2014年7月31日木曜日

イースターエッグ、ルーコラ

イタリア料理の季節のイベントで、大きなものは、クリスマスとはパスクア。
パスクアはキリストの復活にかけて春の訪れを祝う再生の祭り。
イタリア料理の1年をスタートさせるには、ぴったりのお祭りです。
2012年4月号の「総合解説」のテーマも、復活祭。

この祭りの主役の食材は、子羊、卵、リコッタ、パン。




卵のゆるキャラたち。
鶏、豚、ネズミ、猫、牛、魚、なんでもできるんですねー。
でも、考えてみたら、色つきゆで卵ってどうやって作るのかも知らない。

色つきゆで卵の作り方。
濃く着色したい時は一晩ゆで汁に浸けます。
 ↓


イースター・エッグを芸術品に変えたのは、ロシア人の皇帝御用達の彫金師、ピーター・カール・ファベルジェ。



ファベルジェの卵。
この中に、金の卵、王冠、人形などが入っています。
これ1つでひと財産。


そして復活祭から2週間ほどたつと、季節は春爛漫。
ピクニックシーズンとも重なるこの時期の主役は、新そら豆と新グリーンピース。




ちょっと前に紹介した、プーリアの子羊肉とグリーンピースのオーブン焼き料理、“パスクエッタの子羊”、別名ヴェルデッテは、仕上げに溶き卵もかけるので、まさに春を象徴する食材ばかりを使った料理だったんですねー。
実はこの料理、グリーンピースの地方料理を調べると必ず出てくる、この季節の代表的な一品なんです。

とにかく、春は新グリーンピース。
「リチェッタ・ダイジェスト」では、グリーンピースのさやを使ったフランも紹介しています。

晩春から初夏にかけては、さらに、緑が色濃くなって、香草と野草のシーズンの到来。
郊外の原っぱや森や林で、香草や野草やベリーを摘んで、田舎で田舎料理を満喫する季節です。


そして小麦が熟します。
そういえば、ウクライナの墜落現場の映像を見ると、一面の小麦畑。
小麦がたわわに実っていて、収穫目前だったんだろうなあ、なんて考えてしまいます。

夏になれば、トマトですよね。

でも、ちょっと話を戻して、香草の話。
4月号では、ルーコラを取り上げています。
今までにもたびたび取り上げてきたルーコラですが、今回は、やたら媚薬としての効能が説明されていました。
翻訳してくれたたっくんママが、エッチな話題をとても品よく美しく訳してくれたので、気が付かないかもしれませんが、
「南イタリアでは、思春期の少女がルーコラを大量に食べると胸が大きくなる、と信じられている」
だって!
まじめな料理雑誌の記事と思えないような一文。
思春期じゃないとどうなるんですか?

まあ、どうやらルーコラ媚薬説はルネサンス以降は下火になったようなので、真偽の程はさだかではありませんが、誰か経験者がいたら教えてください。


この草にそんな作用が。
思春期過ぎてて残念。




ちなみに、ルーコラは低カロリーでカルシウムが豊富、食欲増進、虚弱体質改善、消化を促し、肝臓の働きを助け、解毒作用や利尿作用があります。
夏バテ解消にもよさそうですね。




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“イタリアのイースター料理”、“バスクエッタの子羊”、“ルーコラ”の記事の日本語解説とリチェッタは、「総合解説」2012年4月号に載っています。

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2014年7月28日月曜日

そら豆とグリーンピース

今日は、『サーレ・エ・ペペ』の記事の解説です。

問題。
パスクエッタ以外に、イタリア人がこぞってピクニックに行く日はいつでしょう。

ヒント
パスクエッタは、待ちに待った春が来て、うきうきしちゃう頃。
問題の日は、春になってポカポカしてきて、畑に戻る前の最後の息抜き。

答え
5月1日です。

この日は各地で春の到来を祝うカレンディマッジョというお祭りが開催されますが、アッシジの祭りは特に有名。
 ↓



イタリア料理の世界では、この日の主役はそら豆です。
5月1日だけのイタリアのそら豆の消費量は1000トンだそうですから、土用の丑の日のウナギみたいですねー。
この季節に旬を迎える典型的な食材で、しかも、初物が出回る時期。

