イタリア料理ほんやく三昧: 5月 2013

2013年5月30日木曜日

料理教室ドルチェ・エ・サラート

今日は料理教室つながりで、カンパーニアの料理教室の話。
『ア・ターヴォラ』の解説です。

記事は、ロカンダ・デッレ・トラーメというカゼルタのホテル・レストランの総料理長、ジュゼッペ・ダッディオ氏を紹介する内容なのですが、このシェフが、1998年に、仲間と共同で、ドルチェ・エ・サラートという料理教室を始めました。

ロカンダ・デッレ・トラーメのwebページはこちら
全部で10室のホテルです。

オーストリア資本のスーパーチェーン、ビッラのCMに出演しているシェフ。
 ↓




ドルチェ・エ・サラートのwebページはこちら
プロ向けとアマチュア向けのコースがあるんですね。
プロ向けのコースに、ピッツァコースやジェラテリーアコースがある一方で、寿司と日本料理コースなんてのがありますよー。
もちろんカンパーニア料理のクラスも充実してます。

ドルチェ・エ・サラートのPV
 ↓



ここは、イタリアの料理学校のモデルケースとしてイタリア中に知られているそうです。
アメリカのカレッジスタイルが特徴。

さらに、彼の本、『Ricet'iss』は、2009年のグルマン世界料理書アワードで、ベスト・シェフ・ブックを受賞。
もこみちくんの本が獲った、あの賞の一つですね。

記事のリチェッタを見る限り、彼の料理はとてもオーソドックスですが、仕上がりはなかなか派手で、見た目のインパクトはありますねえ。
カンパーニア発信の料理を学んだ人たちが世に出ていくのが楽しみですね。


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関連誌;『ア・ターヴォラ』2011年9月号、“ジュゼッペ・ダッディオ”の記事とリチェッタは「総合解説」2011年9月号に載っています。

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2013年5月27日月曜日

イタリアの料理男子

今日は、イタリアの男の料理事情について。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。

イタリア男性は、家庭で料理をするのか?

そりゃするよねえ。

じゃあ、料理教室に通うのか。

記事によると、80年代には、家で料理をする男性は28%。
それが今では43%だって。
大手料理教室コングストでは(webページはこちら)生徒の40%が男性だって。
ほお、こりゃすごい。

ただし、料理教室に通う動機というのが、「友人と食事を楽しんで女性と親しくなるため」、と訳しときましたが、実は、女性と親しくなるというより、女性にもてたい、という下心があると、包み隠さず分析してました。

とにかくこの記事は面白かったですねえ。
まず、料理教室に通う男性の人物像は、30~55歳の一人暮らしの独身者。
これは、現在イタリアの市場で増加中の購買者層なんだって。
で、料理教師に通う独身男性のことを、女性に頼らずに美味しいものを食べたい人、という、ちょっとさびしい分析。
スーパーでも一人前サイズの商品が多くなり、調理器具メーカーも一食サイズの電子レンジ用容器なんかを次々と開発しているんだそうです。
つまり、日本ならぼっちと呼ばれちゃう人たちが、イタリアでも増殖してるってことですね。

さらにスゴイのは、家庭の父親が料理教室に通う動機。
父親が子供のために料理を習うんだって。
これって日本でもそうなんですか?

さらに、妻を助けるため、という立派な動機も。
共働きの妻が家事や育児に費やす時間を考えると、自分も何かしなくてはと思い、料理を習うことにした、なんて。

こちらのページによると、ゾニングループの副社長フランチェスコ・ゾニン氏やオイルメーカーのカルロ・カルリ氏は、友人を招いてのホームパーティーの時には市場まで出向いてうさぎ肉や放し飼い鶏を買って、自分で調理するそうです。
こういうセレブたちが料理をする姿ってカッコイイですよねえ。
でも、中途半端なものは出せないだろうなあ。

フランチェスコ・ゾニン氏の料理
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こりゃモテルなあ。


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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2011年9月号、“イタリアの男の料理事情”の記事の訳は「総合解説」2011年9月号に載っています。

