スパゲッティの歴史編、その2です。
スパゲッティの歴史を語る時に必ず登場するのが、マルコ・ポーロ。
マルコ・ポーロが中国からイタリアに麺を伝えた、という伝説です。
13世紀の人マルコ・ポーロは、イタリアが誇る大探検家。
イタリア語のwikiには、「人類史上最も偉大な探検家の一人とみなされている」と書かれています。
ドラマにもなりました。
マルコ・ポーロは、1254年ヴェネチア生まれ。
ポーロ家は裕福な商人でした。
マルコ・ポーロの旅には、父親と叔父も同行しています。
1271年、彼らはシルクロードを通って中国に入ります。
当時の中国は、モンゴル人が支配する元の時代。
マルコ・ポーロ一行は、中国の朝廷に入った最初の西洋人となったのでした。
帰国後、マルコ・ポーロはジェノヴァの獄中で、ピサーノ・ルスティケッロという小説家に旅の話をします。
それをルスティケッロがフランス語で本にしたのが、『東方見聞録』。
うーん、後の世にいくらでも話が創作されてしまいそうな経歴ですねえ。
マルコ・ポーロが中国から麺を伝えたという説はとても魅力的ですが、残念ながら、それを否定する証拠があります。
『クチーナ・エ・ヴィーニ』では、マルコ・ポーロがヴェネチアに戻った1292年より前の1279年、ジェノヴァの公証人、ウゴリーノ・スカルパがポンツィオ・バストーネという人物のために作成した遺言状の遺品リストの中に、“マカロニ一箱”という項目がある、という説を紹介しています。
1244年にベルガモの医者が患者に「肉、果物、パスタは食べてはいけない」という処方をしたという記録もあるそうです。
現在、世界最古の麺とされているのは、2005年に中国青海省の遺跡で発見された、約4000年前のもの。
それ以前は麺の歴史は2000年と言われていたそうで、古いものが見つかる度に、歴史は塗り替えられる運命にあるんですねえ。
イタリアでも、この4000年前の中国の麺が、現在発見されている最古の麺として知られています。
でも、「スパゲッティよりキタッラに似ている」、「硬質小麦ではなくアワが原料」、「乾麺ではなく生麺」といったことも言われていて、スパゲッティの元祖とは簡単には認めない気満々ですが。
それでは、イタリアの最古のパスタはいつのものなのでしょうか。
次回に続きます。
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関連誌;『クチーナ・エ・ヴィーニ』2008年6月号
“パスタ”の記事の解説は「総合解説」07&08年6月号に載っています。
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2010年6月11日金曜日
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