5月1日に行われるピクニックは、ローマ地方ではマッジェッタmaggettaと呼ばれます。
この時期は、各地で新そら豆と新グリーンピースの収穫祭が開催されます。
シチリアの陶器の町、カルタジローネでは、収穫祭の15日後に新そら豆の収穫をするそうです。


新そら豆につきものなのが、新グリーンピース。
この種の豆は、とにかく新鮮さが命。





そら豆とグリーンピースにルーコラとペコリーノが加われば完璧、イタリア人の大好きな新青豆尽くしのパスタです。




それにしても、そら豆にペコリーノを組み合わせると、とたんに赤ワインに合う味になるから不思議。

美味しい豆類の産地として有名なプーリアのゾツリーノ。
おばちゃんパワーが半端ないです。
グリーンピースの花ってポピーみたいですね。




そういえば、最近は毎日青い豆食べてました。
枝豆です。
イタリアでも栽培しているようなので、そのうち、そら豆、グリーンピース、枝豆の青豆パスタが登場するのも時間の問題かと。

おまけの動画。
煮そら豆のスライドショー



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関連雑誌『サーレ・エ・ペペ』、“初物のそら豆”の日本語解説とリチェッタは、「総合解説」2012年5月号に載っています。

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2014年7月24日木曜日

パスクエッタの子羊

「総合解説」2012年4月号の記事から、まずは“バスクエッタの子羊”について、ちょっと解説です。

“パスクエッタ”。
直訳すれば小さなパスクア。

パスクアは、ご存じのとおり復活祭のこと。
キリスト教の世界のみならず、イタリアの地方料理の世界では、クリスマスに次いで重要な祝日です。
毎年、春分の後の最初の満月の次の日曜日が復活祭です。
来年2015年は、4月5日。

そしてパスクエッタというのは、復活祭の翌日の月曜日のこと。
天使の月曜日とも言います。
この日も祝日で、復活祭と同じく、子羊料理を食べる地方が多いようです。
これってもしかしてだけど、天使angeloと子羊agnelloをかけたイタリアンギャグじゃないの?
あっ歌える。

復活祭はまだ続いていますが、月曜は家族総出で郊外にピクニックに行く日。

パスクエッタの日に食べる子羊料理として『ラ・クチーナ・イタリアーナ』で紹介したのは、プーリアのムルジェ地方の料理。

とんがり屋根の石の家、トゥルッリで知られる広大な高原地方ですね。
羊の放牧やオリーブや果樹の栽培が盛んで、子羊料理の本場。

トゥルッリ




この地方で月曜に食べるのがパスクエッタの子羊ですが、日曜の復活祭の日に食べる子羊料理は、cutturiedde(クットゥリエッデ) 別名、agnello alla caldarella(子羊のカルダレッラ煮)という違う料理。

カルダレッラとは、バケツの取っ手を左右につけたような形の鍋です。
これに子羊肉とチコーリア・セルヴァティカ、トマト、水や牛乳を加えて弱火でじっくり煮込んだもの。
祝日のご馳走というイメージとは程遠い、質素な羊飼いの料理です。

ムルジェ料理には欠かせないチコーリア・セルヴァティカ。
その見つけ方を教える動画。
この広大な草原の中から見つけるなんて。



煮るとこんな風。
ほろ苦くて柔らかい歯ごたえの小松菜みたい。
荷さの奥にある旨みがやみつきになる味。





チコーリアの代わりにグリーンピースをたっぷり加えて、オーブンで焼くのがパスクエッタの子羊、別名ヴェルデッテ。
仕上げに溶き卵をかけるので、卵の黄色とグリーンピースの緑色のコントラストがきれいな一品。

ムルジェの人々にとって、この料理は天使の月曜日のピクニックに欠かせない一品なんだそうです。
鍋ごとオーブンで焼いた料理をピクニックに持っていくって、どんなピクニックなんでしょうか。


こんなピクニックでした。
 ↓




おまけの動画。
パスクエッタのピクニックにお勧めの冷めてもおいしいパスタ

なるほど、たっぷり風味をつけたパン粉でパスタを和えるんですね。
一般的なのは、前日のパスタの残りで作るフリッタータですが、これは珍しい。
パスタもお弁当のおかずになるでしょうか。