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2013年5月23日木曜日

ジャッロ・ザッフェラーノのアサリのスパゲッティ

今日は『ジャッロ・ザッフェラーノ』から、リチェッタを一つどうぞ。
スパゲッティ・アッレ・ヴォンゴレ。
動画の再生回数も多い人気の料理のようです。





本では、どのリチェッタも、まず、その料理に対するソニアの個人的な思い入れを語ることから始まります。
動画では語られていないことです。

「アサリのスパゲッティは、私にとっては我が家の料理の一つでした。
家族がカラブリアに住んでいた時に、私の父が、子供たちのために作った料理です。
この料理の濃くてクリーミーで完璧なソースを作るには、秘密がありました。
でも、父はそれを私には教えてくれませんでした。
何度やっても、私には父のようにできません。
父のソースはとても香りが強いので、家の外で目を閉じていても、香りをたどれば家に着くほどでした。
クリスマスには(アサリのスパゲッティは肉を食べないイブの定番料理の一つ)、両親、子供たち、知人が大勢集まって、父の鍋を囲み、美味しさの秘密を探り合ったものでした」

残念ながら父親の秘伝のレシピは謎のままですが、ソニアが、美味しいアサリのスパゲッティに何を求めているかは、よーくわかりますね。

そして材料と作り方の説明があります。

動画を見てもわかりますが、彼女のソースの作り方は、かなり独特です。
きっと、父親の味を再現するために、持ち前の几帳面さで試行錯誤を繰り返してこのリチェッタにたどり着いたんでしょう。
この過程、動画ではテキパキさっさと進みますが、本では丁寧に解説しています。
本を読んで動画を見ると、完璧に理解できますよ。

リチェッタの最後に、やや専門的なアドバイスがあります。
この料理の場合はアサリの品種についてです。
外来種より風味が強いヴェラーチェ(国産種)を使うように勧めています。
アジア産の外来種ではなく、国産種を使うと地中海の味になるそうです。
ちなみに、この2つの品種の見分け方は、管がぱっくり根元から2つに分れているのがヴェラーチェで、くっついているのが外来種です。
残念ながら私は日本では、まだ発見したことはありません。


ソニア・ペロナーチ著『ジャッロ・ザッフェラーノ


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2013年5月20日月曜日

ソニア・ペロナーチのジャッロ・ザッフェラーノ

カリスマシェフの次は家庭料理界のカリスマ、ソニア・ペロナーチさんの
の本、『ジャッロ・ザッフェラーノ』の紹介です。



ジャッロ・ザッフェラーノは、YouTubeでチャンネル登録者数8万人、総再生回数39万回という、イタリアで一番再生回数の多い大人気料理動画チャンネルです。
英語版とスペイン語版もあります。
そのwebページ(こちら)は、2012年のイタリアベストサイト賞というのも取っています。



カルボナーラ
 ↓



ソニアさんは実に理論的で解りやすく、テキパキと話しますねえ。
料理を作る手さばきも同様です。

upされた料理の数は500点に上ります。

本によると、ソニアさんは娘3人と犬2匹のママで、税金関係の仕事をしていたそうです。
でも、仕事をするよりも、薪のかまどでカントゥッチを焼いている時や、おばあちゃんのストゥルーデルの生地をアレンジして伸ばしているときのほうがずっと幸せに感じるくらい、料理が好きでした。
そこで、40代で意を決して荷物をまとめて、犬もつれて電車に飛び乗り、見事夢をかなえたんだそうです。
2006年に自宅のキッチンで始めたジャッロ・ザッフェラーノは、2009年に動画のupを始め、それがYouTubeの目に留まってあっという間に様々な業態に事業を拡大し、今では15人のスタッフを抱える一大料理スタジオになりました。
まさに時代の寵児。


この本は、2011年9月に出版されて、すでに6版を重ねているベストセラー。
ネットで検索数が多い130のリチェッタが載っています。

本のPV
 ↓






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2013年5月16日木曜日

カルロ・クラッコのフレッシュトマトのスパゲッティ

カルロ・クラッコの『クールにしたいならエシャロットを使う』より、
今回は、リチェッタの紹介。

まず、前回説明したとおり、彼にとって料理は、豊かな背景を持つ食材がたどりつく最終段階。
手に取る以前のことを知っていればいるほど、料理に込められるメッセージも強くなる、と信じています。
そこで、本に取り上げている料理は、彼のその料理に対する様々な思いを吐露するところから始まります。

