今日はトルタ・フリッタの話。
『ガンベロ・ロッソ』の記事、「フリット・ミスト」の解説です。
トルタ・フリッタは、エミリア地方の揚げパン。
同じものが、パルマではトルタ・フリッタ torta fritta 、モデナではニョッコ・フリット gnocco fritto 、ボローニャではクレシェンティーネ crescentine という名前で呼ばれています。
それだけでなく、ピアチェンツァではキソリーニ chisolini 、フェッラーラはピンツィーノ pinzino といった具合。
あんな狭い範囲で、どうしてこんなに名前が違うんでしょうねえ。
個人的には、ニョッコ・フリットという音の響きが、ダントツに気に入ってます。
クレシェンティーネ, photo by Robyn Lee
エミリア地方では、生ハムやサラミには、この揚げたてのトルタ・フリッタが付きもの。
おいしそう~
↓
http://picasaweb.google.com
食事の時にパン代わりに食べたり、スナックにしたり、アペリティーヴォにしたりと、食べ方は色々。
とてもシンプルな揚げパンですが、作り方は隣合った家でも違うんだそうで。
ネット上をざっと見ても、見事にバラバラ。
こちらの人は、ひし形に切ってます。
↓
www.coquinaria.it
生地の大きさや厚さも人それぞれですが、特徴は、中が空洞ということ。
このシェフのトルタ・フリッタは卵入り
トルタ・フリッタとパルマの生ハムは、エミリア地方では切っても切れない関係。
ところが、パルマの生ハムはエミリア地方の外にも広まったけれど、トルタ・フリッタはおいてけぼりをくらったようですねえ。
塩気の利いた生ハムと油で揚げたパン、そして赤ワイン、という組み合わせは、確かに、あまり地中海風じゃないなあ。
かといって、中央ヨーロッパ風(ドイツとかオーストリアとか)でもないし・・・。
エミリア地方限定の味、というわけですね。
生ハムのほかに、パルマでこのトルタ・フリッタに添える定番の一つが、スパッラ・コッタ spalla cotta 。
こんなハム
↓
www.laporchetta.it
どうやって作るかというと、まず、豚の肩肉の塊に塩とこしょうをまぶしながら約15日間寝かせます。
これを牛や豚の膀胱に詰めて縛り、吊るして15日~1か月熟成させます。
仕上げに80度から90度で7~8時間ゆで、ゆで汁に漬けたまま冷まします。
冷めてから食べてもいいけれど、温かいものを、少し厚めにスライスして食べるのがおいしいんだとか。
パルマ地方出身の作曲家、ジュゼッペ・ヴェルディは、このスパッラ・コッタが大好物でした。
知り合いにスパッラ・コッタを贈った際に、どうやって食べればいいか、細か~く教えている手紙が残っています。
パルマのプロシュット・クルードとスパッラ・コッタ、パルミジャーノ・レッジャーノ、そしてトルタ・フリッタ。
これだけパルマの味がそろったら、ワインもパルマ産ですね。
コッリ・ディ・パルマDOCというのがあります。
ぶどう品種はバルベーラとボナルダ・ピエモンテーゼ(クロアティーナ)。
パルマの生ハム, photo by Juan E
パルミジャーノ・レッジャーノ, photo by Ivano
パルマのドゥオモ広場, photo by Francesca Fiorini
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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2007年8月号(クレアパッソで販売中)
“フリット・ミスト”のリチェッタは、「総合解説」'06&'07年8月号、P.11に載っています。
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2008年9月29日月曜日
トルタ・フリッタ、ニョッコ・フリット、クレシェンティーナ
2008年9月26日金曜日
ムンネッツァーリア
今日はパスタの話。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事、「パスタ・エ・ファジョーリ」の解説です。
パスタ・エ・ファジョーリ, photo by Moritz Guth
“ムンネッツァーリア”というパスタ、知ってますか?
イタリア語で書くと munnezzaglia 。
正確には、ナポリの方言です。
答えはこれ。
↓
www.moldrek.com
え、いろんな形があってよく分からない?