時期的に、日本のお花見と同じくらいの季節ですかね。
どうやら、ピクニックに行きたい気分になるのは国籍を問わないよう。
さらに、イタリアにはまだ、国民が総出でピクニックに行く日がありました。
いつだと思います?
その話は次回に。


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関連雑誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2012年4月号、“パスクエッタの子羊”のリチェッタを含む日本語解説は、「総合解説」2012年4月号に載っています。

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2014年7月21日月曜日

パスタ・マッタ

硬質小麦は、6月末に収穫したら小麦を完熟させて脱穀します。

昔ながらの手作業による収穫と脱穀。
精が出ますねー。
 ↓


こんなおじいちゃんやおばあちゃんたちが村中総出で収穫してる小麦粉で作るパンやパスタは、美味しいだろうなあ。


収穫前?




収穫後。
きれいに刈り取られた後でも、トスカーナの丘だということがよく分る。





家庭用粉ひき機。




イタリアは、世界の硬質小麦の10~15%を生産しています。

硬質小麦の粉から、様々なパンやパスタが生まれますが、今回は、一番ベーシックで、小麦の味がダイレクトに分かりそうな生地、、“パスタ・マッタpasta matta”に注目しました。
材料は粉、水、油、塩だけ。
イーストや、生地をフワッとさせる材料が一切入らない、薄ーいカリッとした生地です。
最新発売号の『リチェッタ・ダイジェスト』では、カムット小麦の粉を使ったパスタ・マッタのフォカッチャ・クロッカンテを紹介しています。
中に具をはさむと透けて見えるような薄い生地です。
あれ、これって、そうだ、レッコのフォカッチャも、同じ生地です。




お手軽なパスタ・マッタの作り方。




中にチーズや野菜をはさめば、オリジナルのフォカッチャ・クロッカンテができますね。




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関連雑誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』、2012年4月号“カムット小麦粉のフォカッチャ・クロッカンテ、ボッラジネ入り”の日本語リチェッタは、「リチェッタ・ダイジェスト」2012年4月号に載っています。

 
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2014年7月17日木曜日

小麦の収穫

えー、もう7月も後半突入ですかー。
総合解説の次号が遅くなって、大変申し訳ございません。
もうすぐ発売予定です。

それにしても、もうすぐ夏休み?
日本もイタリアも、6月から7月にかけての初夏の時期は、小麦の収穫時期なんだそうです。
小麦は、雨に弱いので、この時期が梅雨のまっただ中の日本では、さらに台風なんかきちゃった日には、大変ですよね。
今年みたいな年には、つくづく日本はお米の国だなあと思います。

小麦と雨については、こちらのwebページで詳しく説明されています。

今年のイタリアの小麦の収穫。
 ↓



今年の小麦の出来はどうなのかなあと思って小麦畑の動画を探したのですが、農家の男たちの関心は、もっぱら、俺んちのコンバインかっけー、だったようで、ごつくてでかいコンバインの動画ばかり。

2012年6月の小麦畑。
収穫を前に火麦が完熟してます。
 
 ↓


これは渋い。
シチリアの硬質小麦の物語。
日本に届くまでに、こんな景色を経由しているんですねー。




イタリアを代表する小麦の産地、プーリアも負けてません。
プーリアの小麦畑の素敵な動画。



よくよく探すと、小麦の収穫動画、色々ありました。
やっぱり小麦の国ですね。
イタリア料理の基礎中の基礎は、一粒の硬質小麦から。
今年の出来はどうだったんでしょうね。




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2014年7月15日火曜日

ロディジャーノのラスパドゥーラ

グラナ・パダーノの話をしていたところでローディーの話になったので、ついでですから、チーズの話でも。
ローディーの名産品、ロディジャーノの話は、このブログでも以前、こちらで取り上げています。

