イタリア料理ほんやく三昧: 5月 2011

2011年5月30日月曜日

アトランティックサーモンの養殖

アトランティックサーモンの話、その2です。

現在、市場に流通しているアトランティックサーモンの95%は養殖物なんだそうです。

ヨーロッパでもっとも一般的なサケ、アトランティックサーモンについて、『ガンベロ・ロッソ』では、「それまでグルメの贅沢品だったアトランティックサーモンは、養殖の普及によってブロイラーの鶏と同じレベルの食材になった」と言っています。

日本のスーパーでもお馴染みのこの魚。
養殖はどのように行われているのでしょうか。


まず、天然のアトランティックサーモンは、川で卵からかえり、1~数年を淡水で過ごします。
その後大西洋に出て、1~4年後、産卵のために再び川に帰る、という一生。

一方養殖物は、採卵、受精、そして孵化。
稚魚で12~20ヶ月経った後、海のいけすに移します。
いけすは網で二重に囲まれていて、この中で約2年過ごします。
そして出荷。


↓ノルウェーの養殖場。
BGMのペール・ギュントが印象的。





↓タスマニア(オーストラリア)の養殖場。





ノルウェーでもオーストラリアでも、サーモンの養殖は一大産業となっています。

いけすから出た瞬間から箱詰めされるまで、ずっとベルトコンベアの上。
確かにブロイラーですね。


天然と養殖のサケでは、運動量が違うし、餌も違います。
天然物の身は締まっていて、美しい自然なピンク色です。
養殖物は、脂肪は天然物の倍以上あって、色は合成アスタキサンチンや天然着色剤でピンク色にしています。

養殖物でも、フィヨルドの深い入り江で波や海流から守られているノルウェー産はもっとも脂肪分が多く、大海の海流の中で育てられているスコットランド産はもっとも少ないのだそうです。
と言っても違いは2~3%程度。


養殖物は、やはり産地で品質や味を判断することになりますね。
ノルウェーに次いでアトランティックサーモンの養殖が盛んなチリについては、ネット上ではネガティブな情報が多いのが気になる所です。


さて、このアトランティックサーモン、スモークサーモンにはピッタリの魚ですよね。
サーモンをスモークする方法は、みなさん多分よくご存じ。
では、工場で大量生産されるスモークサーモンは、どうやって作るかご存知ですか?
意外と知らないかも。

次はスモークサーモンの話です。


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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2009年1月号(クレアパッソで近日中に販売開始)

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2011年5月26日木曜日

アトランティックサーモン

今日はサーモンの話。
『ガンベロ・ロッソ』の解説です。

イタリアでサーモン料理と言えば、前菜の定番食材、スモークサーモンですかね。

スモークサーモンはイタリア語でsalmone affumicato(サルモーネ・アッフミカート)。
一年中流通していますが、イタリアで消費量がもっとも多いのは年末年始、次いで8月なんだそうです。
イタリア人も、パーティーシーズンや暑い季節にスモークサーモンを食べる、という訳ですね。


Insalata d'asparagi e salmone affumicato
スモークサーモンとアスパラガスのサラダ


Pasta con ricotta e salmone affumicato
リコッタとスモークサーモンのパスタ



イタリアなどヨーロッパで流通しているスモークサーモンは、主にアトランティックサーモン(大西洋サケ)を使っています。

イタリアでは、サケと言えばアトランティックサーモン。
ただし、天然のアトランティックサーモンは乱獲で絶滅の危機にあり、流通しているのはほとんどが養殖物。
イタリアのサケの大部分はノルウェー産で、あとはスコットランド、アイスランド、フェロー諸島(デンマーク)、チリ産あたりなんだそうです。
考えてみれば、サケが主役のイタリアの地方料理って、あまりないですよね。


天然のアトランティックサーモンはスポーツフィッシングの対象。
↓ノルウェーの川でアトランティックサーモンのフライ・フィッシングのレッスン中。






いまや世界中で流通している天然のサケと言えば、一部の例外を除いて、アラスカやカナダ、日本など、北太平洋沿岸のものだけなんだそうですねえ。
そもそもアラスカでは、生態系と地元産業の保護のために、魚の養殖自体が禁止されているそうで。

その一方で、養殖のサケは急激に増加中。
ここ10年の増加率は400%だとか。
サケの養殖の発祥地ノルウェーでは養殖はライセンス制で、登録されている業者は830もいるんだそうです。

『ガンベロ・ロッソ』の記事では、
「養殖物でも、魚や消費者の健康が最低限考慮されているものであれば価値はある。
現在は以前と比べて飼育密度が多すぎないように抑えられ、餌もなるべく自然のものを使うようになってきた」
と言っています。
ただ、「チリ産はまだ品質が一定のレベルには達していない」という一文もあるのが気になる所。

一体、サケの養殖はどのように行われているのでしょうか。
お馴染みの魚なのに、実はよく知らない!

