2009年10月1日木曜日

リボッリータの食材

リボッリータの話、その2です。

リボッリータには、トスカーナならではの食材が3つ入っています。

カーヴォロ・ネロ(黒キャベツ)

カンネッリーニ(小粒の白いんげん)、

そしてパーネ・トスカーノ(塩気のないパン)


カーヴォロ・ネロは、結球しないキャベツで、黒ずんだ色をした、縮れた細長い葉。

イタリアでは、キャベツは最初の霜が降りた後に美味しくなると言いますが、この黒キャベツも、旬は冬の時期。
でも、一年中出回っています。
味は普通のキャベツより強く、加熱時間は長め。
カーヴェロ・ネロを使った一番有名な料理が、このリボッリータですかね。


下の動画は「カーヴォロ・ネロ入りファリナータ」
リボッリータと同じく白いんげん(ピアッテッリーノというカンネッリーニより大粒の品種)とカーヴォロ・ネロが入るのですが、チェーチの粉を加えて濃いクリーム状にした一品。
もちろんトスカーナ料理。
ラルドがたっぷり入ってますねえ。
豚皮も入れます。






リボッリータに使う白いんげんは、カンネッリーニという小粒の品種です。
イタリアでは缶詰に使われる最も一般的な白いんげんで、トスカーナ原産。

そもそもいんげん豆は、アメリカが原産地ですよね。
ヨーロッパに伝わったのは16世紀だから、それ以降に造られた品種なんですね。
ちなみに、アメリカからいんげん豆が伝わるまでイタリアで一般的だったのは、アフリカ原産の黒目豆。

カンネッリーニは皮が薄くて小粒なので、加熱時間が短いのが特徴。

トスカーナ人は、昔から豆好きで有名。
イタリアで、豆を食べる人のシンボルになっているのが、この絵
アンニバーレ・カッラッチ作、“マンジャファジョーリ”です。
この絵の農夫が食べているのは黒目豆のようですね。
この絵が描かれたのは1583年だから、まだカンネッリーニはなかったのかも。



黒目豆もあります, photo by pikimota



3つめの食材、パーネ・トスカーノの話は次回に。


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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』2007年3月号
“リボッリータ”のリチェッタは、「総合解説」'07&'08年3月号、P.5に載っています。


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2 件のコメント:

くるり さんのコメント...

昔このパーネ・トスカーノが大嫌いでした。イタリアのパンはなんてまずいんだろうと(笑)。でもリッボリータに入っているとおいしいんですよね。
アブルッツォもめちゃくちゃ豆喰いで、胃が重いので軽めにスープでもと思って頼んだら、白いんげんのどろどろ煮にさらにレンズ豆等の豆の海というか、ほぼ汁がない代物が出てきて撃沈。ズッパがメニューにあれば必ず頼んでいたのですが、ほぼ豆入りしかなく、以来トラウマでひたすらポルチーニのパスタを食べてました。

prezzemolo さんのコメント...

くるりさん
おーっと、パーネ・トスカーノ、大嫌いでしたか。
お子ちゃまでしたね(笑)
そうそう、どろどろの豆は、適量を超えると地獄ですよねー。
私はパスタ・エ・ファジョーリが大好きなんですが、これを食べるとセコンドが入らないのが悲しい~。
イタリア人てどういう胃袋してるんでしょうねえ。

バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...