グラナ・パダーノとロディジャーノは、よく似たチーズで、どちらも、一般的に、“グラナ”と総称されるポー河流域で作られる硬質チーズです。

主な違いは、カードをプレスしてホエーを出すか出さないか。
出さないのがロディジャーノです。


グラナ・パダーノ





ロディジャーノ。





グラナ・パダーノはご存じの通り、パルミジャーノ・レッジャーノによく似たチーズです。
両者の主な違いは、原料となる牛乳の脂肪分の割合。
パルミジャーノは、脂肪分を一部分離させた牛乳に、分離させていない牛乳を加えて作るので、グラナ・パダーノより脂肪分が多く、出来上がりのチーズの味にも違いが生まれます。
あとは、餌の違いなどもありますが、詳しくは、以前のブログにまとめてあります。
こちらです。

パルミジャーノ、グラナ・パダーノ、ロディジャーノは、どれも、イタリアの代表的なグラナです。
牛乳の脂肪分、ホエーの残有量など微妙な違いで個性が生まれるんですねー。

パルミジャーノは世界で一番有名なグラナで、グラナ・パダーノは世界で一番売れているグラナ。
でも、ロディジャーノは生産量が少ないので、イタリアでもあまり流通してません。

ただ、ラスパドゥーラという食べ方が有名で、知名度はそこそこあります。




この削るチーズ、硬質チーズならなんでもできるかというとそうでもなく、ある程度しなやかな弾力性のある生地が必要です。
その点、ホエーを絞り切らないロディジャーノは、しっとりしていて最適なんでしょうね。
グラナ・パダーノでやろうと思ったら、熟成期間が数か月の若いものがいいそうです。

リゾツトなどのトッピングにおろしチーズを散らすより、ラスパドゥーラをのせるとかなりインパクトのある一品になります。


アスパラガスのリゾット

サルシッチャとラスパドゥーラのリゾット。




なんだか鰹節みたいですね。
ラスパドゥーラには平たくて幅広の刃のナイフで削りますが、鰹節の削り器でもできそう。


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2014年7月10日木曜日

ヴェッキア・ローディ

イタリア便りで、segnalibroさんが教えてくれた陶器、ヴェッキア・ローディがすごく気になっています。

ミラノからたった30分で、イタリア的な陶器の町に行けるなんて。
この町で、陶器屋さん巡りをするのはすごく楽しそう。




町も美しい建築物がたくさん。



皿のデザインには温かさ、優しさ、職人技が感じられるし、3次元的な造形も自由な発想。
葉や樹木、野菜など、地元の自然の素材を陶器で再現。





ヴェッキア・ローディができるまで。
 ↓




なるほど、ろくろを使うのではなく、型を使って焼くので3次元的な造形が可能なんですね。
平らな皿でも縁が優雅にカーブしていて、あらゆるところに職人の技が感じられますねー。



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2014年7月7日月曜日

ローディ

今日はイタリア便りです。
ではどーぞ。


6月初旬のことですが、日本からお友達が遊びに来てくれたので、ミラノ近郊の町Lodiへ行ってきました。
ローディはミラノの南東約30Kmに位置する人口4万5千人ほどの町で、現在は酪農の盛んなところです。
ミラノからの行き方はいろいろありますが、今回はミラノ中央駅からローディ駅まで所要約30分の列車の旅。



ピンクのローディ駅舎を背に10分ほど歩くと、町の中心ヴィットリア広場(Piazza della Vittoria)にたどりつきます。
ロンバルディア州で最も素敵だと言われる?(ベルガモに行った時も同じ言葉を聞いたような・・・)この広場は、幸か不幸かメルカートが立っていて(木曜日)、全貌は見渡せませんが、賑わっていてなんだか楽しい。





この町に来た目的は3つ。

    地元の焼き物CeramicaVecchia Lodi” を見たい

チェラミカ ヴェッキア ローディは君主の食卓を飾る陶器として、16世紀にはエミリア・ロマーニャ州ファエンツァやリグーリア州サヴォーナ、ヴェネト州バッサーノなどとともに栄華を競い合ったそうで、現在、ロンバルディア州で唯一DOC認定を受けている陶器です。

工房は郊外にあるとのことで今回は行きませんでしたが、展示販売しているお店をのぞいてみました。

SOTTO CASA 住所:Corso Umberto32 Lodi

 





