2014年6月30日月曜日

クレーマとグラナ・パダーノ


クレーマという町を知ってますか?
ロンバルド州クレモナ県の、クレモナに次ぐ、人口3万人あまりの町です。
覚えやすい名前ですよね。
でも、クレーマというカワイイ名前は、残念ながらクリームとは何の関係もなさそうです。

地理的には、ミラノとクレモナの中間点あたり。
観光地としてあまりメジャーじゃなさそうですが、『ラ・クチーナ・イタリアーナ』のグルメ紀行によると、美味しいものもあって、ふらっと寄ってみるのも楽しい町かも。

クレーマへの愛にあふれた紹介動画。
 ↓
 


代表的な広場、ドゥオモ、教会などの紹介

B&Bなど観光産業の協会によるPV(ちょっと長いです)。

歴史も芸術もモニュメントも、なかなか充実した町のようですが、基本的に、どうやらこの町の永遠のライバルは東隣の町、クレモナなんですね。
その根底には、12世紀に、ミラノに味方してクレモナと戦って町が焼け落ちたという黒歴史があるので、根が深そうです。
食べ物の名物も、グラナ・パダーノにモスタルダ、トッローネ、マルブーニと、クレモナと完全にかぶってます。

世界的な知名度では、圧倒的にクレモナの勝ち。




さて、クレーマで一番有名な産物は、やはりグラナ・パダーノでしょうか。
このチーズについては、以前、ブログで詳しく解説しています。
こちら




考えてみれば、グラナ・パダーノにも、パルミジャーノという永遠のライバルがいましたねー。
そのおかげか、グラナ・パダーノ管理組合では、宣伝にかなり力を入れていて、いつも奇抜で凝った作品を雑誌やTVで発表しています。
 ↓
 
 



グラナ・パダーノを使った料理もバリエーションが豊富。
ミスト・ウッド・ボードと名付けられた1品。
生ハム、サラミ、チーズ、オリーブ、アランチーニ、グリッシーニなど、イタリアを代表する美味しいフィンガーフードの盛り合わせ。




ほうれん草とチーズのパンケーキ。
詰め物は定番のほうれん草とリコッタの組み合わせにフェタとチェダーをプラス。
グラナ・バターノとバジリコをトッピングして焼いてます。




アボカド、レタス、トマト、グラナ・パダーノのサンドイッチ。




生でも焼いても美味しそうですねー。
次回はグラナ・パダーノのリチェッタでも。


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関連雑誌『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2012年3月号、“クレモナとクレーマ”の記事は、「総合解説」
2012年3月号に載っています。

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2014年6月26日木曜日

アーモンドのコンフェッティ、ベスト10


ガンベロ・ロッソが選ぶ、アーモンドのコンフェッティ、ベスト10。
ソースはちょっと古いけど、2012年3月号です。

1位は、プーリアはアンドリアのムッチ。
10軒のうち、食べたことがあるのは、ここのだけでした。
確かに、美味しかった。

店のwebページはこちら
右側の『catergorie』の欄にずらーっと並ぶ種類を眺めてるだけでもウキウキしますが、アーモンドのコンフェティをクリックすると、なんとその先に、16種類ものアーモンドのコンフェッティが。

アンドリアのムッチの店は、年代を感じさせる古びた雰囲気の中に、カラフルで可愛くてポップなコンフェッティが、たくさんあって、可愛い魔女が錬金術でお菓子を作っている工房みたい。
何を買うか迷いに迷うけど、とても楽しいんです。

ムッチの店内。
 ↓



この店の最高のコンフェッティは、アーヴォラ・エクストラ・ペラータ37/38というアーモンドを使用しているそうです。
評価は、上品で繊細で驚くほどバランスの取れた味。
極上の食材を必要最小限だけ組み合わせて、何世紀にも続く経験で作り上げたコンフェッティ。
澱粉は使っていません。
信じられないような純白の白さ。
バニラやアーモンドの甘い香りはとても控えめ。
アーモンドを包む糖衣は極薄で華奢、なめらか、控えめで、口溶けもよく、
フレッシュで、コクがあってマイルド。
適度な強さと硬さ。
と、べた褒めです。


2位は、Agnone(モリーゼ)のLabbate Mazziotta
webページはこちら

深い山の中にある、交通の便の悪そうな、行きにくそうな古ーい町にあるお菓子屋さんが、イタリアで2番目に美味しいコンフェッティの造り手です。
80年代のTV番組。
 ↓