次回はサケの養殖の話です。



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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2009年1月号(近日中に販売開始予定です)

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2011年5月23日月曜日

空豆のパスタ

今日は旬の食材、空豆の話。

Fave, Ackerbohnen, broadbeans
イタリアの空豆。


Tutti giù per Terra
イタリアでは、空豆と言えばペコリーノ。


空豆はとにかく歴史の古い豆で、スイスの新石器時代の遺跡やエジプトの墓からも見つかっています。
古代ローマには、空豆(fava)が語源のファービFabiという名前の有力者一族もいました。

ローマでは、5月1日に空豆とペコリーノ・ロマーノを食べるのが伝統。
しかも、戸外でカステッリのワインを飲みながらなら、より本格的。
トスカーナでも、春に若い空豆が出回る時期には、生の空豆、ペコリーノ・トスカーノ・フレスコ、サラミという組み合わせが伝統的。


今回は空豆のパスタのリチェッタをいくつかどうぞ。

↓空豆とペコリーノのパスタ。




パスタはニョッケッティ・サルディ。
・にんにくの香りをつけたオリーブオイルに刻んだパンチェッタを入れてソッフリットに。
・ここに空豆を入れて強火でなじませ、白ワインをかけて弱火で煮ます。
・ニョッケッティをゆでて空豆に加え、なじませます。
・皿に盛り付けたら薄く削ったペコリーノ・フレスコをのせて粗挽き黒こしょうを散らし、オイルを回しかけて出来上がり。

リゾットでも応用できます。


↓シチリアのオステリーア・ベッリーニ(カルタニッセッタ)の空豆のパスタ。
市場での買い物の仕方の勉強にもなります。
店のwebページはこちら




まずは市場で食材を購入。
最初に買ったのは、フィノッキエットと、マッツァレッラというカルタニッセッタではよく使われる野草。
次はリコッタ・サラータ・インフォルナータと羊のリコッタ・フレスカ。
そして空豆、グリーンピース、葉玉ねぎ。
最後はエノテーカで料理に合う白ワインを購入。
ぶどうのアロマのある極辛口でない白ワイン、ということで、ジビッボの辛口を選択。

パスタは硬質小麦粉のカヴァッリ。
カヴァテッリと同じものですね。
偶然にもニョッケッティ・サルディとよく似てますねえ。

作り方は
・まず、フィノッキエットとマッツァレッラは別々にゆでて刻んでおきます。
・フライパンに生の空豆、生のグリーンピースの順で加えてオリーブオイルでソッフリット。
・そこにフィノッキエットのゆで汁、塩、こしょうを加えて10分煮ます。
・パスタをフィノッキエットのゆで汁でゆでます。
・空豆に野草と葉玉ねぎを加えて5分煮ます。
・フライパンにパスタと豆類を入れてなじませ、リコッタ・フレスカを加えて溶けない程度にざっと混ぜます。
・仕上げにリコッタ・サラータとこしょうを散らし、オイルを回しかけます。


ペコリーノがリコッタ・サラータになるとシチリアの味になる訳ですね。


最後は、Ricette di osterie d'Italiaシリーズの『Cucina Regionale』から、珍しいヴァッレ・ダオスタのパスタです。
コーニュCogneのLa Brasserie du Bon Becのリチェッタです。


ファヴォーFavò

 材料:8人分
 粗く崩した黒パン(乾燥したもの)・・8つかみ
 ディタリーニなどのショートパスタ・・400g
 鞘から出した生の空豆・・200g
 トマトソース・・大さじ8
 フォンティーナ・・300g
 バター・・200g
 塩

・空豆をゆでる。
・同じ湯でパスタをゆでる。
・ソテーパンにパスタ、空豆、トマトソース、薄く切ったフォンティーナを入れてマンテカーレし、弱火にかけておく。
・バターを熱し、黄金色になったらパンを入れて炒める。これをソテーパンに加える。


ヴァッレ・ダオスタの空豆のパスタは、地元のチーズ、フォンティーナとの組み合わせですね。



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2011年5月19日木曜日

フィレンツェ・ジェラート・フェスティバル

前回のアッフォガートからジェラートつながりで、今日はフィレンツェの話。

来週、フィレンツェで第2回ジェラート・フェスティバルというのが開催されます。
2011年5月25日から29日までの5日間に渡るイベントです。

フィレンツェではこのイベントを、ヴェローナのヴィニタリーやペルージャのユーロチョコレートに匹敵するものにしようと目論んでいます。

フィレンツェは、ルネサンス時代にイタリアで最初に洗練されたジェラートが広まったと言われる街。
いわば、ジェラート文化が花開いた都、というプライドがあるんですねえ。