(写真は工房パンフレットより)
このポッテリした雰囲気、イタフラドイツの融合的な感じ、私好きかもー。
蓋の取手が洋ナシの飾りになっているZuppiera(スープ入れ)にフォール・イン・ラブ。
いつの日か、おいしいトルテッリーニ・イン・ブロードが作れるようになったら、これを買いに来ようと心に決めました。
ん?そんな日が来るのかしら??
20数年前の震災以降、高価な焼き物は割れると悲しさ倍増だから・・・と、ドイツのマイセンやハンガリーのヘレンドに行ってもお買物を控える日本の方が多くなったような気がします。
磁器ではなく陶器ですが、ここのは割れてもまた買えばいいやって思えるお値段です!
② L’Erbolarioへ行きたい おそらく、ミラノ周辺に在住の日本人の多くが、別名ロンバルディア州のロクシタンと呼んでいる?自然派化粧品のお店、レルボラリオ。
その本社がここ、ローディにあるのです。
イタリア国営テレビでも取り上げられたことがあるのですが、テレビやホームページで見る限り、本社はとっても素敵な建物Villaなんですよね。
ぜひとも行ってみたいと思ったのですが、残念ながら、個人の見学は受付けていないとのこと。
で、市内にあるお店に行ってみました。




中庭からの様子にうっとり・・・。小さいけれど、店内もとっても素敵です。



友人はお土産用にたくさんお買物をしたのですが、すべて個別にプレゼント包装(無料)してくれました。
それがまた、とってもかわいいんです。
ここはまた、たくさんの試供品をくれることでも有名で、もう大満足でお店を後にしました。 L’Erbolario 市内2店舗
  住所:Via Camillo Benso Conte di Cavour,5 Lodi (直営店) :Corso Roma,80 Lodi (写真はこちらの店舗)
ちなみに、L’Erbolarioのお店はミラノ市内にも郊外にもたくさんあります。

③ 地元のチーズ Granone Lodigianoを食べたい グラーナでもなく、パルミジャーノでもなく、グラノーネ・ロディジャーノ(笑)。
おなじみ、あの丸い大きな塊を刃物で削ってサーブすることで知られているのだとか。



(写真はイタリアのサイトからお借りしました)
アグリツーリズモでお食事がしたいという友人のリクエストで、ローディ駅の隣にあるバスターミナルから路線バスに乗り、隣町ローディ ベッキオへ向かいます。
15分ほどのバス(Line社 Linea 3)の旅です。
ここの人はホントに親切で、どこで降りたらいいのかバス車内のみんなが教えてくれ、バス停下車後は忙しいお昼時にもかかわらず、道に迷ったらいけないからとアグリの女性オーナーさんのマンマが車で迎えに来てくれました。
店内ほぼ満席でびっくり。
メニューはなくて、次々前菜が出てきます。
モルタデッラとピスタチオのパテ、ハム3種。








食べたかったチーズ、ロディジャーノとアーティチョーク。一緒に口に入れるとうまさ倍増!




チーズに隠れて見えませんが、アーティチョークのオイル漬けはちゃんとなが~い茎もついていて嬉しい!!
実は私、蕾よりも茎の方が好きなんです。フフフ。
続いてマンマの手打ちパスタ、ドルチェはズッパイングレーゼを選択。甘さ控えめでこれもおいしい。








友人は、ドルチェにりんごのタルトを選んだのですが、今まで食べたりんごのタルトの中で一番おいしいって絶賛。
なんでも、おばあちゃんから受継いだ秘伝のレシピなのだとか。
でも写真なしです、えへへ。
スーツを着たビジネスマンや配達のガテン系おじさん達は、パスタではなくお肉を食べていましたよ。
   気になるお値段ですが、MENU Pranzo di Lavoro平日ランチなら25ユーロ。とってもお得!!
そうでなければ通常35ユーロだそうです。  
働くおじさん達が去った後の静かなひと時。




店内の壁にはVecchia Lodiが飾られていました。




ちなみにこの赤いバラ模様が、マイセンでいうところのブルーオニオンなのだとか。 動物もいますよー。




馬 『テヘヘ。マイセンと比べちゃったよ。
郷土愛ということでお許しください。』
Agriturismo San Lucio di Campagnoli Paola  tel:0371-752608 (予約がベター) 住所 1 Cascina S.Lucio, Lodi Vecchio
そういえば、ローディの町ではお買物に夢中になるあまり、ロンバルディアの宝石ともいわれる(←郷土愛)インコロナータ教会(Tempio Civico dell’Incoronata)を見学するのをすっかり忘れていました。
代わりにお食事後、ローディ ベッキオの町はずれにある聖バッシアーノ教会(Basilica di San Bassiano)を見学。



