イタリア料理ほんやく三昧: イタリア風じゃがいも料理

2009年2月9日月曜日

イタリア風じゃがいも料理

今日はじゃがいもの話。
『サーレ・エ・ペペ』の記事の解説です。

以前にも書いた気がするのですが、イタリアのじゃがいも料理って、あまりピンとこないんですよねー。
まあもちろんニョッキはじゃがいも料理ですが、ジャーマンポテトとか、フレンチフライ(正確にはフランスが発祥地じゃないようですが)のように、イタリアンポテト!と呼べる料理は・・・・・
思い浮かばないなあ。



ベーコンの香りがたまらない!ジャーマンポテト“Bratkartoffeln”
photo by adactio


それなのに、『サーレ・エ・ペペ』では、敢えて「パターテ・アッラ・イタリアーナ~イタリア風じゃがいも料理」という記事を企画したんですねえ。
いったいどんな料理があるものなのか、ちょっと面白そうじゃないですか。

そして読んでみると・・・

なるほど、そうきたか~。


まず1品目は、ヴェネト料理。

“じゃがいもと玉ねぎのパデッラータ、ヴェネト風 Padellata di patate con cipolle alla veneta”。




この“パデッラータ”というのがミソですねえ。
いや~なるほどー、恐れ入りました、という感じです。

“パデッラータ”とは、「フライパン(padella)で調理した」という意味で、フライパンで焼いたり、ローストしたり、炒め煮にしたりすること全般を意味します。
だから実は、ジャーマンポテトもフライパンで作ったものなら、“じゃがいものパデッラータ、ドイツ風”となる訳です。
つまり、どんなものでも“パデッラータ”と言えば、あっという間にイタリア風に聞こえてしまう、とても便利な言葉なんですねー。

“じゃがいもと玉ねぎのパデッラータ、ヴェネト風”は、ゆでたじゃがいもと玉ねぎをバターで焼いて(炒めるのではなく)、塩、こしょうをするというシンプルなもの。


きのことじゃがいものパデッラータ

じゃがいもと豚肉のパデッラータ

野菜のパデッラータ



記事には、このパデッラータを“シチリア風”にしたものも紹介されています。
ジャーマンポテトはベーコン入りですが、シチリア風だと何が入ると思いますか?
多分、イメージ通りですよ。

答えは、ケッパーとオリーブ。
さらに砂糖とビネガーも加えて、煮て仕上げます。

“じゃがいものシチリア風”というのは定番のリチェッタがなく、トマト入りやペコリーノ入りなど、様々なものを見かけます。
つまり、シチリアの食材や、シチリアをイメージさせるものを加えれば、立派にじゃがいものシチリア風となるわけですね。

と言うことは、ケッパー、オリーブ、アンチョビー入りや、パルミジャーノと生ハム入りで、“イタリアンポテト”と呼んだって、全然ノープロブレム、と個人的には思っています。


記事で紹介されている料理でもう1品、なかなかおもしろいのが、カルボナーラの変型版です。

“じゃがいも、卵、ペコリーノのカラプリア風パスタ Pasta con uova e pecorino alla calabrese”




使っているパスタは、ショートパスタのトゥベッティ・リッシ。
ペコリーノ入りのカルボナーラに、小角切りにして揚げたじゃがいもを加えた一品です。
素朴でボリュームがありそうで、しかも立派にイタリアン。
フレッシュな赤ワインが合いそうなパスタです。


この他に、イタリア料理でじゃがいもを使ったものと言えば、じゃがいものフリッタータや、じゃがいもとムール貝と米のティエッラなどが有名。

イタリア料理のバイブル、『グランデ・エンチクロペディア・イッルストラータ・デッラ・ガストロノミア』(長い名前ですが、要は図解と写真付きイタリア料理辞典です)には、イタリアのじゃがいも料理のリチェッタがいくつか載っています。
その中に、“丸ごとじゃがいものオーブン焼き Patate al forno intere ”というのがあります。
丸ごとのじゃがいもをアルミ箔で包んで220度のオーブンで1時間焼き、バターかサワークリームを添える、という料理です。

その解説に、「これは、じゃがいもに暖炉の灰をかぶせて焼く“patate cotte sotto cenere”の現代版、都会版」とあるのを見て、思い出しました。
以前ウンブリアのトラットリーアで、前菜に、じゃがもいが1個、皮つきのままどーんと皿にのって出てきたことがあったんです。
これがその、“灰かぶり焼きじゃがいも?”でした。
味もさることながら、暖炉に馴染みのない都会っ子にとっては、なんだかすごく特別なものを食べているような気がしたのを覚えています。
その時初めて、焼きいもも灰で焼けば、立派にレストランの一品になるということを知りました。
でもその時は、灰をかぶせて焼くには1~2時間かかるなんてことは知りませんでした。
知っていたら、もっとご馳走に思えただろうなあ。



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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』'06年11月号(クレアパッソで販売中)
“イタリア風じゃがいも料理”のリチェッタは、「総合解説」'06&'07年11月号、P.7に載っています。


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4 件のコメント:

barrett_hutter さんのコメント...

イタリアで食べてみたいジャガ芋料理といえば、日高良実さんの本で出ていたFRICO di FORMAGGIO e PATATEが気になります。また、暖炉といえば、もうどこの田舎町かは忘れたのですが(多分、フィレンツェ近郊)、暖炉で肉の塊と一緒にワインのフラスコ使って豆を茹でていたのを思い出します。灰かぶりジャガ芋、とても気になりますね。

prezzemolo さんのコメント...

barrett_hutterさん
あっそうでした!忘れちゃいけない、フリーコもじゃがいも料理ですよね!寒い時期は、じゃがいもととろけるチーズのフリーコはおいしいだろうなあ。
フラスコに豆を入れて暖炉でゆでてたんですか?トスカーナの田舎で?それはもう絵に描いたようなイタリアンな風景ですねえ。肉の塊がどうなったのかも、激しく気になります(笑)

barrett_hutter さんのコメント...

今日、友達のクオーコにFrico di Fromaggio e Patateの話をしたところ、微妙な顔をして奥に引っ込んで、しばらく後に“Le Ricette Regionali Italiane”片手に「Fricoの原型はジャガ芋入ってないよ」と言われました。確かにIngredientiを見るとジャガ芋は使って無いようです。推測ですが、オーストリア料理の影響で、あのような料理になったのではないかという話でした。そういうことで、ちょっと訂正しておきます。まぁ、ラデッキー行進曲が聴こえてきそうな話なのですがw

prezzemolo さんのコメント...

barrett_hutterさん
以前、このブログでもフリーコを取り上げたたことがあるんです。2008年4月4日4月7日のブログです。
フリーコは元々は羊飼いやきこりが作っていた料理なんだそうです。その時は多分チーズだけだったんだろうなあ。
でもそれはかなり昔のこと。今ではフリーコには色んなバージョンがあって、じゃがいも入りフリーコも、問題なく立派なイタリア料理だと思いますよ。
料理書にはたいてい、フリーコにはチーズだけのタイプと、じゃがいもや玉ねぎなどが入るタイプの2種類がある、と書いてありますよね。イタリアのwikiにもそう書いてあります。
どっちもフリーコ。訂正することないですよん。