2013年5月23日木曜日

ジャッロ・ザッフェラーノのアサリのスパゲッティ

今日は『ジャッロ・ザッフェラーノ』から、リチェッタを一つどうぞ。
スパゲッティ・アッレ・ヴォンゴレ。
動画の再生回数も多い人気の料理のようです。





本では、どのリチェッタも、まず、その料理に対するソニアの個人的な思い入れを語ることから始まります。
動画では語られていないことです。

「アサリのスパゲッティは、私にとっては我が家の料理の一つでした。
家族がカラブリアに住んでいた時に、私の父が、子供たちのために作った料理です。
この料理の濃くてクリーミーで完璧なソースを作るには、秘密がありました。
でも、父はそれを私には教えてくれませんでした。
何度やっても、私には父のようにできません。
父のソースはとても香りが強いので、家の外で目を閉じていても、香りをたどれば家に着くほどでした。
クリスマスには(アサリのスパゲッティは肉を食べないイブの定番料理の一つ)、両親、子供たち、知人が大勢集まって、父の鍋を囲み、美味しさの秘密を探り合ったものでした」

残念ながら父親の秘伝のレシピは謎のままですが、ソニアが、美味しいアサリのスパゲッティに何を求めているかは、よーくわかりますね。

そして材料と作り方の説明があります。

動画を見てもわかりますが、彼女のソースの作り方は、かなり独特です。
きっと、父親の味を再現するために、持ち前の几帳面さで試行錯誤を繰り返してこのリチェッタにたどり着いたんでしょう。
この過程、動画ではテキパキさっさと進みますが、本では丁寧に解説しています。
本を読んで動画を見ると、完璧に理解できますよ。

リチェッタの最後に、やや専門的なアドバイスがあります。
この料理の場合はアサリの品種についてです。
外来種より風味が強いヴェラーチェ(国産種)を使うように勧めています。
アジア産の外来種ではなく、国産種を使うと地中海の味になるそうです。
ちなみに、この2つの品種の見分け方は、管がぱっくり根元から2つに分れているのがヴェラーチェで、くっついているのが外来種です。
残念ながら私は日本では、まだ発見したことはありません。


ソニア・ペロナーチ著『ジャッロ・ザッフェラーノ


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2 件のコメント:

くるり さんのコメント...

私も日本でみたことはないんですが、そもそも日本じゃあさりがこんなに管出している場面にそうそう出くわさないのではないかと。
でも2つの分かれているかの確認を、日頃から怠らないようにしよう(^^;;

prezzemolo さんのコメント...

くるりさん

確認するの、最近はすっかり忘れてましたー。
世紀の発見があったかも。

質問、去勢鶏のチョウザメ風て、どんな料理でしょう。想像するとちょっと面白いけど、チョウザメもキャビアも一切入りません。

今日は、ブリュットの意味をトラウマ級に教えてくれたスプマンテ、トレント。クラッシコ・ブリュットに合う料理の話です。リチェッタの日本語訳は(CIR2022年1月号P.35)です。 トレント・クラッシコには、“トレント・クラッシコ・ミッレジマ―ト”と、“トレント・クラッシコ・リゼルバ...