イタリア料理ほんやく三昧: 3月 2011

2011年3月31日木曜日

ミラノ、2010年の中央駅とスカラ座

今日はミラノの話。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の解説です。

ミラノの中央駅は、ローマに次いでイタリアで2番目に利用者の多い駅。
この駅を紹介する時によく引き合いに出されるのが、近代建築の巨匠、フランク・ロイド・ライトが、「世界で一番美しい駅」と評した、という話。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事にもある通り、今では世界で一番美しいとは誰も言わなくなったようですが、それでも、ぐっとくる人はぐっとくる。


↓美声!のアナウンス。





かつての美しかった駅に戻ることを目指して2005年から行われていた大改装が、2010年11月に完了。
↓リニューアルオープンしました。






日本ではカッコイイ新幹線が登場してスピードもどんどん速くなっているようですが、イタリアはどうなんでしょうか。


high speeds
イタリアの高速車両の一つ、ETR600。
最高時速250km。



ETR 500
そしてETR500。
最高時速300km。



ミラノ中央駅がリニューアルされてから約1週間後の12月7日、この日はミラノの守護聖人、聖アンブロージョの祝日でした。
この祝日の晩は、毎年、ミラノの社交界にとっては一大イベント。
スカラ座のオペラシーズンが開幕する日なんです。
ところが、2010年の12月7日は、スカラ座前で学生や移民のデモが行われて、物々しい雰囲気になりました。

デモを伝えるニュース



↓デモの中、スカラ座に入っていくセレブたち。





ミラノの話、次回に続きます。


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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2007年12月号
“グルメ紀行~ミラノ”の解説は、「総合解説」'07&'08年12月号に載っています。

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2011年3月28日月曜日

新物オリーブオイル

話を新物オリーブオイルに戻します。

イタリアで、オイル用オリーブの収穫が始まるのは、実が色づきだして熟し始める10月半ばから11月初め。
ワインのノヴェッロの時期とも重なる頃ですね。

この時期から12月初め頃までは、オリーブの収穫を体験したり、新物オイルを買いたい、という人たちでオリーブ畑や圧搾所が賑わいます。

オリーブオイルの生産者にとっては、消費者に直接アピールできる年に一度の絶好のイベント。
町を挙げてお祭りをするところもあります。
雑誌にも、生産者から直接オリーブオイルを買えるお薦めフラントイオfrantoio(圧搾所)の特集記事が必ず組まれます。


↓ラツィオのフラントイオでエクストラヴェルジネのオイルが出来るまで。
オリーブは収穫してから2日以内にフラントイオに運ばれます。
ここでは主に4種類のオリーブを使っています。
まず葉を取り除いて洗い、砕いてペースト状に。
これをタンクに入れ、26度で40分混ぜます。
そして油を抽出。
この過程を27度以下で行うことを、いわゆる低温抽出estrazione a freddoと呼びます。
低温抽出だと、緑がかった、オリーブの風味を適度に残したオイルになります。
仕上げに余分な水分などを取り除いて出来上がり。





↓ウンブリアの大手フラントイオの新物オイルのイベントの様子。
オリーブオイルを使った化粧品の体験も。





ウンブリアのジャーノという町で、毎年11月末に行われている“フェスタ・デッラ・フラスカ”というオリーブオイルの祭り。
この“フラスカ”とは、オリーブの若枝という意味のウンブリアの方言だそうです。
祭りの伝統的な食べ物は、新物オイルをかけたブルスケッタ。





トスカーナのモンテプルチャーノの新物オイル。






新物オリーブオイルは、寝かせてまろやかになる前のオイルなので、強い香りと辛みのある味、そして緑がかった色が特徴。
この特徴を味わうなら、加熱しないで、または軽く温める程度で使います。
定番は、ブルスケッタか、普通のパンとオイルの組み合わせ。
料理の場合は、シンプルでマイルドなもの、特に魚や野菜料理に向いています。

黒キャベツと白いんげんのブルスケッタの新物オリーブオイルがけ

黒キャベツは小さく切り、オリーブオイル、にんにく、塩でじっくりと炒めます。
トーストしたパンに黒キャベツと豆をのせ、塩、こしょう、新物オイルで調味。


↓タッジャスカオリーブの新物オイル入りホワイトチョコレートのジェラート!