オスティアとか、他の名物も美味しそう。


3位はローマのCollefiorito。
店のwebページはこちら
チョコレートの専門店ですね。
1945年創業の老舗です。

4位はロンバルディアはヴァレーゼのErnesto Brusa。
webページはこちら
この店も、こだわってるようですねー。

5位はモリーゼはモンテロドゥーニのDolceamaro Confetteria Molisana。
webページはこちら
モンテロドゥーニはこんな町

6位はナポリ郊外の町、シシャーノのPrisco Maxtris。
webページはこちら

CM。
 ↓


ちなみにこの男性は、有名なウエディング・プランナーで、パーソナリティーとしても人気者らしいです。


7位はミラノのRossetti。
webページ

8位はスルモナのPelino。
webページ
コンフェッティの町スルモナを代表するコンフェッティのメーカーです。
 ↓


9位もスルモナのD'Alessandro。
webページ

10位はペスカーラのDi Donato。
webページ

いやー、どの店も、本物って感じの店ばかりですね。
北から南まで渋い選択で、どの店も全然知らなかったけど、機会があったら行ってみたい店ばかりです。


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2014年6月23日月曜日

上質コンフェッティの条件


それでは、『ガンベロ・ロッソ』が選ぶ、アーモンドのコンフェッティ、ベスト10の紹介です。

あっと、その前に、職人が決まり事を厳密に守って厳選した材料で作られるために、グルメの食べ物と言われるコンフェッティ。
その評価のポイントは、どこにあるのでしょうか。

まずは、やはりアーモンド。
イタリアでアーモンドと言えば、シチリアのアーヴォラAvola産のもの。
厳密に言うと3品種が栽培されていますが、代表的なのはピッツータ種。
殻が硬く、大粒で平らで、風味豊かなのが特徴で、高級コンフェッテリーアやパスティッチェリーア御用達。
 ↓



アーヴォラと言えば、ワインのネロ・ダーヴォラNero d'Avolaでもおなじみの名前。
シラクーザ県のコムーネです。

アーヴォラのアーモンド管理組合によると、コンフェッティは、ローマ時代に、結婚や誕生を祝うものとして作り出されたのだそうです。
でも、考えてみれば、アーモンドを糖衣で覆ったコンフェッティの一番大切な材料、アーモンドも砂糖も、イタリアにはアラブ人によってもたらされました。

砂糖がイタリアに伝わったのは8世紀。
それ以前は蜂蜜を使っていました。
蜂蜜でどうやって作るのか不思議ですが、現在の形のコンフェッティが作られるようになったのは、アブルツッォのスルモーナという町で、15世紀のこと。
現在、スルモーナはコンフェッティの町と呼ばれています。

花屋さんじゃないです。
コンフェッティ屋さんです。
 ↓



アーモンドは聖書にも登場するので、古代ローマ人になじみが全くない食べ物ではなかったんですね。
アーモンドはギリシャ人やフェニキア人によって、まず交易品として伝わりました。
栽培が始まったのはシチリア。
古代ローマ人はアーモンドのことをギリシャのクルミと呼んでいました。
古代から、アーモンドは春に早生の花が他の木に先駆けて早く咲くことから、約束の象徴とされていました。

アーモンドの花は桜の花にそっくり。
畑一面アーモンドの花が咲き誇る様子を見て、今年も神様は約束を果たしてくれた、という気持ちになる、というのは、毎年桜を待ち焦がれる日本人にはよくわかる心情ですね。
アーモンドの開花
 ↓



意外なことに、現在イタリアのアーモンドの最大の産地はプーリアのバーリ県なんだそうです。
世界のアーモンドの半分以上はカリフォルニア産ですが、カリフォルニア産と比べて、イタリアのアーモンドは殻が硬くて厚いのが特徴。

上質コンフェッティのチェックポイント、その2はアラビアガム。
糖衣を接着させるために、薄ーくつけます。

その3は、米やとうもろこしの澱粉による、純白の被膜。
適当な量でないと粉っぽさを感じます。

そして最後は回転釜を使ったコンフェッタトゥーラ、糖衣がけです。
コンクリートミキサー車のような釜で、上質な糖衣ほど薄く、華奢で、甘すぎず、口どけがよいのです。

なんだか、連銀術師が作るようなドルチェですね。
確かに、グルメのお菓子です。

ウィリアムとケイトのためのスルモーナのコンフェティだって。
 ↓



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2014年6月19日木曜日

コンフェッティ

個人的な話で恐縮ですが、私、コンフェッティが好きなんです。
驚異的に日持ちがするし、味のバリエーションが無数にあるので、イタリアから自分へのお土産用に買って帰って、100均のガラスのコンテナーに詰めて飾って、数か月かけて、ちびちび食べて楽しんでいます。
でも、今一つ、コンフェッティって地味。
フランス語でドラジェて言うと、少しは華やいで聞こえます。
こんなにカワイイのに。




