、協会の序文は、こう始まっています。
「王も物乞いも、インテリもアーティストも大好きな食べ物、ピッツァはナポリ魂のエンプレムで他に類を見ない発明品だ。
本物のナポリのピッツァを語ることは、文化の核心に踏み入ることだ」

たかがピッツァ、されどピッツァですねー。
さらに、文化の核心、ナポリの魂が、イミテーションによって姿を変えて世界に広まっていくくらいなら、すべてをさらけ出してその秘密を教えるから、正しいナポリのピッツァを作ってくれ、という、激しい情熱に支えられた熱い思いが綴られています。

食品業界は、ペトリーニ氏やパーチェ氏のような人たちの情熱で動いているんですねー。

 と思ったら、本の最後には4ページに渡って会員の顔写真がずらーっと載っていました。
しかも、そのページのタイトルは「情熱の真実」。
なんと、これがこの本のオチだったんですね。
5つ目のエレメント、情熱を、何一つ隠さず。
素晴らしい。
会長さんだけでなく、ピッツァイオーリさんたちみんなの情熱を感じてください。

さーて、ナポリのピッツァイオーリたちの熱い思いを知ったら、今度はいよいよ、ナポリピッツァ作りです。
まず、何を用意しますか?

やっぱり小麦粉ですよね。
ピッツァの小麦粉についてなんて、もう語りつくされているかもとも思いますが、ナポリのピッツァィオーリたちは、何を伝えたいんでしょうか。

序文を読んだだけでかなり疲れたので、その話は次回に。


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2014年9月4日木曜日

乳鉢のパスタソース

今日のお題は「乳鉢で作るパスタソース」。
もちろん、有名なのはペスト・ジェノヴェーゼ。
この他にも、クルミのソース、空豆のソースなど、リグーリア料理には、このタイプのソースがたくさんあります。

リグーリアの市場の風景。
 ↓
Mortars

ペスト・ジェノヴェーゼ。
 ↓
Pesto al mortaio


ペストは乳鉢で作るのとミキサーで作るのでは出来上がりがかなり違います。
まず、材料をすり潰すとエッセンスオイルが出ます。
このオイルが出るようにすり潰すのがポイント。
材料も、オイルがたっぷり含まれる若くて瑞々しいものを使います。
上から叩きつぶすのはNGです。
ミキサーだと粉砕するので熱を帯びて空気に触れ、酸化の確率が高くなります。
歯ごたえも、ミキサーだと均質でなめらかですが、乳鉢だと適度な粗さと腰が残って歯ごたえがあるのに軽いフレッシュな仕上がり。

すり潰しやすい材料の量は乳鉢の半分以下。
にんにくをすり潰すには直径20㎝必要だそうです。

世界最大の乳鉢だって。
 ↓
Blimunda e il mortaio più grande del mondo


直径20センチのカッラーラの大理石の乳鉢。
乳鉢には、大きさも色も形も、色んなものがありますが、イタリア料理の乳鉢のイメージは、まさにこれ。
 ↓



バジリコの季節じゃない時に作るペストのバリエーションの一つに、イタリアンパセリのペスト、というのがあります。
面白そう、と思って動画を探してみたら、美味しそうなのがありましたよ。
ブロッコリー、アンチョビ、イタリアンパセリ、コラトゥーラのペスト。
ただし、ミキサーで作ります。
動画はこちら


アサリとイタリアンパセリのペストのスパゲッティも美味しそう。
料理の動画はこちら

どの動画もミキサーばかり。
結局、乳鉢で作れば美味しいということは分っていても、実際に使っている人は少なそうですねー。

そういえば、無印良品で大理石の乳鉢を売ってるのを見かけました。
買う人がいるのなら、乳鉢を使って料理を作る人もいるはず。

乳鉢ですり潰したソースは、パスタに最適ですよー。
バジリコとにんにく以外にも、アンチョビ、ルーコラ、空豆、オリーブ、ドライトマト、くるみ、アーモンド、ペコリーノ、パルミジャーノ、パンあたりが一般的な材料です。
あ、肝心なものを忘れていた、マイルドなオリーブオイルもだ。
それと、マジョラムを入れるとリグーリア風。




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「乳鉢で作るパスタソース」の記事とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2012年5月号に載っています。
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2014年9月1日月曜日

リヴィエラ・レヴァンテのパンソーティ

今日はリヴィエラ・ディ・レヴァンテの話。
リグーリア州の東海岸地方のことで、ジェノヴァの東端からラ・スペツィア県のマグラ川の間の沿岸地方のこと。

こんな海辺の町があります。

紹介動画

ナポリに対するアマルフィ地方のような関係で、ジェノヴァから短時間で行ける、美しい街並みが続く別世界のリゾート地です。
南イタリアのような底抜けの解放感やケオス的なエキゾチック感はありませんが、落ち着いた生活感が実感できる、手に届く高級リゾート、といった大人の町です。

代表的な観光地、サンタ・マルゲリータ、ラパッロ、ポルトフィーノの見どころを紹介する動画

ポルトフィーノの虹、ラパッロの夜景、サンタ・マルゲリータ。
 ↓
Liguria 01/01


Notturno a Rapallo

Santa Margherita Ligure


こんなリヴィエラ・レヴァンテ地方の代表的なパスタの一つがパンソーティpansotiです。
標準語ではパンソッティpansotti。
ラビオリの一種です。

イータリー・ニューヨーク店のパンソッティ

NYC - Eataly NY: Pansotti

代表的なソース、クルミのソースをかけたパンソーティは、リグーリアの代表的なプリーモ・ピアット。

ジェノヴァ料理としても知られていますが、一説によると、このソースの発祥地はラパッロだとか。

他にもいろいろな説があり、その一つが、レッコのレストランテ、マヌエリーナというもの。
そのお店のくるみのパンソーティの動画がありました。
こちら


クルミのソースは、乳鉢で作るソースでもあります。

乳鉢で作るリチェッタ

動画ではどちらも形が上の写真とは形が違いますね。
いずれにせよ、パンソーティとは、ブックり膨れたお腹と言う意味なので、それをイメージして成形します。

乳鉢で作るソースと言えば、その代表的なものがペスト・ジェノヴェーゼ。
ペスト・ジェノヴェーゼは、リヴィエラ・レヴァンテでは、にんにくとペコリーノの量が少なめでマイルドなんだそうです。

次回は乳鉢で作るソースの話です。

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『ヴィエ・デル・グスト』誌のリヴィエラ・レヴァンテの記事とクルミのソースのパンソーティを含むリチェッタは、「総合解説」2012年5月号に載っています。

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