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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2007年11月号
新物オリーブオイルを使ったリチェッタの一部は「リチェッタ・ダイジェスト」に掲載しています。

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2011年3月24日木曜日

ヨウ素

新物オリーブオイルの話の途中ですが、今日はちょっと別の話題。

ここ数日、ヨウ素という言葉を頻繁に耳にします。
ヨウ素を配布したとか、放射性ヨウ素が検出されたとか。

こちらのサイトによると、

 放射性ヨウ素が大気中に放出されるような事故が起きた時に備え、ヨウ素剤(ヨウ化カリウム)が準備されています。
甲状腺を放射性でないヨウ素で満たしておけば、放射性ヨウ素の甲状腺への移行を阻止できるという訳です。


とあります。

昨日テレビで専門家が、日本人は海藻などからヨウ素をたっぷり摂取しているので、チェルノブイリの時の被災者より新たなヨウ素が吸収されにくい、と話していました。

上記のサイトにも、

放射性ヨウ素は呼吸や食べ物を通じて体内に入り、血中に移行します。血中に入ったヨウ素の10~30%は甲状腺に蓄積されますが、その割合は、放射性でないヨウ素の摂取量に左右されます。
通常人体には15~20mgのヨウ素が含まれていて、その70~80%は甲状腺に存在しています。甲状腺では蛋白質と結合し、甲状腺ホルモンとして生理的に重要な働きを担っています。
ヨウ素の必要量は成人で1日当たり100~200μg程度と言われています。

大陸の内部や海産物摂取量の少ないところでは、ヨウ素欠乏症による障害が起きますが、日本は四面海に囲まれ、海から陸地に向けてヨウ素が運ばれていることもあり、土壌中にヨウ素が多量に含まれています。
そのため、農作物から必要な量のヨウ素を摂ることができます。
その上ヨウ素を多量に含むコンブ等の海藻やその他の海産物を摂取していますので、日本人の場合、血中から甲状腺に移行する放射性ヨウ素の割合は欧米人に比べて低くなります。


とあります。


以前、このブログでもヨウ素について書いたことがあります。

こちらのページです。

この時は、イタリアを含む外国には、ヨウ素入り塩というのがあるんですよ、という話題でした。

日本ではヨウ素入り塩の販売は禁止されているので、国内で目にすることはありませんよね。
海に囲まれたイタリアでもヨウ素入りの塩が販売されているということは、日本人の場合、海藻などから摂取する量が多いということなのでしょうか。

ヨウ素は、実は日本人には身近な栄養素だったんですねえ。
日頃から自然と摂取していたことも、言われるまで気がつかなかったですね。
さらに、日本ではヨウ素を食品に添加することが認められていないなんて、自分で書いておきながら忘れていました。
海藻がこんな風に役にたつこともあるんだなあ。
ただ、摂りすぎると害になることもあるそうなので、過剰反応は禁物ですね。



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2011年3月21日月曜日

ヌオーヴォとノヴェッロ

桜、咲く
2007年3月23日の桜


ぼちぼちと、今年最初の桜が咲いたというニュースが届く季節になりました。
再生の季節の到来ですね。

イタリアで、再生の季節の到来を象徴するのは復活祭。
今年の復活祭は4月24日とかなり遅く、今は復活祭の前の四旬節の期間です。
四旬節とは


復活祭の話は別の機会にするとして、今回は、新しい始まりつながりで、“新物オリーブオイル”の話。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。



農作物には“新物”というのがありますよね。
シーズン最初の、短期間だけ出回るフレッシュな食材。

オリーブオイルにも“新物”があって、イタリア語では、オーリオ・ドリーヴァ・ヌオーヴォolio d'oliva nuovoと言います。

ちなみに、ワインにも新物ワイン、ヴィーノ・ヌオーヴォvino nuovoがあります。
厳密にいえば、ノヴェッロnovelloじゃなく、ヌオーヴォnuovoです。

ノヴェッロというのは、普通のワインとは全く違った醸造方法(マチェラツィオーネ・カルボニカmacerazione carbonica)を用いて、圧搾、発酵、精錬の過程をショートカットして造るワインのこと。
極端に言えば、ぶどうの粒の中の汁をそのままワインにしてしまったワインです。

