2009年11月2日月曜日

羊乳のパスタ・フィラータ、ヴァステッダ

パスタ・フィラータの話をもう一つ。

羊のパスタ・フィラータを作っているところですよ~と写真を送っていただいたので、さっそくご紹介(Grazie Italiamamaさん!)。

シチリアには、イタリアでおそらく唯一の、羊のミルクを使ったパスタ・フィラータがあります。

“ヴァステッダ・デッラ・ヴァッレ・デル・ベーリチェ Vastedda della valle del Belice”というチーズです。

シチリア西部のアグリジェント、パレルモ、トラーパニの各県で作られている、DOPのフレッシュチーズ。

ちなみに、クレアパッソで前回配本の「総合解説」にも、このチーズの簡単な記事を載せています。
Italiamamaさんは、このチーズを作っているところを見てきたんですねー。



ヴァステッダ作り
ミルクが固まったらスライスして・・・


ヴァステッダ作り
湯かリコッタを作った後のホエイをかけて加熱しながら再び塊りにし・・・


ヴァステッダ作り
モッツァレッラのようにちぎってスープ皿のような陶器の型に入れます。


この後、チーズが乾いたら2時間塩水に漬け、さらに12~48時間乾かしたら完成です。
直径15~17㎝で、厚さは3~4㎝。
フレッシュなミルクの香り、甘さ、酸味のある味。



再び溶かしてから固まるまでの過程の動画






こちらはヴァステッダ用のミルクを熱しているところ。
のどかです。
家族で作ってるんですかね。
シチリアのフレッシュチーズ屋さんは、日本の豆腐屋さんのようなものでしょうか。


羊のミルクからパスタ・フィラータを作るのはとても難しく、ベーリチェ以外の羊のミルクでは、うまくできないのだそうです。


こちらもItaliamamaさんの写真。
ベーリチェ土着の品種、として連れてこられたのがこの動物なんだそうです。
これははたして、羊なのか?


ヴァル・ベーリチェの山羊



これがベーリチェの羊。
羊毛ではなく、ミルクを取るのが目的だと、羊もこんな姿になるんでしょうか。



おまけ。
“ヴァステッダ”とは形をあらわす言葉で、シチリアにはヴァステッダというフォカッチャもあります。
下の動画はパンのヴァステッダ。
ごまつきの、典型的なシチリアパンです。







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関連誌;『ア・ターヴォラ』2007年2月号
“ヴァステッダ・デル・ベーリチェ”の解説は、「総合解説」'07&'08年2月号、P.27に載っています。


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4 件のコメント:

くるり さんのコメント...

羊のパスタ・フィラータってなんだかすごく興味があります。味はよくわかっていないのですが、気がつくと羊のチーズだったということが多いので。どうも大好きなようです。
しかしベーリチェの羊、衝撃的なやせ方。羊さんだけ見ると、とてもうまいものができそうには思えませんね(笑)。どうやってこの羊のミルクならいける、と気がついたのだろうか。

prezzemolo さんのコメント...

くるりさん
この子羊(?)、ヤギみたいですよね。
実は、親羊のおっぱいはすんごく大きいんです。
いわゆる小顔で巨乳なんですねー。

Vittorio さんのコメント...

シチリアは宝庫ですねぇ~、ヴァステッダいいですね、

私も作ってみたいですー

豚のカッチョカヴァッロ、1KG入りのピッツア用の生モッツアレラを使えばできそうですね(笑)

45℃の塩湯をつけながら、少しアメ細工の技法をつかえば…
もし成功したらprezzemoloさんブログのカッチョカヴァッロ細工、日本初かもしれませんね(笑)

昨日、友人シェフがノエルの値段設定で相談が…

え?

もうそんな時期なんですのぉ~~

細工完成長引きそうです、(笑)

prezzemolo さんのコメント...

Vittorioさん
飴細工の技ですか!
それはVittorioさんの得意分野じゃないですか。
こりゃほんとにできちゃうんじゃ・・・。
楽しみですねー♪
えっ、クリスマス?
私も思い出しました。
来年のカレンダー、毎年11月になったら買ってるんです。
人気のカレンダー(猫や犬のですが、汗)なんで、うっかりしてると売り切れちゃうんですよー。
そろそろ買わなくちゃ。

バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...