イタリア料理ほんやく三昧: 1月 2012

2012年1月31日火曜日

グラニータ

今日はグラニータの話。
前回のサリーナ島で一番人気のダ・アルフレードのグラニータですが、シチリアで一番美味しい、という人もいるんですねえ。

ダ・アルフレードのグラニータ

濃厚そうなグラニータです。
1968年のオープン当初から出しています。

シチリア名物のグラニータは機械を使って作るので、家庭で同じものを作るのは不可能。
でも、ダ・アルフレードのグラニータのレシピに特に秘密はなく、旬のフルーツだけで作ります。
味は、レモン、コーヒー、メロン、いちご、オレンジ、桑の実、ピスタチオ、チョコレート、スイカ、桃、アーモンド、いちじく、ヘーゼルナッツ、フィーキ・ディンディア。
従業員しか扱えないような、かなり古いカルピジャーニのマシンを使っているのがポイントのよう。

グラニータの色が白っぽいのは、空気をたくさん含んでいるから。
でも、この状態は長くは続かないため、ダ・アルフレードでは少なくとも90分ごとに新しいグラニータを作っているのだそうです。


グラニータの濃度や人気のフレーバーは、同じシチリアでも場所によって変わります。
↓サリーナ島があるメッシーナ地方ではホイップクリームのトッピングが人気。





↓グラニータと一緒に食べるのがブリオッシュ。





↓グラニータとブリオッシュの食べ方






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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2008年7月号
“サリーナ島”の記事は「総合解説」'08&'09年7月号に載っています。

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2012年1月27日金曜日

サリーナ島

今日はイタリアの南の島の話。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の解説です。

寒い日が続く中、せめて気分だけでも地中海の島でのんびりしてください。


エオリア諸島・・・・。

なんだかいい響きですねえ。
青い地中海の海が目に浮かぶような・・・。
世界遺産にも登録されています。

そんなエオリア諸島の島の1つが、サリーナ島。
このブログでは、ケッパーの話に続いて2度目の登場です。


古代ローマの博物学者大プリニウスは、サリーナ島を見て、“ディディメ(双子)”と名付けました。

Salina, Lipari e Vulcano
一番左がサリーナ島で、中央がリーパリ島、右につながって見えるのがヴルカーノ島、。

確かに、美しい富士山型の山が2つ並ぶ姿は、双子島。
高いほうの山は、標高961mです。

現在のサリーナという名前は、島にある塩水湖にちなんでつけられました。


↓手つかずの自然が残った国際的なバカンスの島、サリーナは、こんな島。




ちらっと出てくる鳥は、『ラ・クチーナ・イタリアーナ』でも紹介されていたマダガスカルからの渡り鳥、エレオノラハヤブサでしょうか。


この島は、映画『イル・ポスティーノ』の撮影が行われた場所としても知られています。

『イル・ポスティーノ』は、島の青年が亡命詩人との出会いによって自己に目覚めていく姿を描いた名作。
舞台のモデルはイスキア島ですが、サリーナ島でも撮影が行われ、ロケ地は一躍有名な観光スポットになりました。


↓『イル・ポスティーノ』の日本語字幕付きダイジェスト。





続きはこちらこちら



↓映画の中には島の風景が効果的に取り入れられています。





↓撮影場所として有名になったポッラーラの夕暮れ。





サリーナ島の観光客がやる定番は、イル・ポスティーノのロケ地を見て、ケッパーを買って、マルヴァジーアを飲んで、島で一番美味しいと言われているダ・アルフレードのグラニータを食べて、同じくダ・アルフレードの巨大なブルスケッタ、パーネ・クンツァートpane cunzatoを食べること。


アルフレードのグラニータ

パーネ・クンツァートはこのサイズ

これもそう




↓ダ・アルフレード




ダ・アルフレードはレストランもやっています。
webページはこちら



サリーナ島には、タスカ・ダルメリータのマルヴァジーアの醸造所もあります。
タスカ・ダルメリータは、同じ場所で5つ星の高級ホテル、カポファーロ・マルヴァジーア&リゾートも経営しています。


↓サリーナ島でジャンフランコ・ヴィッサーニ氏のインタビューに答えるタスカ・ダルメリータのアルベルト・タスカ氏。





こんなホテルでマルヴァジーア飲みたいですねえ。



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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2008年7月号
“サリーナ島”の記事は「総合解説」'08&'09年7月号に載っています。