一方ヌオーヴォは、普通のワインの醸造方法で造られて、熟成期間がもっとも短いシーズン最初のワインのこと。

イタリアには、田舎のお食事処の入り口に、“フラスカfrasca”と呼ばれる木の枝の束を吊るす習慣がありました。
「新物ワインあります」という目印です。
それが転じて、この目印を出すような店自体も、フラスカと呼ばれました。
その名残で、今もフラスカという店名のオステリーアやアグリトゥーリズモがあちこちにあります。

トリエステの道端のフラスカ



オリーブオイルに話を戻します。

『Grande enciclopedia illustrata della gastronomia』には、こう書いてあります。

オイル用のオリーブは、完熟する少し前に収穫される。
オリーブの油分が重さの30%になる頃だ。
一般的には寒い季節、つまり11月から1月の間に行われる。
この時期に収穫すると、軽くて酸味の少ない、味のよい、強すぎないオイルができる。



新物オリーブオイルはとんがった味と香りのオイルです。
オイルが熟成して丸くなる前の、文字通り搾りたてのオイルという訳ですね。


新物オリーブオイルの話、次回に続きます。



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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2007年11月号
新物オリーブオイルを使った料理のリチェッタの一部は、「リチェッタ・ダイジェスト」2007年11月号に載っています。

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2011年3月17日木曜日

卒業式のケーキ

まずは、イタリアからのpray for Japanのメッセージを1つ紹介します。




Grazie Filippo!



さて、日本は卒業シーズンですね。

『ア・ターヴォラ』に、卒業パーティー、というテーマのなかなか面白いドルチェが載っていました。

卒業を祝うとしたら、どんなドルチェを思い浮かべますか?

・・・・・。

うーん、特にはねえ。

やっぱりこういう時は、遊び心が求められる、という訳で、ハロウィン料理で意外と遊び心がある所を見せた『ア・ターヴォラ』が考えたのは、卒業式の角帽ケーキ!





土台はアマレットチョコレートケーキで、アマレッティとアマレットリキュール入りのチョコレートケーキに、ヘーゼルナッツ入りチョコレートクリームをはさんでいます。

その上に、ココア入りタルト生地のビスケットをチョコレートでコーティングしてのせ、ココアパウダー入りのマジパンで作った房をつければ、卒業式の角帽の出来上がり。



Matriculation Day
イギリス、オックスフォードの光景



The hat toss
お約束の帽子投げ



この帽子、イタリア語ではcappello da laureatoと言いますが、正式名は英語のmortar boardのよう。


さらに、卒業パーティーのダジャレ料理なら、これも忘れてはいけません。

ペンネ!

卒業の日にペンの形のパスタを食べれば、辛かった試験勉強や悩み多き青春の日々を思い出して、感動の一品になるかも!


Phot.Ital.Penne.Arrabbiata.02.100622.0169
全然怒っているように見えないペンネ・アラビアータ


ご卒業おめでとうございます!



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関連誌;『ア・ターヴォラ』2007年10月号
“アマレットケーキの卒業式の角帽”のリチェッタは、「リチェッタ・ダイジェスト」2007年10月号に載っています。

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2011年3月14日月曜日

みなさま、ご無事でしょうか

今回の大地震、あふれる報道を見ているとほんとうに辛くなります。
被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。


地震のニュースはイタリアでも詳しく報道されているようです。

日本の地震を伝えるイタリアのマスメデイア。





地震の犠牲者と被災者のために祈りを捧げるローマ法王。





これまでどんなに平和で幸せな暮らしの中にいたか、失ってみて初めて気づくものですね。
周囲からの励ましは、どんなにささいなことでも心強いもの。
横浜の私も、停電でぐったりしていた時に、友人がランタンとお弁当を届けに来てくれて、ありがたくて胸が熱くなりました。
一日でも早く元の生活に戻れるように、ここが踏ん張りどころですね。


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2011年3月11日金曜日

バッカラの地方料理

バッカラ料理の続きです。


イタリア各地のバッカラ料理の動画をどうぞ。


まずはローマ風のユダヤ料理バージョン。
玉ねぎの薄切りを湯とオイルでソッフリットにし、カットトマトとパッサータ、シナモン、こしょう、白ワイン、ちぎったバジリコを加えて5~10分煮ます。
戻したバッカラは小麦粉をつけて揚げ、ソースに入れます。
上にもソースを薄くかけて、白ワインもかけて7~8分煮ます。