舞台はピッツィ広場やレプッブリカ広場、それに街中のジェラテリーア。
イタリア中からジェラート職人がやってきます。


↓今年のジェラート・フェスティバルのPV





↓去年の様子




オリジナルのジェラートもたくさん披露されます。
寿司に合う、なんてのもあります。


↓フィレンツェの有名ジェラテリーア




動画で紹介されているのは、グロムヴィヴォリラ・ボッテーガ・デル・ジェラート(スティックハウス)、イル・レ・ジェラート




↓上の動画でちらっと紹介されていたスティックハウスのジェラート。
スティックハウスはトリノに本社があるフランチャイズのオリジナルジェラートショップ。





フィレンツェに飛んでいきたいですねえ。




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2011年5月16日月曜日

アッフォガート

今日はアッフォガートの話。

さーて、どれを思い浮かべましたかねえ。
タコ?
ジェラート?
卵?

Polpo Affogato
タコのアッフォガート


Asparagi in camicia per depurarsi, dimagrire e diventare fighissime (tiè)
アスパラガスと卵のアッフォガート。
卵のアッフォガートは別名ウオーヴォ・イン・カミーチャuovo in camicia、つまりポーチドエッグ。


そろそろジェラートがおいしい季節になってきたので、今日はジェラート系で行きます。

『Grande enciclopedia illustata della gastronomia』(Mondadori)には、デザートのアッフォガートについて、こう書かれています。

ジェラートかセミフレッドを、冷たい、または熱い液体に浸したもの。
液体は主にリキュール、ホットコーヒー、ホットチョコレート。
または紅茶、炭酸水、果汁、生クリームをかける場合もある。
アッフォガートを作る時は、冷えたフルートグラスや足つきデザートグラスに材料を直接手早く入れ、すぐにサーブする。



世界には色々なスタイルのアッフォガートがありますねえ。

Nom nom nom

Affogato

Delicious Affogato

Affogato served at Dry Stone, Mimosa Wines

Affogato.




コーヒーではなくチョコレートをかけるアッフォガートのリチェッタです。
前出の『Grande enciclopedia illustrata・・・』から

アッフォガート・アッラ・チョッコラータAffogato alla cioccolata

・ビターチョコレート30g、水スプーン1杯、ラム酒スプーン1杯をゆっくり溶かす。
・足つきデザートグラスにバニラのジェラートを3玉入れ、熱いチョコレートをかけてすぐにサーブする。




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「リチェッタ・ダイジェスト」2007年12月号には“セミフレッドのアッフォガート”のリチェッタが載っています。

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カルネ・クルーダ

今日は生肉の話。

それにしても、厚生労働省の「生食用牛肉」の基準をクリアした肉が出荷された実績がないなんて、知りませんでした。
知らないですよねえ、普通。
そもそも、生食用の牛肉という発想があることすら知らなんだ~。
レバ刺しや牡蠣と一緒で、運が悪ければあたるかも、と覚悟して、お店を信頼して食べるもんだと思ってましたよー。

イタリアにも生肉料理はありますが、生の牛肉の扱いは、日本と同じで特に法律で規制されているものでもないようですね。
生肉は食べない、という人もたくさんいます。


イタリアの生肉料理と言えば、ピエモンテのカルネ・クルーダ・バットゥータ・アル・コルテッロcarne cruda battuta al cortello(いわゆるタルタルステーキ)やカルパッチョ。

Carne cruda battuta
カルネ・クルーダ・バットゥータ



↓イタリアの肉屋さんでカルネ・クルーダ・バットゥータを買うと・・・。




ヒレ肉が欲しいというパオローネに、まず肉屋さんは、人数、必要な量、予算を聞いています。
人数は5人、量は1人150gぐらい、予算は25ユーロ程度と答えると、肉屋さんの返事は、部位は任せてくれ、22ユーロに収めるから。
そして出してきたのは、胸肉の赤身の部分。

その後ウンチクが続きますが、ポイントは、肉は新鮮であること。
ミンサーで挽くと肉が加熱されてしまうので、必ず包丁で刻んで熱が加わらないようにすること。
光によっても加熱されるので、店から家に運ぶなど時間が開くときは、光をさえぎるアルミホイルで包むこと。
さらにこれを真空パックして空気にも触れさせないようにすること。
だそうです。
この店なら信頼できそうですねえ。