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2012年1月23日月曜日

イセエビのカタラーナ;リチェッタ

イセエビのカタルーニャ風の話の続きです。

今日はリチェッタ編。

前回は、イセエビのカタルーニャ風は、スペインのカタルーニャ風という名前でも、れっきとしたサルデーニャ料理、という話をしました。

サルデーニャのアルゲーロいう町は、リトルバルセロナ(バルセロナはカタルーニャの州都)とも呼ばれるほどカタルーニャとの結びつきが強い場所。
そんな訳で、サルデーニャでは、“カタルーニャ風”という名前は、実は“アルゲーロ風”、という意味でもあるわけです。

“アルゲーロ風”をイタリア語で言うと、「アッラルゲレーゼall'algherese」。
“カタルーニャ風”は、「アッラ・カタラーナalla catalana」。

同じ料理でも、アッラルゲレーゼよりアッラ・カタラーナのほうが言いやすいし、親しみが持てます。

イセエビのカタルーニャ風は、イセエビのアルゲーロ風という名前もあるのですが、イタリア国内はもとより世界中で受け入れられたのは、「アラゴスタ・アッラ・カタラーナ」、つまり「イセエビのカタルーニャ風」という名前でした。
料理もネーミングが大事なんですねえ。

そしてこの名前を定着させたのが、アルゲーロの有名レストランのシェフ、モレーノ・チェッキーニ氏、という訳です。

カタルーニャの料理ではなくアルゲーロの料理、という意味では、日本語では、“イセエビのカタルーニャ風”ではなく、“イセエビのカタラーナ”と呼ぶほうがより的確ですね。


イセエビのカタラーナには、大きく分けて2つのリチェッタがあります。
1つはチェッキーニ氏のものとして知られ、オリジナル版とも呼ばれるもの。
そしてもう1つは、トマトと玉ねぎ入り。


チェッキーニ版イセエビのカタラーナ
ARAGOSTA ALLA CATALANA di Moreno Cecchini - Ristorante La Lepanto, Alghero
こちらを訳しました。

材料:4人分
 メスのイセエビ・・1kg
 オスのイセエビ・・1kg
 レモン・・3個
 ピーナッツ油・・100g
 ビネガー・・大さじ2
 塩、こしょう

・イセエビをゆでて身を取出し、角切りにする。
・オスのミソとメスの卵をボールに入れる。卵をフォークで潰し、塩、こしょう、レモン汁、油で調味してホイッパーでよく混ぜる。
・ソースをイセエビにかけ、さらにビネガーを加えてよく混ぜる。





トマトと玉ねぎ入りのイセエビのカタラーナ
“リチェッテ・ディ・オステリーエ・ディ・イタリア”シリーズ:『ペッシェ』より、
Trattoria da Riccardo, Magomadas(Nuoro)のリチェッタです。
材料:2人分
 イセエビ・・約500gのもの1尾
 完熟トマト・・4個
 白玉ねぎ・・1個
 レモン汁・・1/2個分
 ビネガー・・大さじ2
 EVオリーブオイル
 塩、こしょう

・イセエビを熱湯で20分ゆでる。
・その間に野菜を用意する。玉ねぎを薄切りにしてビネガーを加えた水にさらし、辛みを抜く。
・トマトは種と水を取り除いて小さく切る。
・イセエビがゆで上がったら縦に半分に切り、身を取り出して小さく切る。
・イセエビ、玉ねぎ、トマトを混ぜる。
・油、レモン汁、塩をホイップしてイセエビにかけ、よくあえる。30分冷やしてサーブする。




チェッキーニ氏は、トマト入りのほうはアッラ・カタラーナとは呼ばずに、「イセエビのトマトと玉ねぎ入り aragosta con pomodori e cipolle」と呼んで区別していたそうです。

今はどちらかというと、トマトと玉ねぎ入りのほうが一般的でしょうか。
その結果、シーフードにトマトと玉ねぎを加え、ヴィネグレットやシトロネットで和えた料理を「カタラーナ」と呼ぶバリエーションも生まれました。
“オマールエビのカタラーナ”や、『サーレ・エ・ペペ』で紹介している“ムール貝のカタルーニャ風”もその一例。
ムール貝のカタラーナは、一見シンプルなムール貝のサラダですが、元をたどれは、こんなに長い物語があるのでした!