動画の中で、ユダヤ風でないローマ風の場合は松の実とレーズンが入ると言っていますが、ローマ風の場合はシナモンも入りません。
トマトソースにバッカラを入れたら、松の実とレーズンを加えて煮ます。



次はナポリ風。
松の実とレーズン入りでローマ風によく似ていますが、こちらは仕上げにオーブンで焼きます。
皮つきにんにく、刻んだガエータの黒オリーブとケッパー、松の実、戻したサルタナレーズンをオイルでソッフリットにし、裏漉しトマトを加えて20分煮ます。
バッカラは戻して皮を取り、小麦粉をつけてオイルで焼きながら塩、こしょう。
両面を焼いてオーブン皿へ。
トマトソースに塩、こしょうをしてバッカラにかけ、180度のオーブンで20分焼きます。






ナポリ風にはバリエーションがたくさんあります。
じゃがいも入りだったり、バッカラに小麦粉をつけなかったり。
これは赤唐辛子とオレガノ入りで、松の実、レーズン、ケッパーはなし。
オーブンには入れません。







シチリア風フリット。
小麦粉と水の衣をつけて揚げるだけ。







ストッカフィッソのジェノヴァ風“ストッカフィッソ・アッコモダート”。
玉ねぎ、にんじん、セロリのみじん切りをオリーブオイルでソッフリットに。
松の実、黒オリーブ、にんにくのみじん切り、戻した乾燥ポルチーニ、プレッツェーモロを加えてさらに炒め、最後に塩漬けアンチョビを加えます。
ここに戻したストッカフィッソと塩を加えて両面を焼き、白ワイン。
トマトソースを加えて20~30分煮ます。
じゃがいもを加え、乾いたらブロードをかけながらさらに煮ます。
仕上げにプレッツェーモロと塩。
混ぜながら煮ている間にストッカフィッソが崩れます。







ストッカフィッソのアンコーナ風。
ストッカフィッソにオイル、塩、にんじん、セロリ、ケッパー、アンチョビ、唐辛子、にんにく、玉ねぎのみじん切り、じゃがいも、トマト、白ワインをかけて180度のオーブンで焼きます。
ここではそれをパスタのソースにしています。







まだまだありますが、きりがないのでこのへんで。


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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』2007年11月号
バッカラの地方料理のリチェッタは、「総合解説」'07&'08年11月号に載っています。

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2011年3月8日火曜日

バッカラ

前回は聖人の話をしましたが、キリスト教のおかげで広まった食材、というのもありました。
金曜は肉を食べない、というキリスト教のおきてのために、肉の代わりとして普及したもの、バッカラです。
そこで今日は、バッカラの話。
『サーレ・エ・ペペ』の解説です。


Cape Cod
クーネオの市場のバッカラ。


Cerreto Sannita (BN), mercato settimanale.
カンパーニアの内陸の町の市場


Controne (SA), 2009, XXVII sagra del fagiolo di Controne.
こちらもカンパーニアのバッカラ屋さん



バッカラbaccalàはかなり個性的な食材ですよね。
イタリア産ではないのに、イタリアにすっかり溶け込んで、もはや外来の食材とは気がつかないくらいです。
魚なのに山の上の地元料理になっていたり(上の写真も、クーネオと言えば海のないピエモンテの標高534mの町)、干物なのに、新鮮な魚が獲れる海辺の名物料理になっていたりと、とにかく国中に根を張っています。
海辺の町でも悪天候の時や不漁の時は新鮮な魚は手に入らないし、何より昔はバッカラの値段が安かったので、庶民も買いやすかった。


余談ですが、ここで素朴な疑問。
バッカラは主に大西洋産のタラ(メルルーサ)を北欧で干物にしたものですが、そうすると、たらこはどこに行ってしまったのでしょうか。
これだけタラを食べているイタリアで、たらこ料理というのはあまり見たことがないような・・・。
やっぱり、卵は全部日本に来るんですかね。


