いちじくがおいしい季節になりました。
そこで今日はいちじくの話。
いちじくは、イタリア語で“フィーコ fico ”。
複数形なら“フィーキ fichi ”。
夏が終わりを迎えてビーチリゾートがちょっと寂しい気分になる頃、地中海のいちじくは旬の季節を迎えます。
いちじく, photo by lepiaf.geo
いちじくは小アジア地方の原産ですが、今では地中海を象徴する果物の一つとして定着しています。
いちじくが昔から地中海世界に浸透していたことを示す例を一つ思いつきましたよー。
それは、ローマのバチカン美術館で目にすることができます。
この美術館には、古代彫刻の傑作が数多く展示されていますが、ずらっと並んだ彫刻のある部分が、ことごとくいちじくの葉で覆われているんですねー。
隠すのが目的なのに、かえってそこに目が行ってしまいます。
かなり不自然というか、こっけいです。
こんな記念写真は定番(笑)
あそこを隠すのに、なんでいちじくの葉っぱなんでしょうか。
なんでもそれは、アダムとイブに由来するんだそうです。
アダムとイブが禁断の果実を食べて、楽園から追放された、という話は聞いたことありますよね。
禁断の果実を食べると、どうなるんでしょうか。
禁断の果実とは、知識の木の実のこと。
それを食べたアダムとイブには、それまでなかった「羞恥心」が生まれました。
そして裸の体を恥ずかしく思い、いちじくの葉で体を隠した、というわけ。
つまり、楽園にもいちじくは生えていたんですねー。
それと、ローマの始祖とされる伝説上の双子、ロムルスとレムスは、いちじくの木の下で狼に育てられたと言われています。
カピトリーノの雌狼とロムルスとレムス, photo by Bobby Chorlton
こちらはローマのカピトリーナ絵画館(Pinacoteca Capitolina )にあるルーベンス作の『ロムルスとレムス』。
中央の巨木はいちじくだったんですね。
たしかに、あの葉っぱがついてる。
いちじくの話、次回に続きます。
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2009年8月27日木曜日
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