最初の料理は“トマトソースのスパゲッティ”。
いったい、この超基本的な料理に、どんな思い入れを抱けるというのでしょうか。

実はこの料理は、彼にとっては、母親の料理そのものなんだそうです。

「学校から帰った私に、母親が毎日作ってくれたのが、トマトソースのスパゲッティでした。
当時、トマトの旬の時期は短く、6月から、長くても8月まででした。
旬の時期、母親はフレッシュトマトを、ただ小さく切って、生のまま使いました。
時にはトマトペーストを加えることもありました。
それ以外の時期は、夏の間に冬用に瓶詰にしたものを使います。

夏の間は、家族でよくガルダ湖に遊びに行きました。
その時、必ず、キャンプ用の調理道具を持参して、この、フレッシュトマトのスパゲッティを作ったものです。
これは、私にとって、一番美しい思い出です。
今思えば、ちっょとキッチュな思いで出てもあるんですけれどね。
母親はいつも出発前の朝早くソースを作っていたので、私には、どうやって作るのかを観る機会はありませんでした。
湖では、スパゲッティをゆでてソースをただからめるだけで、フライパンでソースとパスタを炒めることはしませんでた。
それからいつもプラスティックの皿に盛り付けて食べたんです。
皿はオレンジ色でした。
多分、トマトソースのスパゲッティの色に合わせたのでしょうねえ。
このリチェッタは、まさにトマトソースのスパゲッティの“湖”バージョンです・・・」

こんな回想から、レッスン1は始まります。

そういえば、私も若かりし頃、イタリアの下宿先で、毎日ランチに出たのがトマトソースのスパゲッティーニでした。
多分、多くのイタリア初心者さんにとって、トマトソースのスパゲッティは入門の一皿。
この料理に出会わずにイタリア料理と出会うことはないくらいですから、みんなそれぞれに印象的な思い出やエピソードを持っているはずです。

今やイタリアを代表するシェフの原点ともいえる料理は、やっぱりお母さんのトマトソースのスパゲッティなんだあ、と思うと、ありきたりのこの料理も、いったいどんな作り方をしているのか、とても興味がわいてきます。
実際、リチェッタには、トマトの品種、切り方、加えるタイミング、加熱時間、バリエーションに至るまで、事細かに説明されていて、ぜひ美味しい一品を作ってほしいという思いが伝わってきます。

レッスン1では、こういった基本的な料理を取り上げています。
よく知っている料理でも、その背景にあるカルロ・クラッコ氏の個人的な思いと組み合わせると、新鮮な一面が見えてきます。

シェフの料理本というと、難しい複雑なリチェッタと豪華な写真と装丁というのが定番ですが、この本は全く違います。
料理初心者にも伝わるようなわかりやすさと、プロの探究心も満足させる深い洞察。
そして手頃な値段。
派手さはないですが、手に取りやすい、とっつきやすい一冊です。
ベストセラーになるのも納得ですね。


別の著作『クラッコ・サポーリ・イン・モヴィメント』のPV
 ↓




次回は、動画界のカリスマの料理本を取り上げます。


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2013年5月13日月曜日

『クールにしたいならエシャロットを使う』

今日は、新入荷の本、カルロ・クラッコ著『クールにしたいならエシャロットを使う』の解説です。

 

著者のカルロ・クラッコは、1965年ヴィチェンツァ生まれ。
今やイタリアを代表するシェフです。
ホテル学校卒業後、グアルティエロ・マルケージやアラン・デュカスの元で才能を開花させ、エノテーカ・ピンキオッリ、マルケージのアルベレータなどでシェフを務め、2001年にミラノでリトランテ・クラッコ・ペックの総料理長となり、ミシュランでは2つ星を獲得。エスプレッソでは18.5/20、ガンベロ・ロッソでは2フォルケッテ、イギリスの『レストラン』誌では、世界のベスト・レストラン50軒に選ばれ、2011年から、ミシュランイタリアの選考メンバーとなっています。

まさに、飛ぶ鳥を落とす勢いの、イタリアのナンバー1カリスマシェフ。
この本は、出版後1か月で売上が3万部を突破し、現在もベストセラーリストの常連という話題の本。

この本、料理本の割には、タイトルが変わってます。
そのあたりからも、この人の個性が感じられますねえ。

このタイトルは、本の中で、サフランのリゾットの造り方を説明する箇所に出てくる一文です。

「まず、玉ねぎを細かいみじん切りにするところからはじめます(もしクールにしたければ、エシャロットを使ってください)。」

と言う文章なんですが、原文は、普通に辞書には載っていないfare i fighiという言葉を使っています。
こういうなんでもない一言にまで神経を細かく行きわたらせて、スタイリッシュに生きてる人のようですね。