このように生肉をひたすら包丁で叩き続けるのが、カルネ・クルーダ・バットゥータ。
バットゥータとは「叩いた」という意味ですが、「打ちのめす」という意味もあります。
ただ叩くのではなく、とことん叩く、というニュアンスですかね。
ただし、肉(カルネ)は女性だから、女性を扱うように、とも言っています。



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2011年5月9日月曜日

ベッラヴィスタ

今日はワインの話。
いえ、正確に言えば、ワイナリーの経営者の話。
『V&S』の解説です。

ベッラヴィスタと言えば?
東京ディズニーシー!と答える人もいるかもしれませんが、今回はワインの話でお願いします。
そう、フランチャコルタですよね。

ベッラヴィスタは、スプマンテブームの火付け役にもなったカンティーナ。
そのスプマンテは、イタリアワインにしてはかなり都会的でスタイリッシュで上質。


B
カンティーナ内のベッラヴィスタのロゴマーク。
元祖デコ電?


自社のwebページでの製品紹介の写真もこんなにお洒落


ベッラヴィスタの経営者は、ヴィットーリオ・モレッティ氏。
建築、ワイン、高級ホテルにゴルフクラブ、ヨット製造などを柱とするテッラ・モレッティというグループ企業の総帥です。
ワイナリーはベッラヴィスタ以外にもいくつか経営しています。

モレッティ氏の経営手腕はかなり注目されていて、2009年には伝記本も出版されました。

それによると、彼は1941年生まれ。
モレッティ家は建築業と農業を生業とする一族で、彼も左官の仕事から始めたのだそうです。
そして1967年に最初の事業、プレハブ建築業を始めます。

ワイン造りを始めたのは10年後の1977年。
それがベッラヴィスタでした。
そしてさらに10年後の1987年には、同じくフランチャコルタでコンターディ・コスタルディ(webページ)というカンティーナを始めます。
そしてまたまた10年後の1997年、今度はトスカーナのリヴォルノ県にペトラ(webページ)というカンティーナを造りました。

その間、85年には造船所も造って豪華ヨットを製造。
レストラン業では、93年にはグアルティエーロ・マルケージをラルベレータ(webページ)に、2001年にはアラン・デュカスをトラットリーア・トスカーナ(webページ)に迎えるという、イタリアとフランスの2大巨匠を相手に離れ業を披露。
どちらもグループが経営する高級ホテルのレストランです。


↓ベッラヴィスタ、コンターディ・カスタルディ、ラルベレータ。
ヴィットーリオ・モレッティの帝国のほんの一部。





↓ペトラ
建築とワインの哲学を融合させたカンティーナが有名。







ベッラヴィスタのスプマンテの中には、ヴィットーリオ・モレッティというワインもあります。
なんとかなりのお値段のよう(90~100ユーロ)。
やっぱり大物が飲むのにふさわしいスプマンテなんでしょうねえ。



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関連誌;『V&S』2008年12月号
ヴィットーリオ・モレッティ(ベッラヴィスタ)の記事は「総合解説」'07&'08年12月号に載っています。

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2011年5月6日金曜日

ビーゴリ・イン・サルサ

ビーゴリの話の続きです。

今日はビーゴリ・イン・サルサの話。

イタリア南部では、キリスト教の肉を食べない日、つまりクリスマスイブや聖金曜日(復活祭前の金曜日)、灰の水曜日(復活祭の46日前)に、イワシやアンチョビーのスパゲッティを食べる習慣があります。

ヴェネトもイワシやアンチョビーが豊富に獲れる地方なので、同じようにこれらの日にはイワシやアンチョビーのパスタを食べます。

ただし、パスタはビーゴリ。
特にクリスマスイブには、ビーゴリ・モーリbigoli moriと呼ばれる黒ずんだ麺を使ったビーゴリ・イン・サルサBigoli in salsaを食べるのが伝統的。


Bigoli in salsa
ビーゴリ・イン・サルサ



ヴェネト州が提供する観光情報のサイトで紹介されているリチェッタをどうぞ。
原文はこちらのページ

材料:4~6人分
塩漬けアンチョビー・・中型が約12尾
玉ねぎ・・1個
白ワイン・・1カップ
ヴェネトのDOPのEVオリーブオイル(ヴァルポリチェッラ、エウガーネイ・エ・ベーリチ、ディ・グラッパ)
ビーゴリ、できればビーゴリ・モーリ(硬質小麦粉の麺、または大麦やライ麦を混ぜた小麦粉の麺)・・400g
塩(イワシの塩気によって調整)
・玉ねぎのみじん切りを油でしんなり炒める。
・アンチョビーは骨を取って塩を洗い落す。
・玉ねぎのソッフリットにアンチョビーを加える。
・ワインをかけてアンチョビーを溶かし、クリーミーな“サオールsaor”(ヴェネト版エスカベッシュのマリネ液)の状態にして煮詰める。
・ビーゴリをアルデンテにゆでてソースで和える。

