2010年12月16日木曜日

ブロッコロ・ロマネスコとエイのミネストラ

前回の続きで、ラツィオのエイ料理の話です。

エイは、イタリア語ではrazza(ラッザ)。
ローマなどラツィオでは、ガンギエイのことをarzilla(アルジッラ)と呼びます。

そして、ラツィオの代表的なアルジッラ料理は、ミネストラです。
エイの軟骨から取った出汁を使う一品。


この料理には、ブロッコロ・ロマネスコも入ります。

Broccolo
broccolo romanesco


ローマの名物ミネストラの一つに、“パスタ・エ・ブロッコリpasta e broccoli”というのがあります。
パスタと白いんげんのスーブ、“パスタ・エ・ファジョーリ”のブロッコロ・ロマネスコ版ですね。
パスタ・エ・ブロッコリは豚の皮とそのゆで汁を入れて煮ますが、豚皮の代わりにエイのブロードで煮たのがこの料理。


l'aggiustafeste, minestra broccoli e arzilla
ブロッコロ・ロマネスコとエイのミネストラ



下の動画は、やたら長い意味不明の小芝居の後、2:50頃、エイのミネストラの話が始まります。




ローマのクリスマス料理でもあるんですね。



こちらの料理番組でもエイのミネストラを作っています。
時間が押しまくって、最後は何が何だか分からない状態ですが、2:35頃、エイヒレの姿は確認できます。




じゃがいもも加えたミネストラを裏漉ししたパッサータ版ですね。
エイの柔らかい部分はソテーして仕上げにトッピング。
軟骨部分はミネストラに入れて煮ます。


それでは、『La cucina romana e del Lazio』Livio Jannattoni著から、ブロッコロ・ロマネスコとエイのミネストラのリチェッタをどうぞ。

『Minestra di broccoli con l'arzilla』
材料:6人分
 エイ・・1尾(2kg)
 ブロッコロ・ロマネスコ・・1個(1.5kg)
 パスタ・・300~400g
 ホールトマト・・500g
 セロリ
 玉ねぎ 
 にんにく・・2玉
 アンチョビー・・3枚
 EVオリーブオイル
 塩、唐辛子
・塩、セロリ、玉ねぎを加えた湯でエイをゆでる。
・ブロッコロ・ロマネスコを小房に分ける。
・たっぷりのオリーブオイルに刻んだにんにくとアンチョビーを入れてソッフリットにし、ブロッコロ・ロマネスコを入れる。
・唐辛子と塩で調味して白ワインを振りかけ、トマトを加えて3~4分煮る。
・エイのブロードをかけて煮る。
・ブロッコロ・ロマネスコが柔らかくなったらパスタを加えて煮る。
・パスタはミネストラ用のストルティーニstortiniかペンニーネpennine。





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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』2007年9月号
“エイヒレとパスタのミネストラ”を含む「漁師料理」のリチェッタは、「総合解説」'07&'08年9月号に載っています。

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3 件のコメント:

vittorio さんのコメント...

このミネストローネ美味しいですよね

エイの軟骨はいい出汁がでますよね、

フランスの貧乏生活の時一番安い魚コースはだいたいのお店はエイでよく食べました、エイヒレをムニエルにしてケッパー入りのブール・ノワゼットをかけるのが定番でした、

お店の前にロマネスコを育ててるですが虫が結構ついて一ツ一ツとっています、実ってもすぐ料理に使えない気分です(笑)。

vittorio さんのコメント...

ミネストラでした(笑)

prezzemolo さんのコメント...

vittorioさん
エイヒレのムニエルって、いかにもフランスの庶民料理という響きがしますねえ。
イタリアでは、エイはローマでしか食べたことがなくて、しかもミネストラだったので、どれがエイなのか、よく分からなかったですよー。
自家菜園のロマネスコ、あの幾何学的なきれいな姿に実るのが楽しみですね!

バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...