イタリア料理ほんやく三昧: ビアンコマンジャーレ

2012年4月26日木曜日

ビアンコマンジャーレ

今日はビアンコマンジャーレの話。
このドルチェは、フランス語のブランマンジェという名前のほうが有名ですよね。
フランス語のブランマンジェを単純にイタリア語にすればビアンコ・マンシャーレになりますが、ブランマンジェはとても複雑な背景を持つ食べ物。
イタリアでは、北から南まで各地で作られていますが、特に、モーディカやラグーザなどアーモンドの産地でもあるシチリア東部の食文化に根付きました。
さらにサルデーニャのスペイン語圏では。マンハル・ブランコと呼ばれます。

こちらのサイトによると、ビアンコマンジャーレは中世のヨーロッパ各国に広まったのだそうです。当時、白い料理はとても人気があったようですね。
たとえばイタリアでは、今でもブランマンジェを四旬節に食べる伝統が残っています。
四旬節とは、キリストが復活する前の準備期間のことです。
白い色の料理は様々なものを浄化するお清めの意味がありそうで、この時期にはぴったりと受け止められていたんですね。
さらに、紀元2世紀のエジプトの書物には、お腹の病や腹痛を治す効果があると書かれているそうです。
イタリアではさらに、カノッサの屈辱という歴史的な出来事(1077年)の際にカノッサがローマ教皇と神聖ローマ皇帝のために作った料理の一つとしても知られているようです。
このように、ビアンコマンジャーレは、どの地方に伝わったかによって、歴史や存在意義そのものがかなり変わってくる食べ物のようですね。

と言うわけで、今回はシチリアのビアンコマンジャーレの話をします。

同じような白い食べ物、パンナ・コッタと違ってビアンコマンジャーレの主役はアーモンド。
アーモンドにはスイートとビターの2種類がありますが、ビターアーモンドには猛毒の青酸化合物が多く含まれているので、間違えたら大変なことに。
ビアンコマンジャーレ殺人事件なんてことになりかねません。
最初にビアンコマンジャーレを作った人は、大丈夫だったんでしょうか。
やっぱりアラブの錬金術師だったに違いない。


中世の伝統を受け継ぐビアンコマンジャーレ作り


シチリアを代表するアーモンドの産地、ノート。
この町の有名パスティッチェリーア・カフェ・シチリアのビアンコマンジャーレのリチェッタをどうぞ。

“オステリーエ・ディ・イタリア”シリーズの『ドルチ』から。

ビアンコマンジャーレ
Biancomangiare di mandorle di Noto/by Caffè Sicilia, Noto

材料:4~6人分
ノートのアーモンド・・150g
小麦グルテン・・30~35g
グラニュー糖・・50g

・アーモンド125gを細かく刻む。
・水3カップを温め、砂糖とグルテンを加えて溶かす。ここに刻んだアーモンドを浸して押しながらふやかす。
・これを火にかけ沸騰させ、型に流し入れて冷蔵庫で固める。
・皿に開けてアーモンドの小片で飾る。




上の動画の作り方はかつてシチリアの家庭で一般的だったもの。
この場合はアーモンドを大理石の乳鉢゛すりつぶしてアーモンドミルクを取り、レモンの皮を加えて煮詰める。皮を取り除いてからシチリアのドルチェに使われる典型的なカルタジローネのテラコッタの器に入れて固める。

右側がカフェ・シチリアのビアンコマンジャーレ
左側もこの店のスペチャリタ、グラニータ。

↓カルタジローネのテラコッタ




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ビアンコマンジャーレのリチェッタを含む;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』“イタリア統一150周年”の記事は「総合解説」2011年3月号に載っています。
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