ところで、最近は、あまり美味しいコンフェッティに出会えてなくて、私はなんでコンフェッティが好きなんだろうと、疑問を抱きだしていたところでした。
そんな時、『ガンベロ・ロッソ』が選んだアーモンドのコンフェッティベスト10を見て、いきなり納得。
ナンバー1に選ばれていたそのコンフェッティこそ、私が初めて食べて、すっかりファンになった店のものだったのです。
イタリアで一番美味しいコンフェッティにいきなり出会えていたのかあ。
ラッキーでした。

そもそも、そのお店を知ったのは、『ア・ターヴォラ』のグルメガイドで、プーリアのアンドリアに、とても美味しいブッラータの店がある、というい記事があり、ついでにアンドリアの美味しいものとしてこの店のコンフェッティが紹介されていたのです。

実際、そのブッラータの店に行ったら、今まで食べたことのないブッラータで、びっくりしましたが、その時ついでに行った店に、何年も後に、こういう形で注目するとは、雑誌の記事もバカにできませーん。

それにしても、コンフェッティって複雑な食べ物ですよね。
表面の純白でつるつるの糖衣から中心のアーモンドに至るまでの間に、様々な味と歯ごたえの変化があって、最近ではティラミス味とか、ズッパ・イングレーゼ味なんてものまであって、いったいどうやって作るのか、見当もつきません。
詳しくは、wiki先生でもどうぞ。
こちらです。


ジェノヴァの老舗コンフェッテリーア、ピエトロ・ロマネンゴのコンフェッティ作り。
こうやって、あのつるつるのコンフェッティが生まれるんですねー。
 ↓



こちらはガンベロ・ロッソで1位に選ばれた店のコンフェッティ作り。
アーモンドからベルギー産チョコレートに至るまで、最高の食材を使ってます。
 ↓



アンドリアがコンフェッティの町と呼ばれていたなんて、知らなかったー。
約150種類もあるんだって。
コンフェッティ好きにはパラダイスやねー。
昔はブッラータのためにアンドリアまで行ったけど、今なら、この店のコンフェッティのためにアンドリアに行って、2、3年分買ってきたい!
この町は、偶然入ったピッツェリーアも美味しかった。
住民の舌が肥えているのを感じましたよ。

実は、動画を見てるうちにたまらなくなって、今もコンフェッティを食べてます。
幸せー。
次回はベスト10に選ばれた店を紹介します。




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2014年6月16日月曜日

フレーゴラのリチェッタ

はい、それではフレーグラ(フレグラ、フレーゴラ)のリチェッタです。


その前に、とても分りやすいフレーゴラの説明の動画をどうぞ。
乾麺のフレーゴラには大、中、小の3サイズがあり、ゆで時間はだいたい15分。




まずはやり手レストラン経営者が作る乾麺のサルデーニャの伝統パスタのブランド、コローナのwebページ(こちら)から。
こちら。

イセエビとフレーグラのズッパ Zuppa di Aragosta con Fregula Sarda
材料/4人分
 フレーグラ・・50g
 イセエビ・・800g
 EVオリーブオイル・・200ml
 フィノッキオ・・1個
 完熟トマト・・12個
 ドライトマト・・3個
 赤唐辛子
 
 セモリーノ・・50g
 サルデーニャのヴェルメンティーノ・・1カップ
 にんにく、イタリアンパセリ、
 バジリコ・・10~15枚
イセエビを小さく切り分けて油でしっかり炒める。ワインをかけてアルコール分を飛ばし、小角切りにしたフィノッキオ、丸ごとのにんにく2かけ、唐辛子を加えて5分炒める。
・トマトとドライトマトの小角切りを加えて5分煮る。水約1リットルと塩を加え20分煮る。
・フレーグラとセモリーノを加えて約15分煮る。仕上げにイタリアンパセリとバジリコのみじん切りを加える。