内容は、料理のレッスンという形で、レベル1からレベル3までの難度の料理を合計60点、詳細に解説しています。

序文によると、彼はホテル学校では最初は劣等生で、調理の成績は4だったたそうです。
とろが、持ち前の努力で最後は8にまで上げています。
シェフの仕事に限界を決めない、というのが彼のモットーだったそうです。
その努力の裏で培ったテクニックや考えを、この60のリチェッタで披露しているというわけですね。

彼は、食べ物は単なるエネルギー源以上のもの、と考えています。
それを特別なものにしているのは、土地の歴史、伝統、そして人。
料理を作るとは、それらの貴重な過程の単なる最後の段階に過ぎない。
そのため、料理をするときは常に、使うこの食材はどこから来たのか、誰が作ったのか、それが生まれた土地にはどんな歴史があるのか、を考える。
そうすれば、メッセージはより強く、明確になって、料理を食べた人に感動を与えることができる。

だから、彼の本も、単なる材料と作り方を説明する本ではないのだそうです。


カルロ・クラッコのムール貝のマリナーラ。
 ↓



なんて手が込んるんでしょー。
お見事!
リチェッタは本にあります。

カルロ・クラッコ著『クールにしたいならエシャロットを使う



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2013年5月10日金曜日

『パンと恋と嫉妬』

映画の話の続きです。
『自転車泥棒』のモッツァレッラ・イン・カロッツァの場面は、金持ちの子供がナイフとフォークで食べるのに、貧乏人の子供は、ナイフとフォークがうまく使えず、手で食べる、というシーン。
普段、ナイフとフォークで食べ慣れてない私だって、手で食べるのが屈辱!!ということはわかります。


ナポリ料理の、モッッァレッラ・イン・カロッツァ。
 ↓



手で食べてましたねー。
卵液をつけて油で揚げるので、やはり、ナイフとてフォークが自然。

遥か昔、初めてイタリアの下宿先で食事をした時、「ナイフとフォークの使い方が下手なんですよ、へへへ」なんて話したら、「手で食べていいですよ」と言われてぎょっとしたことがあります。
軽いジョークのつもりだったんですが、手を怪我でもしてるのかと心配させちゃったみたいです。
どうやら、イタリアでナイフとフォークの使い方を話題にすると、社会階級の話になっちゃうということを知りました。


そうそう、GWにイタリア映画を観た人がいました。
しかも、すごく身近に。
creapassoの新スタッフのgattiさん。
なんとイタリア映画通だったんです。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の“イタリア映画と料理”のリチェッタを翻訳して、こんなコメントをくれました(Grazie!!)。


多分イタリア映画で最初に見たのが”パンと恋と嫉妬“だったような気がします。
話の筋は大雑把にしか覚えていませんが、筋と関係なく、外国では、訪問客にまで靴の下に布を敷かせて歩きながら家の中の掃除をさせるのぉ~、へ~。
という強烈な印象でした。
その後、実際イタリアに行って、いろいろなご家庭によばれるとすべてがそうしているわけでもないという事、
あの布と同じような形をしたパンをパン屋さんで売っていた事、
名前もそのものずばりチャバッタとは。。。。
ある意味感動したことを思い出しました。


そうそう、そんなシーンがありました。
床拭きシートみたいな生地でできた大きなチャバッタを靴の上からはいて、床の上をすりすり歩くんですよね。

イタリアやイタリア料理が好きだと、こういうエピソードはたくさんありますよねー。

ここで質問です。

チャバッタとは何のことでしょうか。

パン、と答えたあなた、イタリア料理人ですね。




スリッパと答えたあなた、イタリア暮らしが長いですね。



GW中にgattiさんが観たイタリア映画は、『塀の中のジュリアス・シーザー』。
2012年ベルリン国際映画祭で金熊賞(グランプリ)を獲った映画だそうです。
公式サイトはこちら
まだ公開中のようですよー。


そういえば、ついでですが、以前、ブログで『ガンベロ・ロッソ』のホームベーカリーの記事を訳した時、タイトルが、「パンと愛とテクノロジー」となっていました。
その時は、なんで「愛」なの?と不思議でしたが、この映画のタイトル(原題はpane amore e gelosia)にかけていたんですね。
だからイタリア人は、「パンと愛と・・・」。という表現をよく使うんだー。
謎がスッキリ解けました。