↓たっぷりの野菜入りバージョンのイセエビのカタラーナ






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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』2008年7月号
“ムール貝のカタルーニャ風”のリチェッタは、「総合解説」'08&'09年7月号に載っています。

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2012年1月20日金曜日

イセエビのカタルーニャ風

今日はサルデーニャ料理の話。
『サーレ・エ・ペペ』の解説です。

サルデーニャ料理に、イセエビのカタルーニャ風aragosta alla catalana、というのがあります。

カタルーニャは、バルセロナがある州の名前です。
念のためですが、バルセロナはスペインの町。

サルデーニャなのに、カタルーニャ風?
スペイン料理ってこと?

そう思いますよねえ。
でも、れっきとしたサルデーニャの名物料理です。


イタリアは、あちこちの国に入れ代わり立ち代わり支配されてきました。
サルデーニャの場合は、ジェノヴァ共和国とピサ共和国という、同じイタリアの海洋国家にまで支配されるという悲しい属国属性。

サルデーニャのピサに支配されていた地域を奪ったのが、スペインのアラゴン王国のハイメ2世(イタリア名はジャコモ)です。
これにより、1324年、彼は初代サルデーニャ王となりました。
ちなみにこの人、その前はシチリア王でした。

その後、1710年代までスペインの支配が続きます。

サルデーニャの歴史の中で、カタルーニャがどこに出てくるかというと、スペイン支配の最初の頃。

アラゴン王国というのは、アラゴンの女王とカタルーニャ君主が結婚してできたアラゴン連合王国のことで、ハメイ2世は、正確にはカタルーニャ系のバルセロナ家の一員でした。

スペイン王国は、1469年に、このアラゴンの王様とカスティーリャの女王が結婚して誕生します。
だから、スペイン王国誕生前のスペイン支配時代は、サルデーニャでは“カタラーノ-アラゴネーゼ時代”と呼ばれます。
このカタラーノというのが、カタルーニャのこと。


サルデーニャの中で、カタルーニャの名残をもっとも強くとどめているのは、サッサリ県のアルゲーロ。
リトル・バルセロナとも呼ばれています。
いまだに、住民の約22%がアルゲーロ訛りのカタルーニャ語を話しています。


↓アルゲーロに残るカタルーニャの名残を紹介する動画。
確かに、イタリア語のアクセントがなんとなくスペイン風。





そしてこのアルゲーロは、有名なイセエビの産地。
アルゲーロ産イセエビは世界一美味しいという人もいます。

アルゲーロのイセエビを世界的に有名にしたのが、町で一番有名なレストラン、ラ・レパントLa Lepantoのシェフ、モレーノ・チェッキーニ氏です。

ラ・レパントは1949年に開業し、60年代以降のアルゲーロの国際的な観光地化のシンボルになりました。
そしてその看板メニューが、イセエビのカタルーニャ風でした。

町の発展に大いに貢献したチェッキーニ氏は、市民から尊敬される名士でしたが、残念ながら、2009年に72歳で亡くなっています。

亡くなったことを知らせる記事


↓アルゲーロのイセエビを紹介する動画。
右の男性がモレーノ・チェッキーニ氏。





イセエビのカタルーニャ風には、いくつものバリエーションがあります。
でも、オリジナルとか、元祖と言われるのは、チェッキーノ氏が考案したリチェッタです。
そのリチェッタは次回に。


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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』2008年7月号
“ムール貝のカタルーニャ風”のリチェッタは、「総合解説」'08&'09年7月号に載っています。

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2012年1月17日火曜日

麺棒で切るパスタと編み棒でねじるパスタ

プーリアのパスタの話の続きです。

今日のパスタ、まず最初はトロッコリtroccoli。

プーリア版のキタッラです。

troccoli pugliesi
カットしたてのトロッコリ。


troccoli pugliesi
麺棒型のカッター、“トロッコラトゥーロtroccolaturo”で切ります。


↓トロッコリ作り





キタッラと同じく硬質小麦粉の素朴なパスタで、重めのソースと組み合わせます。

アブルッツォの伝統パスタ、キタッラを作る時に使う“キタッラ”は、ステンレスの糸が発明された後に生まれた、比較的新しいもの。
トロッコリのカット方法は、もう少し素朴ですね。

でも、パスタ作りの道具には、麺棒型カッターよりもっと素朴なものがあります。
たいていの主婦なら持っているものが、その原型。

編み棒です。

編み棒は、イタリア語では“フェッロ・ダ・カルツァferro da calza”。
そして、編み棒を使ったパスタは、“マッケローニ・アル・フェッロmaccheroni al ferro”などと呼ばれます。

細長い棒が1本あれば、複雑な形のパスタができます。
地方によって名称は様々。

↓短いマカロニタイプ





↓長いシチリアの“ブシアーティbusiati”




↓カンパーニアの“フジッリfusilli”
これぞ熟練の技!





