イタリア料理ほんやく三昧: カンパーニアのリゾット

2009年7月21日火曜日

カンパーニアのリゾット

今日はリゾットの話。
『サーレ・エ・ペペ』の記事の解説です。

リゾットというと、北イタリアの料理というイメージ。
米作地帯であるロンバルディアやヴェネトのプリーモ・ピアットとして、よく知られていますよね。
ミラノ風のサフランのリゾットとか、ヴェネチアのイカ墨のリゾットとか。



黄色いリゾット・アッラ・ミラネーゼ, photo by brocha



そして黒いイカ墨のリゾット。これはサンフランシスコ郊外のレストランの一品
photo by mswine


じゃあ、ナポリやシチリアなど、南イタリアのリゾットというのはどうでしょう。
・・・・・。
うーん、あまり見かけないかも。

そんな、南イタリアではあまり印象に残らないリゾットですが、『サーレ・エ・ペペ』では、カンパーニアのリゾットというのを一品紹介しています。

“リゾット・ブルシャート Risotto brusciato”。




赤いリゾットです。
赤と言うか、トマト色ですね。
“ブルシャート”とは、「焼けた」という意味の“ブルチャート”の方言だと思われます。
赤く焼けたような、赤銅色のリゾットです。

そう言えば、トマト色のリゾットというのは、あまりないような・・・。
サルトゥやアランチーニのように、パイで包んだり揚げたりする時は赤いリゾットも使いますが、チキンライスやパエリヤのような、外見が赤い米料理って、それほどメジャーではない気がします。

このリゾット・ブルシャート、材料がいかにも南イタリア。
トマトソースだけでなく、カチョカヴァッロも入っています。

作り方は、

材料4人分
 米(アルボーリオ)・・300g
 カチョカヴァッロ・スタジョナート・・200g
 トマトソース・・1リットル
 バジリコ・・4枚
 プレッツェーモロ
 EVオリーブオイル
 塩、こしょう

・カチョカヴァッロを小角切りにし、オリーブオイル大さじ5で揚げて焼き色をつける。
・ここに米を入れて2~3分炒め、沸騰したトマトソースをかけて1~2㎝上まで覆う。
・塩で調味し、残りのトマトソースを加えながら煮る。ソースの水気がなくなったら湯を加える。
・仕上げにプレッツェーモロのみじん切り、ちぎったバジリコ、こしょうを散らして混ぜる。


トマトソースの代わりに、裏漉しトマトをゆるめに煮詰めたもので煮るリチェッタもあります。


北のイメージのあるリゾットも、トマト色になるとすっかり地中海料理に変身しますねー。
これに鶏肉が入れば、チキンライスにかなり近いかも・・・。
と思ったら、『サーレ・エ・ペペ』で、鶏肉とトマトソースのリゾットも紹介していました。
ヴェネト地方の“リゾット・アッラ・ズビッラーリア Risotto alla sbirraglia”という一品です。





“ズビッラーリア”とは、イタリア語で「警官」という意味の“ズビッロ”という言葉が語源。
この料理の場合は特にオーストリア人の警官のことを意味していて、彼らがこのチキンリゾットが大好きだったことからこう呼ばれるようになったとか。

作り方は、まず、玉ねぎなど香味野菜のみじん切りをバターとオリーブオイルでソッフリットにし、小さく切った鶏肉(レバーを加える場合もあり)を加えて炒めます。
ここにトマトソースとブロードを加えてしっかり煮ます。
塩味を整えたら米を加え、ブロードをかけながらリゾットに煮ます。
仕上げにパルミジャーノでマンテカーレ。

リゾット・アッラ・ズビッラーリアは言いにくいので、英語ではチキン・リゾットと呼ぶみたいですね。



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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』2007年2月号
“リゾット”のリチェッタは、「総合解説」'07&'08年2月号、P.2に載っています。


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