キアニーナは牛としても世界的に有名で、多くの国に輸出されて、地元品種との交配が行われました。
ブラジル、アルゼンチン、カナダ、オーストラリアといった牛肉大国が、こぞってキアニーナを輸入しています。
そもそも、キアニーナをここまで有名にしたのは、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナbistecca alla fiorentinaという料理。
この“ビステッカbistecca”という言葉は、19世紀後半にフィレンツェに大勢住んでいたイギリス人が使っていた英語、ビーフステーキbeefsteak(ビーフステイク)が語源、と言われています。
ただし、日本語のビフテキのようにフランス語のbifteck(ビフテック)が語源、という説もあります。
いずれにせよ、キアニーナは、世界中の人が認める美味しい肉であることは間違いありません。
日本では、牛肉は脂のサシのトロトロの美味しさがもてはやされますが、そのせいか、初めてキアニーナのフィオレンティーナを食べると、赤身でも十分に柔らかくて味が濃い、ということを知ってカルチャーショックを受け、新しい味覚に開眼する、というパターンが多いですよね。
小さな切り身を箸でつまんでポイと口に入れる民族と、分厚い塊をナイフでガシガシ切ってフォークでグサッと刺して食べる民族とでは、育んできた文化がこうも違うんですねえ。
↓1.4kgのフィオレンティーナ。
↓この人のモットーは、「to beef or not to beef」(笑)
↓キアニーナを飼育している農園のアグリトゥーリズモなら、こんな豪快な光景を見ることができます。
フィレンツェで誕生した“ビステッカ”という言葉は、やがてイタリア中で使われるようになりました。
ビステッカはフィオレンティーナだけではない、という訳で、フィオレンティーナ以外のイタリア風ビステッカのリチェッタを、ちょっとご紹介。
出典は『Grande enciclopedia illustrata della gastronomia』です。
ビステッカ・アッラッビアータ Bistecca all'arrabbiata ・フライパンで焼くので、ロースかランプの薄くカットした肉が向いている。 ・2枚の場合、フライパンにEVオリーブオイル大さじ1、にんにく1~2かけ、赤唐辛子2片(または小2本)を熱し、にんにくに色がついたら取り除く。 ・火を強め、油が十分に熱くなったら唐辛子も取り除いて肉を入れる。焦げ付かないようにすぐにフライパンをゆする。 ・火を弱め、40秒焼く(厚さ1cmの肉の場合)。 ・再び火を強め、肉を裏返して同様に焼く。 ・仕上げに塩をする。 |
ビステッカ・アッラ・ピッツァイオーラ Bistecca alla pizzaiola ・厚さ2~3cmのリブロースかランプが理想的。 ・完熟トマトを刻み、EVオリーブオイル、にんにく(肉1枚につき1かけ)、塩、こしょう(または赤唐辛子)で10分煮てソースにする。仕上げにドライオレガノ一つまみを加える。 ・ソテーパンを熱してEVオリーブオイル少々を入れ、肉を強火で片面1分半ずつ焼く。 ・肉に塩をし、ソースで覆う。 ・火を弱め、途中で一度裏返しながら3分なじませる。 |
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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2009年4月号
キアニーナを含む“ヴィテッローネ・ビアンコ”の記事は「総合解説」'08&'09年4月号に載っています。
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