そしてプーリアでは、“フェネッシェッキエfenescecchie”と呼びます。
残念ながら写真はなし。



↓ちなみに、形はよく似ているけれど、棒ではなく手でねじるのは、ロマーニャ地方のストロッツァプレーティ。






職人技が素晴らしい!

切るパスタ、ねじるパスタ、ひっかくパスタ、巻くパスタ・・・。
手打ちパスタって、楽しいですねえ。



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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2009年6月号
“プーリアの伝統食材”の記事の解説は、「総合解説」'08&'09年6月号に載っています。

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2012年1月12日木曜日

プーリアのパスタ;サーニェ・ンカンヌラーテ

プーリアのパスタ話、その2です。

今日のパスタの名前は、イタリア語を見ると???でも、カタカナにすると意外と読める。

Sagne 'ncannulate。

サーニェ・ンカンヌラーテ。

↓ラザーニャ状の麺を細くカットして巻き、長い巻き毛のようにしたパスタです。





ゆでるとこんな感じ

サレント地方の硬質小麦粉のパスタ。

サーニェとは、ラザーニェのこと。
イタリア語のラザーニェは、オーブン焼きにするお馴染みの板状のものから、タリアテッレよりやや幅広のものまで、さまざまなサイズの平たい麺の総称です。
板状、縁を波打たせたもの(パッパルデッレ)、全体をカールさせたもの、ひし形のものといったバリエーションがあります。


Pappardelle
平らなタイプと縁が波打っているタイプの両方があるパッパルデッレ。


ラザーニェはタリアテッレよりやや厚いのが特徴です。
そのため、ソースはスパゲッティなどより重めのものと組み合わせることができます。
さらに、オーブン焼きやスープなど、長時間や高温で調理する料理にも向いています。

ラザーニェは地方によって様々な名前で呼ばれます。
北イタリアの“ラザーニャ”は軟質小麦粉と卵の生地ですが、南イタリアの“サーニェ”は、主に硬質小麦粉と水で作る硬い生地です。


Sagne ceci e gamberetti, con riflesso! ;-)
ひよこ豆と小エビのサーニェ


sagne all'amatriciana
サーニェのアマトリチャーナ


前回紹介したトリーエもサーニェの一種です。
ラガーネlaganesと呼ぶこともあります。
細かく言うと、このラガーネの語源は、ラガナトゥーロlaganarueoと呼ばれる麺を伸ばす細い棒。
要は、平たい麺ならタリアテッレ以外はたいていラザーニェ、ということですね。

そしてこのサーニェをカールさせたのが、サーニェ・ンカンヌラーテ。
別名、サーニェ・トルテsagne torte。
ンカンヌラーテもトルテも、「糸をよる」という意味です。

こうしてカールさせるとより細くなると同時にソースが絡みやすくなって、他のサーニェよりフォークで食べやすくなります。

トマトソースのサーニェ・ンカンヌラーテ


プーリアのパスタの話、次回に続きます。




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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2009年6月号
“プーリアの伝統食材”の記事の解説は、「総合解説」'08&'09年6月号に載っています。

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2012年1月10日火曜日

プーリアのパスタ;オレッキエッテ、カヴァテッリ、トリーエ

今日はパスタの話。
『ガンベロ・ロッソ』の解説です。

サルデーニャのパスタの次は、プーリアのパスタ。


プーリアのパスタと言えば、まずはオレッキエッテorecchiette。


Mani sapienti
ナイフで1個ずつひっかいて・・・。


IMG_1154
出来上がったら軒先で乾燥。


IMG_1148
パスタを干す台。



硬質小麦粉と水をこねた生地を、小さな耳(オレッキエ)の形にしたこのパスタ。
粒状に切った生地を手前に引きずりながらひっかくことによって、お椀のような形になるだけでなく、生地の表面がざらざらになって、一層ソースがからみやすくなります。