フレーグラの定番はアサリのソース。
まず、鍋に砂抜きしたアサリ、オリーブオイル、にんにくのみじん切り、イタリアンパセリのみじん切りを入れて熱しり貝が開いたら取り出します。
鍋に残ったアサリの汁にトマトソースとサフランを溶いた湯を加え、そこにフレーゴラ、サフラン、唐辛子、ちぎったバジリコ、アサリを加えて煮ます。




たっぷりのサフランが、サルデーニャ料理のポイントですねー。

アサリのフレーゴラの人気のバリエーション、ボッタルガがけ。

にんにくを油でソッフリットにし、フレーゴラを入れて炒めます。
ワインをかけアルコール分を飛ばし、野菜か魚のブロードを少量かけ、唐辛子、トマトの小角切り、砂抜きしたアサリを加えて約15分煮ます。
フレーゴラが煮汁を吸ったら皿に盛り付け、イタリアンパセリのみじん切りを散らしておろしたボタルガをかけます。





これはサフランが全く入りませんねー。
サルデーニャのクスクスとか言われますが、この作り方はリゾットですね。

おまけの動画。
クスクスの作り方も見たくなりました。
イタリアのクスクスと言えば、シチリアのトラーパニ。
とうわけで、シチリア風クスクスの動画です。
こちら


セモリナ粉をこすって粒状にし、塩、こしょう、玉ねぎのみじん切り、イタリアンパセリのみじん切り、シナモンの小片、ローリエ、EVオリーブオイルで調味します。
これをクスクス鍋で蒸します。
ズツパ・ディ・ペッシェを用意します。
クスクスにズッパ・ディ・ペッシェの煮汁をかけて吸い込ませます。
皿に盛り付けたらズッパの魚介を添えます。

ふう、大変。
フレーゴラのほうがずっと簡単ですねえ。
それに、フレーゴラの方がジューシーで美味しそう。


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関連雑誌『ヴィエ・デル・グスト』2012年3月号、イセエビのフレーゴラを含む“サルデーニャ料理”の日本語解説は、総合解説2012年3月号に載っています。

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2014年6月12日木曜日

コローナのフレーグラ

サルデーニャ、オリスターノ県のシーアマッジョーレという、人口980人の海にも面していない小さなコムーネで、最大客席数600人という大宴会場を持つレストラン、ダ・レンツォを経営するシェフ、レンツォ・コローナ氏は、いったいどんな人物なのか。

店のオープンは1984年。
「なぜなら料理することしか知らなかったから」、この店を始めた、という彼のカッコイイ言葉が、『トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ』では引用されています。

店のwebページはこちら

店の料理を紹介するレンツォ氏。
 ↓



この店の名物は、フレーゴラとイセエビ。
実は、フレーゴラ(製品名はフレーグラ)を作って輸出もしています(アメリカやオーストラリアでどっかんどっかん売れてるらしい)。
そのフレーゴラを使った帆立貝とムール貝のフレーゴラ。
 ↓


複雑な形をしたサルデーニャのパスタ、ロリギッタスマッロレッドゥスも作っています。
ブランド名はコローナ。
wegページはこちら

なにやら、凄腕経営者のようですね。

フレーゴラ(フレーグラ)については以前にも取り上げています。
こちら


硬質小麦粉と水をこすり合わせながら粒状にしていく作り方の動画も上記のページにあります。
ちなみに、似ていると言われるクスクスの作り方はこちら

確かに原料は同じですが、出来上がりは別のものですねー。

コローナのフレーゴラのWEBページにリチェッタがあったので、次回訳してみます。


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関連雑誌『ヴィエ・デル・グスト』2012年3月号、イセエビのフレーゴラを含む“サルデーニャ料理”の日本語解説は、総合解説2012年3月号に載っています。

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2014年6月9日月曜日

イセエビのフレーゴラ

ウニのパスタに注目するきっかけになったのは、「総合解説」3月号のサルデーニャ料理の記事でした。
この記事で、ウニのリングイーネの次に惹きつけられたのは、イセエビのフレーゴラです。

アサリのフレーゴラ。
 ↓




トマトのフレーゴラ
 ↓



帆立貝のフレーゴラ
 ↓




ラタトゥイユのフレーゴラ
 ↓


ビーフシチューのフレーゴラ
 ↓



美味しそうなフレーゴラの写真はたくさんあるのですが、残念ながらイセエビのフレーゴラは発見できず。

フレーゴラはクスクスに似ているといわれるので、とりあえず、
おばあちゃんのイセエビのクスクスでも。
 ↓



+パスタ
 ↓


トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ』によると、フレーゴラはイタリアよりも外国で人気があるパスタなんだそうです。
この本に載っているイセエビのフレーゴラの写真は、私が今まで見た中で一番美味しそうです。
まるで、ほんとに宝石箱みたい。

