2009年8月21日金曜日

リチェッタをイタリア語で読む(3)

Anna Gosetti della Salda著、『Le Ricette Regionali Italiane』から、
No.1364の「スパゲッティ・アッラ・カルボナーラ」のリチェッタを訳しています。

前回はスパゲッティをゆでるところまででした。
今回はその続きです。

Scolarli un poco al dente e versarli nel tegame dove soffrigge il guanciale, mescolare, levare il recipiente dal fuoco, aggiungere le uova sbattute, un pizzicone di pepe nero, una cucchiaiata di parmigiano e una di pecorino.


長いので2つに分けます。

Scolarli(それらの水を切る) un poco(少し) al dente(アルデンテ) e(そして) versarli(それらをあける) nel(中に) tegame(浅鍋) dove(であるところの) soffrigge(しんなり炒める) il guanciale(グアンチャーレ).

・・・スパゲッティがややアルデンテのうちに水気を切り、グアンチャーレをソッフリットにしたソテーパンに入れる。


この文章のポイントは、原文には“スパゲッティ”という言葉が一度も出てこない、ということでしょうか。
その代わり、動詞の最後に“li”という代名詞がくっついています。
これがスパゲッティのこと。
同じ名詞を繰り返して使わない、というイタリア語の原則ですね。



mescolare(混ぜる) levare(上げる) il recipiente(容器) dal(から) fuoco(火) aggiungere(加える) le uova(卵) sbattute(溶いた) un pizzicone(多めの一つまみ) di(の) pepe nero(黒こしょう) una cucchiaiata(スプーン1杯) di(の) parmigiano(パルミジャーノ) e(そして) una(1) di(の) pecorino(ペコリーノ).

・・・スパゲッティとグアンチャーレを混ぜて火から外し、溶いた卵、多めのこしょう、パルミジャーノ大さじ1杯、ペコリーノ大さじ1杯を加える。


イタリア語は語尾も大切です。
たとえば、“un pizzico” は一つまみですが、“un pizzicone” は、それよりもう少し多め。
“un cucchiaio” なら「大さじ1」で、“un cucchiaino” なら「小さじ1」


最後の“una di pecorino” は、ある言葉が省略されています。
すぐ前にその言葉が使われているので、同じ言葉を繰り返さない法則で、“una”という代名詞にしてしまった訳です。
今回、繰り返して使いたくない言葉は、“cucchiaiata” 。
日本語にする時は省略された言葉を補って、「ペコリーノ大さじ1」となります。


今日はここまで。


今日の動画は、パンチェッタを使ったカルボナーラ。
ラードの代わりにパンチェッタの脂をフライパンにこすりつけています。
皿におろしたペコリーノを散らしてからスパゲッティを盛り付けるのは、前回のシェフと同じですね。






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2 件のコメント:

hide さんのコメント...

いつも楽しく読んでおります。
先日、御社に本の注文をして楽しみに待っている所です。

う~ん。なかなか訳すのは手ごわそうですね。
それも楽しみの1つとして、がんばってみないと!

それでは、これからも楽しい記事よろしくお願いします。

prezzemolo さんのコメント...

hideさん
ありがとうございます!
リチェッタは、たくさん読めば読むほど、チャチャッと訳せるようになりますよ。
この本は写真がないのでちょっと地味ですが、文章は難しくないです。
がんばって読んで、おいしい料理を作ってください。
分からないところがあったら、質問はいつでもOKですよー。

バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...