2009年11月6日金曜日

カッサータ・シチリアーナ

今日はカッサータの話。
『ヴィエ・デル・グスト』の記事の解説です。

カッサータと聞いて、何を思い浮かべますか?

ジェラート


カラフルでクラシックなシチリアのケーキ?


カッサータ・シチリアーナ, photo by paolovalde



それともナポリのカッサータ

カッサータ・ナポレターナは、Touling Club Italianoの『L'Italia dei dolci』によると、シチリアのカッサータに似ていますが、側面を緑のマジパンではなく砂糖のアイシングで覆ったり、表面を砂糖漬けフルーツで飾るのではなくチョコレートで覆ったりするのだそうです。
でも、どちらも同じもの、と言う人もいます。



はたまた、チェンテルベというリキュールをしみ込ませたアブルッツォのカッサータ


こちらは刻んだヌガーととチョコレートを混ぜたクリームをスポンジケーキに挟んだもの。
チェンテルベはアブルッツォの香草と薬草のリキュールで、アルコール度は70%。
リチェッタをいくつか見てみましたが、どれも薄めて塗るとは書いてないですねー。



色々あるカッサータですが、本家となると、やっぱりシチリアのカッサータ。


2008年から、『Il Pasticciere Itlaiano』誌の主宰で「アワード・デル・パスティッチェーレ」というコンクールが開催されています。
イタリア各州のパスティッチェーレがチームを組んで腕を競うというもので、2008年は20の州が参加しました。

競技の一つ、“ドルチェ・ティピコ・ロカーレ”は、伝統をきっちりと守ったアレンジを加えないドルチェを審査する部門です。
2008年にこの部門でシチリアチームが作ったのが、カッサータ・シチリアーナ。
そして“最高伝統リチェッタ賞”を受賞したそうです。



これがその時のカッサータ, photo by Mario Ragona



シチリアのカッサータの特徴は、いかにも南イタリア的なデコレーションですかね。

様々なカッサータ・シチリアーナ。

シンプル系カッサータ

これはパステル系

クリスマスのイメージでデコレーションしたカッサータ

ドーム型

アバンギャルド風?

カッサータのオレンジソースがけ

一人用のミニカッサータ

チョコレートコーティングのミニカッサータ

白カッサータ

赤ちゃんのためのベイビーカッサータ

ぬいぐるみのカッサータ!



パレルモのパスティッチェリーア・シモーネ(hp)のカッサータ作りの動画。
長いですが、プロの技をじっくりどうぞ。
途中でチラッと出てくるは、復活祭の子羊のドルチェ。
カッサータは春の食材を使った復活祭には欠かせないドルチェ。
お店の中も復活祭のドルチェで一杯ですね。








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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』'08年3月号
“カッサータ”の記事の解説は、「総合解説」'07&'08年3月号、P.31に載っています。


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4 件のコメント:

くるり さんのコメント...

結局カッサータではないんですが、似たようなものをアブルッツォで食べました。店の人はピッツァ・ドルチェ・アブルッツェーゼと言っていましたが、見た目はカッサータみたいな感じのリキュールに浸しためちゃ甘なスポンジ系でした。前にアスコリで食べた完全にピザ生地の甘いデコレーション版ピッツァ・ドルチェとは全く違う食感で。シチリアではお菓子屋の作品がどれも芸術的で、入るのが楽しみでしょうがなかったのだけど、酒飲みと一緒だとお菓子屋は素通り。残念です(^^;

Vittorio さんのコメント...

色々なカッサータ楽しいそうです(笑)

今の時代、伝統を守るということは大切かもしれませんね、
コンクールまで開催するとはいいですね、私も参加してみたいです(笑)、

フランスにいた時、氷菓専門のお店にも働かせてもらっていたことがあって、オーナーはジロント県のパティシエの会長のなさっていて、氷菓でMOFを取ったんですけれど、アイスマシンが大型コインランドリー位ありました(笑)

私達が仕込みしている時でも、そのMOFのスペシャリテのリチェッタは絶対教えなかったですね(笑)、
ノワゼットをキャラメリゼして、砕きメレンゲと生クリームに合わせ冷凍して固まったらキャラメルアイスでコーティングして、ショコラを吹きつけて完成するものでした、イタリアに行って分かったんですが、これはカッサータですね(笑)

そこの氷菓専門店はノエルになると40種類位のアイスケーキのブッシュドゥノエルや細工もののアイスケーキを作ります、すごく綺麗でした、

シチリアもすごく、また本土とは違う綺麗さがあって、ショーウインドから離れない私がいました、他のイタリア人あきれました『ほら、ヴィト行くよ』と(笑)。

あ?

まだノエルのメニューが決まってないのに、予約が入って来たみたい(笑)。

prezzemolo さんのコメント...

くるりさん
やっぱり地元で食べないと、どんなものかなかなかイメージできないですね。
でも、見た目が地味なイタリアの伝統菓子は、何の知識もなければお店で注文することはまずないんですよねー。
その点、くるりさんはチャレンジャーだー。
イタリアのドルチェはアルコール度がかなり高いのもあるから、酒飲みにはその線で攻めてみては(笑)

prezzemolo さんのコメント...

Vittorioさん
シチリアチーム、ド派手な飴細工も作ってましたよ。
Vittorioさんが参加したら、ひょいっと優勝しちゃうかも(笑)。
やっぱり巨匠のレシピは極秘ですか。
実力がものを言う世界ですねえ。

シチリアのパスティッチェリーアのショーケースは、見ていて楽しいですよね~。
あーあの胸が詰まりそうな甘さが懐かしい~。

バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...