その料理を作ったのは、オリスターノのリストランテ・ダ・レンツォのレンツォ・コローナシェフ。
なんと、人口980人のシーアマッジョーレという町にある、総客席数600の店です。

なんだかすごいシェフみたい。
その話は、次回に。


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関連雑誌『ヴィエ・デル・グスト』2012年3月号、イセエビのフレーゴラを含む“サルデーニャ料理”の日本語解説は、総合解説2012年3月号に載っています。

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2014年6月5日木曜日

ウニのパスタのリチェタ

ウニのパスタ、リチェッタはあまり大きなバリエーションはありませんが、各地のものを集めてみました。

まずはスローローフードの“リチェッテ・ディ・オステリーエ・ディ・イタリア”シリーズ『ペッシェ』から、
サルデーニャのカリアリのリストランテSu Talleriの一品。

ウニのバべッテ Bavette ai ricci di mare
材料/4人分
 バベッテなどのロングパスタ・・400g
 ウニ・・4ダース
 にんにく・・1かけ
 イタリアンパセリ・・1房
 バジリコ・・5枚
 ピーナッツ油・・大さじ5
 オリーブオイル
 塩、粉唐辛子(好みで)
・ウニをハサミで開いて中身を汁ごと取り出し、ソース用と仕上げ用の2つに分ける。
・鍋に油(オリーブオイルだとウニより風味が強すぎる)、にんにくとイタリアパセリのみじん切り、バジリコ、ウニの半量を入れて3分炒める。
・バベッテをゆでてソースの鍋に加え、残りのウニと粉唐辛子少々を加える。

次は同じ本から、プーリアのブリンディジのTonino Primitivo氏のリチェッタ。

ウニのリングイーネ Linguine ai ricci di mare
材料/4人分
 リングイーネなどのロングパスタ・・300g
 ウニ・・20個
 ホールトマト・・4個
 にんにく・・1かけ
 EVオリーブオイル・・大さじ2
 塩
・ウニの身を取り出す。汁は別にしてボールに集める。
・にんにくを油で軽くソッフリットにし、潰したトマトを加えて数分煮る。ウニの汁を加える。
・リングイーネをアルデンテにゆでてソースに加え、さっとなじませる。バベッテをゆでてソースの鍋に加え、仕上げにウニを加える。

ウニが新鮮でその味を強調したい時はトマトは加えません。

このリチェッタは、“リチェッタ・ディ・オステリーエ”シリーズの各州ごとの本『プーリア』にも収録されていて、こちらにはウニについての解説が加えられています。

それによると、地中海で獲れるウニの品種は、主にパラセントロタス属とArbacia aequitubercolataという品種で、どちらも、日本ではまったくお目にかかれないようです。
特に、ブーリアには後者のウニがたくさんいるそうです。
主にプーリアのイオニア海側、ポリニャーノからブリンディジにかけて棲息し、旬は3月から4月。


次は“ラ・グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ”シリーズの『サルデーニャ』から。

ウニのスパゲッティ Spaghetti ai ricci di mare
材料/4人分
 スパゲッティ・・320g
 ウニ・・20個
 にんにく・・4かけ
 生赤唐辛子・・1本
 イタリアンパセリ・・1房
 EVオリーブオイル
 塩
・ウニを開いて中身を取り出す。作業中に出た汁は集めて漉す。
・スパゲッティをアルデンテにゆでる。
・油1/2カップ弱ににんにくと種を取った唐辛子を入れて熱し、にんにくと唐辛子を取り除く。ウニ、ウニの汁、イタリアンパセリのみじん切りを加えて強火で1分なじませ、塩で調味する。
・スパゲッティを加えて火を止め、なじませる。

サルデーニャでは、昔はこれは質素な料理だったそうですが、今ではリストランで人気のスペチャリタです。


最後は、カンバーニアのパスタの本、『マッケローニ』から、島の夏の料理として紹介されている一品。

ウニのリングイーネィ  Linguine ai ricci di mare
材料/4人分
 リングイーネ・・320g
 ウニ・・12個
 にんにく・・4かけ
 イタリアンパセリ
 唐辛子
 EVオリーブオイル・・200㎖
 
