イタリア料理ほんやく三昧: オリーブ(1)

2010年5月6日木曜日

オリーブ(1)

今日はオリーブの話。
『サーレ・エ・ペペ』の解説です。

イタリア料理には欠かせないオリーブ。
正確には、イタリアでも主に沿岸部の料理、さらに言えば、スペイン、ギリシャ、トルコなども含む地中海料理には欠かせない食材。
イタリアにはオイル用、食用合わせて約50種類のオリーブがあるそうです。



大きさも色も形も味も様々なオリーブ, photo by jurvetson


オリーブは、熟し具合によって大雑把にブラックオリーブとグリーンオリーブに分かれますよね。
完熟する前の青い実のグリーンオリーブは、通常夏の終わりに収穫します。
完熟したブラックオリーブは冬に収穫します。
オイル用のオリーブは、完熟よりやや早めの時期(冬)に収穫します。

オリーブオイルは、生のオリーブの実を搾った、いわばオリーブジュースのようなもの。
ところが、生のオリーブの実は、そのままでは苦くて食べることはできません。
食べるには、渋抜きが必要です。


オリーブの苦みを抜いて食用にする方法は色々あります。
その方法によってオリーブの味も違ってきます。

『Grande Enciclopedia Illustrata della Gastronimia』によると・・・

■一番古くてシンプルなのは、水にさらす方法。
ドルチフィカーテ・ア・アックア dolcificate ad'acquaと言います。
イタリア語では「渋抜きする」ことを「甘くする」と表現するんですねえ。
この方法は、小~中型のグリーンオリーブに用います。
オリーブを10日間ほど水に漬けて(時々水を変えます)渋抜きし、仕上げに軽い塩水に漬けて保存します。

■次にシンプルなのは、石灰と苛性ソーダに漬ける方法。
アスコリやプーリアの大粒タイプに用いられています。
艶のある鮮やかな色になるのが特徴。

■最も一般的なのは、イン・サラモイアin salamoiaと言う方法。
上記のタイプよりやや軽めに石灰と苛性ソーダに漬け、仕上げに塩水に漬けて保存します。
バールのつまみなどは大抵がこのタイプなんだそうです。

■主にシチリアでグリーンオリーブに用いられているのは、オリーヴェ・ビアンケolive biancheと呼ばれる製法。
塩分の強い塩水に長期間(色が抜けるまで)漬け、次に水にさらして塩抜きしてから仕上げに軽い塩水に漬けます。

■オリーヴェ・コンチャーテolive conciateは、グリーンオリーブを塩水に漬けて渋抜きしたら種を抜き(または種つきのまま潰します)、香料(にんにく、唐辛子、フィノッキエオ、乾燥オレガノなど)を加えて軽く発酵させたもの。

■ギリシャのオリーブと呼ばれるタイプのブラックオリーブは、ワインビネガーを加えた塩水に漬けてから、仕上げにオリーブオイルを加えた塩水に漬けます。

■ブラックオリーブの中には、塩水でなく塩に漬けて渋抜きし、洗ってからオーブンで軽く乾燥させたものもあります。
表面に軽くしわが寄っているのが特徴。

■天日やオーブンで乾燥させた、水気のないしわしわのブラックオリーブもあります。
これは、水に漬けて渋抜きした後、長時間かけて天日で干したりオーブンで乾燥させたもの。

■これらの他に、塩漬けした後に玉ねぎや唐辛子、香草、オレンジなどの風味を加えたものもあります。



今日のおまけの動画は、チーズ・キオスクというアメリカ(?)の店のオリーブ・バー。
オリーブを中心とした様々なピクルスが圧巻です。







オリーブの話、次回に続きます。


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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』2007年6月号
「オリーブ」の解説とリチェッタは、「総合解説」'07&'08年6月号に載っています。

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