※バリエーション;ツナ、にんにく、ケッパー、トマトなどを加える。
オリーブオイルの代わりにバターを使ったり、仕上げにバターを加える。


アンチョビーでなく、生や塩漬けのイワシを使ったビーゴリ・コン・レ・サルデBigoli con le sardeというのもあります。

イワシのビーゴリbigoli con le sarde

一番シンプルなリチェッタは、
オリーブオイルににんにくのみじん切りを入れて熱し、開いて小さく切ったイワシを入れて弱めの火でソッフリットに。
ここにアルデンテにゆでたビーゴリを入れてマンテカーレ。
仕上げにプレッツェーモロのみじん切りを散らしてオイル少々をたらします。



↓おまけのリチェッタ。
サルシッチャとチーメ・ディ・ラーパのビーゴリ




チーメ・ディ・ラーパは葉の部分だけを使います。
ポロねぎ(または玉ねぎ、エシャロット)は小口切りにしてフライパンに。
サルシッチャも小さく切ってフライパンに。
油は加えずに蓋をして蒸し焼きにします。
チーメ・ディ・ラーパは小さく切ってビーゴリをゆでている湯に加えます。
ゆで上がったらざっと水気を切ってサルシッチャのフライパンに加え、マンテカーレ。
仕上げに好みで硬質チーズを散らしたり、オリーブオイルをたらします。



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関連誌;『クチーナ・エ・ヴィーニ』2008年12月号
“ヴェネトのクリスマス料理”の記事は「総合解説」'07&'08年12月号に載っています。

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2011年5月2日月曜日

ビーゴリ

今日はヴェネト料理の話。
『クチーナ・エ・ヴィーニ』の解説です。

ヴェネト料理の中から、今回取り上げるのはパスタ。

プリーモ・ピアットでは、リゾット料理はたくさんあるヴェネト地方ですが、パスタと言うと、ビーゴリとか、パスタ・エ・ファジョーリぐらいですか。

ビーゴリbigoliは、いわば生麺のスパゲットーニ。

ただし、スパゲッティは硬質小麦粉から作るのに対して、こちらは軟質小麦粉が材料。
プレス器からダイスを通して押し出すところも一緒ですが、穴の直径は3~4mmと、スパゲッティよりかなり太い。
特徴は、表面がザラザラしていること。


Buonissimi!
ビーゴリ


基本のビーゴリの生地は、軟質小麦粉、塩、水を普通のパスタの要領でこねたもの。
バリエーションも豊富で、全粒粉入り、卵入り、硬質小麦粉入り、そば粉入りなどもあります。
水分が少なめの乾いた生地にこねあげ、これをプレス器を通して押し出すことで表面がザラザラした麺になり、ソースがからみやすくなります。


↓ビーゴリ用トルキオ(プレス器)



この生地は、軟質小麦粉、硬質小麦粉、卵(小麦粉1kgにつき3個)をこねたもの。



ビーゴリの伝統的なソースは、鴨のラグー、玉ねぎとアンチョビーの“イン・サルサ”、イワシなど。

鴨のラグーのビーゴリ


ビーコリ・イン・サルサには、伝統的には全粒粉入りのビーゴリを使います。


ヴェネチアあたりではイカ墨のスパゲッティが人気のようですが、伝統的にはスパゲッティはよそ者の食材。
でも、イカ墨のビーゴリなら、かなりヴェネトの伝統料理に近づくような・・・。



↓マリア・カラスのリチェッタの“イワシのビーゴリ”
ガルダ湖畔のホテル・レストラン、ガルデザーナ(webページはこちら)にカラスが滞在した時にこのリチェッタで作るように注文したのだそうです。



パスタをゆでる湯にディルを入れてさっとゆでます。
イワシは開いて塩をしてオイル漬けにしたもの。
ソースはオリーブオイルに松の実、コリントレーズン、ゆでたディルを入れてソッフリットに。



ビーゴリの話、次回に続きます。



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関連誌;『クチーナ・エ・ヴィーニ』2008年12月号
“ヴェネトのクリスマス料理”の記事は「総合解説」'07&'08年12月号に載っています。

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