イタリア料理ほんやく三昧: カミッローネの塩田

2009年1月19日月曜日

カミッローネの塩田

チェルヴィアの塩の話、続けます。


チェルヴィアの塩田は827ヘクタールの広さがあります。
昔はこの中に、149の塩田がありました。
塩作りの技術は、長年に渡って、父から息子へと受け継がれてきました。
子供たちは幼い時から塩田の中で遊び、父親のまねをして塩作りを学んでいたのでした。

ところが、1959年に塩の専売制度が施行され、塩の生産は効率重視の方針に変わります。
チェルヴィアの塩田で残ったのは、約10個の大規模なもののみ。
伝統の技を受け継いできた人たちは、すべて切り捨てられてしまいました。
彼らに与えられた新しい仕事は、大量生産のための単純作業・・・。

大量生産の塩を作りながらも、かつての職人たちは、先祖から受け継いできた技を残したい、という思いを強く抱いていました。
エトルリア時代から続く塩、というのが彼らのプライド。
そして生まれたのが、かつての職人たちが集まって塩の博物館を作り、さらに、カミッローネの塩田をチェルヴィア市が買い取って、再び塩を作る、という構想です。

カミッローネの塩田は、149個の塩田のうち、89番の塩田でした。
総面積は2570平米。
実はこの塩田は、砂が多くて管理に手間がかかり、誰もが割り当てを嫌がるような塩田でした。
元々チェルヴィアの塩田は、シチリアのトラーパニなどと違って、周辺に川が多く、塩分濃度が低くなりやすいという問題もあります。
そんな環境で、古い技術だけを使って塩を作るというのは、かなり大変な作業。
でも、様々な問題を克服しながら、現在では年間50~200トンの塩を製造しています。
塩造りの期間は6月前半から9月末まで。
47人の職人が塩の製造に携わっています。
2004年にはスロー・フードの後援食材にもなりました。


カミッローネの塩田1

カミッローネの塩田2

こうやって板で押して塩を片側に寄せます。
これは一番のベテランが行う作業。
残りの人は、この塩を木のスコップですくって水路のわきに積み上げます。


カミッローネの塩田3

カミッローネ塩田の看板には、「エトルリア時代」の文字が・・・



チェルヴィアの塩は1kg約1ユーロですが、カミッローネの塩は750gで4.2ユーロ。
職人さんたちの思いと汗がこもっている塩です。

カミッローネの塩



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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年11月号(クレアパッソで販売中)
“世界の塩、イタリアの塩”の解説は、「総合解説」'06&'07年11月号、P.16に載っています。


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3 件のコメント:

くるり さんのコメント...

この塩田も行ってみたいなぁ。というかDelta del Po周辺も野望のひとつなんで(笑)。私のもっているDelta del Poの地図からすると最南端できれているので、保護区ではないかもしれないですね。でも前の3つに比べると素朴でよさそう。塩田周辺は潟と養分があるから野鳥の宝庫ですし。昔カッリアリのトラットリアで食事していたら、近くにフラミンゴの見られるところがあるから行かないとナンパ?されたことがあるんですが、そこにも塩田があったんだろうか・・・。

prezzemolo さんのコメント...

くるりさん
Delta del Poよりちょっと南だけど、一応国の自然保護区にはなってるみたいですね。
夏の間は見学ツアーもやってるそうですよ。自然コース、塩作りコース、歴史コースがあって、ボートで塩田を回ったりするみたいです。塩作り体験みたいなのもやってるとか。
フラミンゴを見に行かないかって誘われたんですかー!すっごい、やっぱ地中海ですねー。日本だったら「ツル見に行かへん?」みたいな?

くるり さんのコメント...

そうですか、また野望が増えたじゃないですか!ありがとうございます(^^)ボートで塩田回って塩作り体験かぁ、いいなぁ。