 塩、こしょう
・油を熱してにんにくと唐辛子の小片少々をさっと炒める。塩、こしょうをして火から下ろす。
・ウニを開いて中身を取り出す。
・リングイーネをアルデンテにゆでて油に加え、再び火にかける。パスタのゆで汁少々を加えてマンテカーレし、ウニを入れて静かに混ぜ、火から下ろす。
・リングイーネをウニの殻に盛り付けてイタリアンパセリのみじん切りを散らす。


どのリチェッタも微妙な違いですねー。
作る人の味の好みがもろに出そうな料理です。
シチリアのリチェッタで、ソッフリットに白ワインを加えるというのもありました。

シチリアのシラクーザ県の人のウニのパスタ
 ↓



ウニはやっぱり日本産が美味しそう。
イタリア
 ↓


北三陸産
 ↓




あーお腹すいた。


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2014年6月2日月曜日

学年末

まだ6月なのに、日本のこの暑さは、いったいどうなっちゃったんでしょうねー。
夏前に夏バテしそうです。

でも、イタリアからは元気な便りが届きました。
segnalibroさん、イタリア生活エンジョイしてるなあ。
それでは、お願いしまーす。



外国人の為のイタリア語学校も、そろそろ学年末を迎えます。
県内の学校合同でフェスタが企画され、そのなかで、インターナショナル郷土料理コンテストがあるとかで、私もエントリーして参加しました。
いや、何のことはありません。 公立なのでケータリングの十分な予算がないから、生徒たちに作らせてしまおうっていう魂胆です。
審査を待つ生徒諸君と、恐る恐る味見するイタリア人審査員達。








たいしたことないだろうって高を括っていたのですが、お国自慢とあってか、みんな相当力が入っていてビックリしました。
約30カ国が参加した郷土愛の溢れるお料理は、どれもこれも力作ぞろい!!
セネガルのYASSA他




チャドのCIOP CIOP



香辛料がたっぷり効いていて、こんな機会がなければこの国々の家庭料理を食べることなんてできなかったかも・・・と、ちょっと感激。

イタリアでは、ポテトサラダのことをなぜかインサラータ・ロッサ(ロシアのサラダ)というのですが、本場ロシアのものはもっとおいしいのよって奮起した、ロシア女子によるインサラータ・ロッサ。




ロシアのケーキとともに2点出品。




食べたかったのに、あっという間に売り切れてしまったペルーのEMPANADA。



揚げミートパイみたいなもの?

アルバニアのシロップ漬けお菓子YUFKA。
オスマン帝国に由来するお菓子のようですが、イタリアにも近いからか、ババに似てる!



プレミア付きの上位3位は第3世界の国々が独占しましたが、折り紙を使った飾り付けが評価され、私は副賞なしの特別賞をいただきました。
え、お料理の写真??
料理人のみなさま、ごめんなさい。
私にはこれが精一杯の焼き鳥です。



一晩塩麹につけておいた鶏肉は、なんで冷めてもこんなに柔らかいの?って、お褒めの言葉をいただきました。

個人的には、タイの餅菓子がとってもおいしかったのですが、イタリア人審査員は『(無言)・・・ニョッキみたいね・・・』という微妙な反応で、お餅系はアジア以外には受け入れられにくいのだと実感しました。

麹に折り紙、素敵なものを残してくれた日本の先人達に感謝です。



超楽しそうなコンテストですねー。
ロシア人が作るインサラータ・ルッサ、一度食べてみたいなあ。
チャドやセネガルの料理なんて、初めて見たかも。
焼き鳥は塩麹を使うなんて、ナイスアイデア。
最先端の和食家庭料理じゃないですか。
特別賞受賞、オメデトー!!
どの料理もすごく手が込んでいて、異国で頑張るクラスメイトさんたちが、一生懸命作ったことが想像できます。
学校生活、楽しそうですね。



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マリア・ルイジアの小さな街、パルマのバターとグラナの娘、アノリーニ。本物は牛と去勢鶏のブロードでゆでます。

昨日の最後にサラっと登場したアノリーニですが、このパスタ、(CIR12月号P.5)にもリチェッタが載っていました。クルルジョネスの次の料理です。花の形の可愛い詰め物入りパスタ、なんていうのがこのパスタの印象ですが、イタリア人は、こんな風に思ってるんですね。 「マリア・ルイジアの小...