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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2011年9月号、“イタリア映画と料理”の記事とリチェッタは「総合解説」2011年9月号に載っています。

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2013年5月7日火曜日

イタリア映画と料理

今日は映画の話。
『ラ・クチーナ・タリアーナ』の記事、“イタリア映画と料理”の解説です。

以前ブログで取り上げたアメリカイタリア合作映画、『トスカーナの休日』は、アメリカ人がイタリアに抱く憧れを理想的に映像化したような映画でした。
だから、トスカーナの田舎家でのホームパーティーの場面は、かなり力が入っていました。
美味しそうな料理を食べて楽しそうにワインを飲んでいた、という印象はありますが、ゴージャスでおしゃれという以外、その場面の料理から、何かが伝わってくることはありませんでした。





ところが、この『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事は、イタリアが舞台の映画でイタリア料理が登場するシーンは、イタリア人にとっては、すごーく深い意味があるのだということを教えてくれました。

でも残念ながら、取り上げた6本の映画が、第二次大戦後まもなくの古いもので、日本で公開されていないものばかり。

観たことがあるものは1本もありませんでした。

主にイタリア式コメディーと呼ばれるジャンルの映画なんですが、こんなジャンルがあるってことも、知られてないですよねえ。
まあ私もよく知らないので、詳細はwikiでも見てください。
下ネタ系の他愛もない笑いだって。

こういうのが典型的なイタリア式のコメディーなんだそうです。





アハハ、笑える。

畑で寝てるおじさんに「今何時ですか?」
と聞くと、おじさんはロバのたまたまに触って時間を教えてくれます。
帰り道で再び訪ねると、やはり同じようにして、ぴったり正確な時間を教えてくれます。
「どーしてわかるんだい?!」と聞くと、なんと、たまたまの向こうに教会の時計塔があった、というオチ。


イタリア式コメディーの名場面詰め合わせ
 ↓



記事で取り上げている映画は、『パンと恋と嫉妬』、『I Tartassati』、『A Cavallo della Tigre』、『自転車泥棒』、『La Visita』、『Piccola Posta』。
知ってる映画、ありましたか?
唯一、『自転車泥棒』は、イタリア式コメディーの一つ前の時代、ネオリアリズモの代表的な映画なので、見たことがある人も多いのでは。
邦題がついているものは日本でも公開されて、wikiのページもあります。

記事で紹介している『自転車泥棒』のモツッァレッラ・イン・カロッツァのシーン(後半)
 ↓



全体的に救いのない映画ですが、二人の子供の階級差を、こんなに無慈悲に料理で象徴させていたなんて。
有名なシーンらしいけど、もうこの先、モツッァレッラ・イン・カロッツァを能天気に食べることはできないかも・・・。


なんと、この超鬱~な映画の監督ヴィットリオ・デ・シーカが、『パンと恋と嫉妬』では、スケベな警察署長を演じているんです。
お口直しにどうぞ。
 ↓



残念ながら動画はないですが、舞台はアブルッツォなので、出てくるパタスは当然のようにマッケローニ・アッラ・キタッラ。


映画と食文化を国の重要な産業と考えているイタリアならではのイベント。
イタリア映画に触発された料理をレストランで出す地域振興イベントのPV。
 ↓



GWにイタリア映画を観た人、いるかなー。


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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2011年9月号、“イタリア映画と料理”の記事とリチェッタは「総合解説」2011年9月号に載っています。

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2013年5月2日木曜日

じゃがいものケーキ

今日はじゃがいものケーキ(トルタ・ディ・パターテ)の話。

ことお洒落に関しては、完璧なセンスで上品に着飾るイタリアの方々。
ところが料理に関しては、上品とか洗練されていることは、なぜかあまり好きじゃないんですよね。
都会的とか、人工的、機械的なことは大嫌い。
例えば、白いパスタにはわざと茶色い粉を入れ、全部同じ形に切らずに、わざと不揃いにします。
日本料理は盛り付けがきれいでしょうと自慢しても、きれいに盛り付けることにさほど価値を感じていなければ、自慢にもならないような気が・・・。

『サーレ・エ・ぺぺ』の記事、“山小屋の料理”に登場する、夏山の放牧地の料理は、そんな素朴さと自然を愛してやまないイタリアの人々の料理の嗜好がよくわかるメニューでした。