親切なローディの人たちのおかげで、素敵な一日になりました。
復路ローディ ベッキオからミラノへは、地下鉄3号線の終点SanDonato駅まで所要50分のバス(Line社Linea 8)が出ています。
バカンスの間、田舎のバスはびっくりするほど本数が減りますので、公共の交通機関ご利用の際は事前にスケジュールをご確認くださーい。
ミラノからの半日旅行、コモやベルガモも素敵ですが、ローディもお勧めです。





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2014年7月3日木曜日

グラナ・パダーノのカルボナーラ

グラナ・パダーノの料理って、何かあったっけ。
・・・、・・・、えーっと。
何も思いつかない・・・。
見事なまでに、脇役に徹したチーズですね。
逆に言えば、何にでも使える。

グラナ・パダーノ管理組合のwebページには、様々なリチェッタが紹介されていますが、その中で、ちょっと気になったのがカルボナーラです。
とりあえず訳してみますね。
原文はこちら

カルボナーラ・パダーナ Carbonara Padana
材料/4人分
 スパゲッティ・・300g
 グアンチャーレかベーコン・・100g
 卵黄・・2個
 黒こしょう
 塩・・少々
 グラナ・パダーノDOP"リゼルヴァ"・・80g
 脂肪分20%の生クリーム・・100ml
 
 粉サフラン・・少々
・グアンチャーレを小さな短冊に切って強火でカリッとなるまで炒める。
・卵黄、生クリーム、塩、こしょう、サフラン、グラナ・パダーノを混ぜる。
・パスタをアルデンテにゆで、水分を多めに残しながら水気をきる。グアンチャーレのフライパンに入れて卵のクリームを加え、弱火で卵黄のとろみを残しながらよくあえる。
・クリーミーなとろみがついたら皿に盛り付ける。好みでグラナ・パダーノを散らす。


なーるほど。
なかなか面白いですなー。

そもそも、カルボナーラは、誰が名付けたのかも不明な料理なので、これが正解というリチェッタは存在しません。
卵、こしょう、チーズ、パスタというシンプルな材料なのに、いつも、あれやこれや議論が起きます。

ここで問題になるのは、もちろんチーズ。

ルーツとされるローマのリチェッタでは、どんなチーズを使っているのでしょうか。
ヒントは、ロマーノという名前がついている硬質チーズです。

そう、ペコリーノ・ロマーノです。
このペコリーノは、とても味が強いチーズなので、これを使うのと使わないのでは、出来上がりの味も違ってきます。

さらに、グアンチャーレも、熟成期間がパンチェッタより長いし脂肪分も多いので、ベーコンより、ずっと強い風味です。


ローマ風カルボナーラ





ペコリーノとグアンチャーレの強力なツートップが、ローマ風カルボナーラの濃厚な味を生み出します。

でも、イタリアでもローマ以外では、ペコリーノとグアンチャーレの代わりに、もっと手に入りやすくてマイルドなチーズとベーコンを使うのが一般的。

グラナ・パダーノは、最も代表的なマイルドな硬質チーズじゃないですか。
ある意味、カルボナーラ・パダーナは、インターナショナル料理としてのカルボナーラのリチェッタと言えるかもしれないですねー。

カルボナーラに生クリームは加えない派ですが、グラナ・パダーノとベーコンで作る時は、生クリームとサフランを加えるのもいいかも。
サフランはポイントですねー。


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マリア・ルイジアの小さな街、パルマのバターとグラナの娘、アノリーニ。本物は牛と去勢鶏のブロードでゆでます。

昨日の最後にサラっと登場したアノリーニですが、このパスタ、(CIR12月号P.5)にもリチェッタが載っていました。クルルジョネスの次の料理です。花の形の可愛い詰め物入りパスタ、なんていうのがこのパスタの印象ですが、イタリア人は、こんな風に思ってるんですね。 「マリア・ルイジアの小...