IMG_9922
ノルウェーのバッカラ工場



こちらのwebページでは、バッカラ料理の代表的なものをずらっと紹介しています。

シチリア風やローマ風など、ご当地料理も色々ありますねえ。
地方料理の中でも有名なのは、ヴィチェンツァ風やリヴォルノ風あたり。

ヴィチェンツァなどヴェネト地方やその周辺では、塩漬けしていない干しダラ、ストッカフィッソstoccafissoのことをバッカラと呼ぶ習慣があります。
そのため、バッカラという名前の料理でも、元をたどればそのほとんどがストッカフィッソの料理です。
バッカラのヴィチェンツァ風も、伝統的にはストッカフィッソの料理です。


イタリアには、本物の地方料理を守ろうと言う人たちがコンフラテルニア(信者の会)というのを結成して、伝統を伝えていく活動があります。
バッカラのヴィチェンツァ風にもコンフラテルニアがあります。
webページはこちら
それによると、ヴィチェンツァではストッカフィッソのことをバカラbacalàと呼ぶのだそうです。
標準語の“バッカラbaccalà”はcが2つですが、ヴィチェンツァの“バカラ”はcが1つ。
ヴィチェンツァでは、cが2つのバッカラは、生のタラを塩漬けしたもののことなんだそうです。
へ~え。


下の動画は、コンフラテルニアのメンバー、ヴィチェンツァのダ・レーモのシェフが作るヴィチェンツァ風バッカラ。
確かに、動画のタイトルや着ている黄色いコック服の胸のマークを見るとcが1つだし、バカラと言っていますねえ。







バッカラの話、次回に続きます。



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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』2007年11月号
“バッカラ”の地方料理のリチェッタは、「総合解説」'07&'08年11月号に載っています。

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2011年3月3日木曜日

ナポリの守護聖人、聖ジェンナーロと奇跡

今日は聖人の話。
『サーレ・エ・ペペ』の解説です。

イタリアには、様々な聖人がいますよね。
町ごとに守護聖人がいるし、365日違う“その日の聖人”もいるし。

聖人には伝説がつきものですが、聖人ゆかりの食べ物、というのもたくさんあるんですねえ。

『サーレ・エ・ペペ』では、聖人にまつわる食べ物のいくつかを紹介しています。
その中に、イイダコの聖ジェンナーロ風という、なかなか美味しそうな料理が捧げられている聖人がいます。
ナポリの守護聖人、聖ジェンナーロSan Gennaroです。

今もナポリの人たちから熱い信仰が寄せられている聖ジェンナーロ。
いったいどんな聖人なのでしょうか。

こちらのサイトによると・・・。


聖ジェンナーロは、キリスト教徒が迫害されていた紀元300年頃の人で、ナポリの隣のベネヴェントの司教だったと言われています。
305年、捕えられた知り合いの助祭を弁護しようとして自らも捕らえられ、打ち首の刑になりました。
ローマ帝国でキリスト教が公認されたのは313年、国教と定められたのは380年なので、迫害の最後の時期に殉教した人だったんですね。

この聖人の遺物と言われている物の中に、小びんが2つあります。
その中には固形の物体が入っているのですが、これは聖ジェンナーロの血液であると信じられています。
しかもこの血液、年に3回、液体になるのだそうです。

言い伝えによると、この血が最初に液体になったのは、キリスト教を公認したコンスタンティヌス1世の時代だそう。
1389年の聖母マリアの被昇天の日には、この小びんが大衆に公開され、血が液体になる奇跡を助けようとして大勢の人が行進を行ったという記録が残っています。

現在、この小びんはナポリのドゥオモに保管されています。
2つのびんのうち1つは半分空で、なんとブルボン王朝のカルロ3世が中身をスペインに持っていってしまったのだそうです。

血が液体になるのは、5月の第1日曜の前日の土曜日とそれに続く8日間、聖人が殉教した9月19日から8日間、そして12月16日。
液体になるとナポリには吉兆で、液体にならないと災いが起こると信じられています。
そのためこの儀式には、今も大勢の信者が奇跡を起こすために集まります。


去年の9月19日の様子。
はたして液体になったのか!





よく見えないけれど、みんな喜んでいるから奇跡は無事に起きたようですね。



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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』2007年11月号
イイダコの聖ジェンナーロ風を含む“聖人の料理”のリチェッタは、「総合解説」'07&'08年11月号に載っています。

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