タンポポとラズベリーのサラダの材料は、レタス、タンポポ、ライ麦パン、放牧地のチーズ、ブルーベリー、タイム、蜂蜜、ラズベリービネガー、そしてオリーブオイル。

続いて放牧チーズのフォカッチャは、白玉ねぎと山小屋のミックスチーズのトッピングに、小麦粉、卵、牛乳、生クリームをかけて焼きます。

プリーモは、板状に伸ばしてたパスタを手で不揃いの形にちぎったパスタとカリフラワー、ビエトラを一緒にゆでて、ポロねぎのバター煮と山小屋のリコッタであえた一品。

メイン料理はとうもろし粉のダンプリング、かぶ、スペックのミルク煮。
材料は、かぶ、玉ねぎ、スペック、小麦粉、とうもろこし粉、パン粉、牛乳、卵、ナツメグ、バター、etc.。

トウモロコシ粉、小麦、パン粉、牛乳、卵などを混ぜたお団子と、かぶ、スペック、玉ねぎのソッフリットを牛乳と小麦粉で煮てバターで調味という、ハイジのおじいさんが作ってくれそうな優しい料理。
スペックのスモーク香も、とうもろこしの香ばしさも、かぶの甘みも、搾りたての牛乳にとろ~っと溶けて、体が暖ったまりそ~。

どうやら、自然をそのまま受け入れる、ある意味野性的な地中海式食生活は、海辺だけでなく、標高1000m以上の山の上でも、健在のよう。

そんな山の上で、素朴を愛する人たちは、どんなデザートを食べるのか。

なるほど、こうきたかあ。

そう、ここで登場したのが、じゃがいものケーキです。
しかも、チョコレート入り。
人工的な甘さに慣れた都会人の心を、ちょこっとくすぐる魅惑的な響き、チョコレート。

山の上で、チョコレート入りじゃがいものケーキを食べる人は、なんか幸せそうだな~。


おばあちゃんのじゃがいものケーキ。
詳細は一切不明。
お手伝いしましょうか?
 ↓




村をあげてじゃがいものケーキ作り。
立派なかまどですが、このかまどのお祭りのよう。
村の共同のかまどかな。
 ↓



じゃがいものケーキは薪のかまどで焼けば完璧ですね。

じゃがいものケーキは、じゃがいもをマッシュポテトにしてパンケーキの生地に加えるもの、スライスしたじゃがいもを重ねる甘くないパイタイプ、などありますが、記事で紹介しているのは、生のじゃがいもをすりおろして生地に加えてパウンド型で焼くタイプ。
チョコレートだけでなく、ヘーゼルナッツ、山のバター、スパイスも加えます。
あっ、解説書に「砂糖・・80g」が抜けいてました。
大変失礼しました!


調べてみると、イタリア人はじゃがいものケーキが好きなようで、いろんなリチェッタがありますねえ。
ドルチェではないですが、ナポリには、ハムやプローヴォラ入りの“ガットー・ディ・パターテ”があります。
 ↓




毎度お馴染み、スローフード出版の“リチェッテ・ディ・オステリーア・ディイタリア”の『ドルチ』から、クーネオのじゃがいものケーキのリチェッタをどうぞ。

じゃがいものケーキTorta di patate
材料:6人分
 粉質でないじゃがいも・・300g
 片栗粉・・大さじ2
 バニラ風味のベーキングパウダー・・1袋
   卵・・4個
 ブラウンシュガー・・200g
 あんずジャム
 バター・・100g
  シナモンスティック・・1本
   クローブ・・8個
   ポピーシード・・小さじ1
 ノーワックスオレンジの皮・・1個分
・じゃがいもは皮をむき、シナモン、クローブ、オレンジの皮と一緒にゆでる。スパイスを取り除いてポテトマッシャーで潰す。
・じゃがいものピューレに柔らかくしたバター、砂糖、片栗粉、卵黄(1個ずつ)を加える。最後に卵白とバニラ風味のベーキングパウダーを硬く泡立てて加える。
・直径24cmの型にバターを塗って小麦粉をまぶし、生地を流し入れる。180度のオーブンで1時間焼く。
・オーブンがら出して表面にジャムを塗り、ポピーシードで飾る。 


イタリアって山の料理も面白いなあ・・・。


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関連誌;『サーレ・エ・ぺぺ』2011年9月号、“山小屋の料理”のリチェッタは「総合解説」2011年9月号に載っています。

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