オレッキエッテがいつ、どうやって誕生したのかは不明。
でも、説は色々あります。

比較的有名なのは、なんとフランスがルーツ、という説。

プロヴァンス地方で中世から作られていた硬質小麦粉のパスタがルーツで、プロヴァンス伯のアンジュー家がプーリアを支配していた時代に伝わった、というもの。

なんでもこのパスタは厚い円形で、中央を指で押してくぼませた形をしていました。
乾燥して保存食にするのに適していたため、遠くまで持ち運べたのだとか。

このほかに、バーリのユダヤ人の間で作られていたユダヤのお菓子、「ハマンの耳」がルーツという説や、古代ローマの粉と水とチーズをこねたlixulaeという生地が元祖、という説などがあります。


↓チーメ・ディ・ラーパのオレッキエッテ






カヴァテッリcavatelliもオレッキエッテ同様、ひっかいて作るパスタ。
語源は、掘る、溝を掘る、といった意味の“カヴァーレcavare”。
プーリアだけでなく、南イタリア各地にあって、長さは様々。


cavatelli
オレッキエッテよりもっと強くカールさせます。
指ではなくナイフでひっかくプーリアの小さなカヴァテッリは、小粒の白いんげんにそっくり。

ムール貝と白いんげんのカヴァテッリ


↓カヴァテッリ作り






オレッキエッテとカヴァテッリの他に比較的知られているのは、硬質小麦粉の生地の、幅広タリアテッレの一種、トリーエtrie。

こちらの語源はアラビア語のitrija。
itrijaは、粉をこねた生地を平麺状にし、軽く揚げて乾燥させて保存や持ち運びできるようにしたもの。
シチリアに伝わった乾燥パスタのルーツと言われているものですね。
普通は細い麺を意味するのですが、なぜかプーリアでは、幅広麺にこの名前が受け継がれました。

トリーエを使った料理は、サレント地方の伝統料理で、ひよこ豆(チェーチ)と組み合わせた“チーチェリ・エ・トリーアciceri e tria”が有名。
チェーチ・エ・トリーアじゃないとろがポイント(笑)


↓チーチェリ・エ・トリーアの特徴は、パスタの一部を軽く揚げてからひよこ豆のスープに加えること。





麺を油で揚げるというのは珍しいですよねえ。

まだまだ個性的なパスタがありますよ~。
プーリアのパスタの話、次回に続きます。



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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2009年6月号
“プーリアの伝統食材”の記事の解説は、「総合解説」'08&'09年6月号に載っています。

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2012年1月5日木曜日

カポダンノのチェノーネ

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。


Prima alba del 2012 da Punta Palacia, Otranto
アドリア海に面したオトラント(プーリア)の2012年の初日の出。


Prima alba del 2012 da Punta Palacia, Otranto
新年の朝日に染まるオトラントの岬。



↓ヴェローナの年越しカウントダウン





↓ナポリの新年の花火。





地上はこんな状態
対空砲火か!

近所の人はたまりませんねえ。
実際、大都市では新年の爆竹を禁止にするところが増えているとか。


↓こんな格好でも2012年新年の映像。
ブリンディジで行われた募金活動のための寒中水泳。





↓テーラモ(アブルッツォ)の街頭インタビュー。
「新年にはどんな料理を作りますか?」



定番はレンズ豆とザンポーネ。
でもその他は見事にばらばら。
立派なディナーを作る人、旦那さんが作る人、お母さんがつくる人、友達の家に食べに行く人、レストランに行く人・・・。


12月31日の夜にレンズ豆を食べて、新年の繁栄を祝うのがイタリアの伝統。
ぶっちゃけ、儲かりますようにと願掛けするわけですね。

Cotechino e lenticchie
レンズ豆とコテキーノ


レンズ豆のよく知られているうんちく。
レンズ豆はレンズに似ているからそう呼ばれるようになったのではなく、レンズのほうがレンズ豆に似ていたからそう呼ばれるようになりました。
レンズ豆は有史以前から栽培されている古い豆で、古代ギリシャやローマではおなじみの食材。
ラテン語でレンズ豆という意味の“レンスlens”がレンズの語源。

おまけですが、イタリア語で“レンズ”は、レンティッキエではなく、レンテlente。


今年が良い一年になって、皆さんの商売が繁盛しますように!


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