イタリア料理ほんやく三昧: カスティリオン・デル・ボスコ

2009年7月30日木曜日

カスティリオン・デル・ボスコ

今日はワインの話。
『クチーナ・エ・ヴィーニ』の記事の解説です。

今回取り上げるのは、カスティリオン・デル・ボスコ Castiglion del Bosco 。

最近注目を集めているモンタルチーノのワイナリーで、代表的なワインはブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・“カンポ・デル・ドラゴ” Campo del Drago ”。
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エノロゴはチェチーリア・レオネスキさん。
この人

カスティリオン・デル・ボスコは何と言っても、
「あのフェラガモのワイナリー」
というのがうたい文句。

フェラガモと言えば、イタリアが誇る有名ファッションブランドの一つですよね。
本拠地のあるフィレンツェには、フェラガモ博物館もあります。

フェラガモは、カンパーニア生まれのサルヴァトーレ・フェラガモさんが一代で築き上げたブランド。
15歳でアメリカに渡り、ハリウッドスター御用達の靴職人として大成功。
その後イタリアに戻り、フィレンツェで開業。
1960年に没した後は、妻や子供たちが事業を受け継ぎ、今では同族経営の会社として、手広く事業を展開しています。


カスティリオン・デル・ボスコを経営するのは、サルヴァトーレ・フェラガモ氏の末息子で、フェラガモUSAの社長、マッシモ・フェラガモ氏。

彼がカスティリオン・デル・ボスコを手に入れたのは2003年のこと。

『クチーナ・エ・ヴィーニ』のインタビューで彼は、
「カスティリオン・デル・ボスコとフェラガモのブランドは、まったく別のものだということを、皆さんにはぜひ知ってもらいたい」
と言っています。
でも、それは無理な話ですよねえ。
誰もが、「フェラガモのワイン」て記憶しますって。

マッシモさんはこうも言っています。

「ブルネッロを造るという楽しい冒険は、冗談から生まれたようなものでした。
友人たちの小さなグループで、ぶどう畑と賃貸用の田舎家のある農園を買いたいと思っていたところに、たまたまカスティリオン・デル・ボスコを手に入れる機会が巡ってきたのです」

冗談から始まったという話は、成功したワイナリーの裏話としては、よくあることです。
友人たちと農園を買おうと思っていたというのも、まあそう珍しい話ではありません。
でも、たまたま機会があって手に入れたというその土地が、“1,700ヘクタール”ですよ!
ニューヨークのセントラルパークの5倍で、モナコ公国の9倍ですよ!
しかもモンタルチーノと言えば、世界遺産ヴァル・ドルチャの一部ですよ!
そんな場所でこれだけ広大な土地を買うって、どんだけ話がでかいんですか。
こりゃもう完全に、セレブの世界の話ですよ。
何が楽しい冒険ですか。

しかも、さすがはバリバリの実業家。
その広大な土地を手に入れて、さっそく、まったく新しいビジネス展開を思いついちゃったんですねー。
つまりこの土地を、イタリアのワイン業界では初の“会員制クラブ”にしたんです。

詳しいことは知りませんが、なんでも、会員はこの土地を所有する株式会社に投資して、この土地の別荘、ホテル、ゴルフ場などを利用し、かつ、ワインなどから上がった利益の配当を受ける、というシステムのよう。

世界遺産になっている場所でゴルフ場やワイナリーの権利を所有して、しかもそのワインが極上品とくれば、きっと世界中のお金持ちは、ちょっと趣味で投資してみようか、なんて気にもなるってもんです。
お見事ですねー。
さすがはフェラガモ魂。
私だって、もしどこかの大金持ちの親戚が遺産でも残してくれたら、ちょっと一口買ってみようかなんて気になっちゃいますよ。

土地の価値を高めるためにマッシモ氏が取った戦略の一つが、モンタルチーノで最高のワインを造れ!というもの。
フレスコバルディのエノロゴ、ニコッロ・ダッフリット氏を顧問に迎えるなど最高のチームを揃えて、本腰を入れて取り組んでます。

ワインの品質が資産の価値に結びつくとしたら、経営者としては手が抜けないですよね。
消費者にとってもいい話。
この世界的な不況の時代に、実業家が造る新しいブルネッロがどう進化していくのか、なかなか面白そう。


カスティリオン・デル・ボスコの施設の一部。
撮影してる人は会員さんですかね。





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関連誌;『クチーナ・エ・ヴィーニ』2008年2月号
“カスティリオン・デル・ボスコ”の記事の解説は、「総合解説」'07&'08年2月号、P.38に載っています。


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