2013年8月29日木曜日

マルビーニ・アイ・トレ・ブローディ

今日はクレモナ料理の話。
『サーレ・エ・ぺぺ』の記事の解説です。

クレモナと言うと、ロンバルディア州南部にあって、エミリア=ロマーニャ州に隣接した町。
食文化的には、“バッサ”と呼ばれるポー川流域の平野地方に属します。


クレモナ




バッサ・パダーナ





名物はトッローネとモスタルダ。
料理ではマルビーニが有名なんだそうです。
でも、知名度は低そうですねー。

そもそも、マルビーニって何?
こちらのページによると、クレモナでは人気の祝日に食べる詰め物入りパスタ、なんだそうです。

ただし、単なるラビオリじゃない。
この料理、正確には、マルビーニ・アイ・トレ・ブローディmarubini ai tre brodiと言います。
3種のブロードのマルビーニということ。
ブロードとは、スープのこと。
牛、鶏、豚か煮込み用サラミなど、3種類のスープを別々に取るという、とてつもなく手のかかる料理なんです。

クレモナ出身の俳優、ウーゴ・トニャッツィ(Mrレディー、Mrマダムの主役;動画の右の人)によると、







マルビーニはクレモナのスペチャリタで、子供のころの記憶に残る失われた味の料理だった。
マルビーニを煮るブロードは、去勢鶏、牛テール、ホロホロチョウのガラから取るグラン・ブロードで、暗くて暑い台所で、おばあちゃんや叔母さんが作るような、泥だらけのハンターがくつろいでいる田舎の古いトラットリーアで出すようなブロードだった。
私のクレモナでの子供時代には、この料理が出る日はご機嫌だった。
この料理は流れるような手順が大切なので、台所を母や祖母や叔母や近所のおばさんたちが行ったり来たりしだすと、もう私はテンションが上がったものだ。

どうやら時間だけでなく、人手も必要な、家族総出で作る料理だったようです。
パスタの形はオリジナルは円形ですが(こんな料理)、今では四角、半円、指に巻きつけるなど、なんでもありのようです。
詰め物は、牛、豚、子牛が3種類以上。
作り方は、3種類のブロードを取る、パスタを打つ、詰め物を作る、成形する、ブロードで煮る。
確かに、一人じゃ心が折れますねー。

トルテッリーニ・イン・ブロードと言い、バッサ地方のスープパスタのスープは、傑作が多いですよね。
ハンターがくつろいでいるような田舎のトラットリーアで食べてみたい料理です。



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関連誌;『サーレ・エ・ぺぺ』“クレモナ”の記事とマルビーニのリチェッタは「総合解説」2011年11月号に載っています。

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バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...