ハハ、おっしゃる通り。
種明かしをすると、ムンネッツァーリアとは、乾麺のミックスパスタのことなんです。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事では、イタリア各地のパスタ・エ・ファジョーリを紹介しています。
地方によって使う豆やパスタが違っていて、なかなかおもしろいものですねえ。
そんな中で、ナポリ風のパスタ・エ・ファジョーリに入れるのが、このムンネッツァーリアです。
ナポリの家庭では、余ったパスタをあれこれ全部一緒にパスタ・エ・ファジョーリに入れる習慣がありました。
スパゲッティのような長い麺は短く折って入れます。
経済的に無駄がないからこうしていたわけですが、これが見た目もなかなか賑やかで楽しげで、いかにもナポリ風な料理になるんですねえ。
ナポリ風パスタ・エ・ファジョーリ
ミックスパスタとグリーンピース
ミックスパスタとチェーチ
ミックスパスタとレンズ豆
ミックスパスタとじゃがいも
イタリアでは、デ・チェッコ(ディチェコ)やバリッラ(バリラ)の製品に“パスタ・ミスタ”があります。
ただ皮肉なことに、市販品になると決して安くはないもよう。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』では、香味野菜とトマト入りのナポリ風パスタ・エ・ファジョーリを紹介していますが、ここでは別のリチェッタをどうぞ。
ナポリ風パスタ・エ・ファジョーリ Fasole "ca" a munnezzaglia
原文はこちら
↓
www.bloggers.it
| 材料/ カンネッリーニ(小粒の白いんげん)・・400g ラルド・・70g 豚皮・・1片 ムンネッツァーリア(ミックスパスタ)・・350g ・戻した豆、ラルド、豚皮をたっぷりの水に入れ、弱火で豆が崩れるまで煮る。 ・パスタを加えて煮る。 ・塩、こしょう(または唐辛子)、オリーブオイルで調味する。 |
このパスタに慣れると、1種類のパスタじゃ物足りなくなりそう・・・。
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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』'06年8月号(クレアパッソで販売中)
“パスタ・エ・ファジョーリ”の記事は「総合解説」'06&'07年8月号、P.4~に載っています。
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2008年9月24日水曜日
フィーコディインディアを食べる
フィーコディインディアの話、その2です。
ウチワサボテンの実、フィーコディインディアは、シチリアでは道端に群れをなして生っていたりするので、ちょっと1個取ってみようか、なんて思わなくもない。
昔の農家では、朝、棘が露で湿っていて柔らかい時に採って、朝食に食べたりしたんだそうです。
普通、店で売られているものは、棘は一応取り除いた状態になっていますが、皮をむく時は、まず、ゴム手袋をつけて実を洗います。
そして、上下の端を切り落とします。
次に、縦に一本、実を切らないように切り込みを入れ、そこからナイフの刃でむいたり、スプーンでくりぬいたりします。
こんな感じ。
↓
www.poro.it
皮をむいたフィーコディインディア, photo by
皮をむくと、フィーコディインディアは、みごとに赤、黄、白の3色に分かれますねえ。
やっぱり素人目には、赤が一番おいしそうに思えるなあ。
本当に黄色が一番味がいいのか、3種類食べ比べてみないと。
そうそう、今思えば、シチリアのレストランで出すのは、たいてい黄色のフィーコディインディアだったような・・・。
さてさて、皮もむいていよいよ食べるわけですが、ここで素人は、またもや難関にぶつかります。
種です。
柔らかい果肉をパクッと口に入れ、ジューシーな実を一口噛むと、おーっとそこには無数の種が。
この種、飲み込むにはちょっと大きいし、ピュッと出すには数が多すぎる。
ぶどうの種ぐらいの大きさですかね。
地元の人は飲み込んでしまうわけですが、盲腸になる、という話はないようで。
フィーコディインディアは、生で食べるのが一番おいしい食べ方。
採りたてで実が締まっているものがいいんだそうです。
この他に、ジェーロやマルメッラータにしたり、フィーコディインディア味のジェラートなんていうのもありますよね。
シチリアのエトナ山周辺のホテルなら、フィーコディインディアのジャムは朝食の定番。
赤いフィーコディインディアで作るリキュールもあります。
↓
www.gustarteshop.it
フィーコディインディアの中でも、もっとも大型で形がきれいな“バスタルドーニ”は、10月から11月頃熟します。
これは、春に一度若い実を取り除いて再び花を咲かせ、さらに7月には間引きをして、その結果たっぷり養分を吸った実なんだそうです。
これからが旬ですね。
『ヴィエ・デル・グスト』の記事にもありますが、フィーコディインディアは、強い酸化防止効果(=細胞の老化を遅らせる効果)があるらしいじゃないですか。
いつまでも若くありたい人は、シチリアに行ったら食べとかないと!
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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』'07年8月号
“フィーコディインディア・デッラ・エトナ”の記事の訳は、「総合解説」'06&'07年8月号P.36に載っています。
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2008年9月22日月曜日
フィーコディインディア
今日はフィーコディインディアの話。
『ヴィエ・デル・グスト』の記事の解説です。
フィーコディインディア, photo by bruno capilli
日本人なら、この写真を見て「ちょい不気味」とは思っても、「おいしそ~」とは思わないですよねえ。
でも、一度でもフィーコディインディアを食べたことのある人なら、「まだ食べるのには早いかな」、なんて思ってしまうんですよね。
フィーコディインディアは、ウチワサボテンの実。
ウチワサボテン, photo by diluvi.com Anna i Adria
イタリア語ではfico d'india、またはficodindia。
発音は、正確には“フィーコディンディア”。
“インドのいちじく”という意味です。
でも、ウチワサボテンはメキシコが原産地。
15世紀末にメキシコからヨーロッパに伝わりました。
当時の人は、コロンブスが発見した中米のことをインドだと思い込んでいたために、インドのいちじく、という名前がついた、と言われています。
勘違いからついた名前だったんですね。
ウチワサボテンは、イタリアの中でもシチリアの気候に驚くほどよくなじみ、放っておいてもどんどん繁殖しました。
そして18世紀以降、シチリアのあらゆる場所に広まっていきます。
現在のシチリアは、メキシコに次ぐフィーコディインディアの生産地です。
フィーコディインディアは、除草剤や化学肥料を必要としないので、「安全な食品」としても知られています。
でも、その表面は目に見えないほど細い無数の棘で覆われているので、素人が素手で触ると、ある意味、「危険」です。
実は私、こんな体験してます。
シチリアのスーパーで、フィーコディインディアが山積みで売られているのを見て、よーし、食べたことないから買ってみるか、と思ったわけですよ。
で、よく見ると、真っ赤のやら、オレンジのやら、黄色やら、ものによって色が違います。
そこで思わず手に取って、どれがおいしそうかなあ、とじっくり選び始めてしまったんですねー。
合計10個ぐらい触ったかなあ。
その時はなんともなかったのですが、しばらくして、手のひら中がチクチクしてきました。
よーく見ると、極細で短い白い棘が、あちこちに無数に刺さってるじゃあーりませんか。
この棘、小さすぎてつまむことができないから、抜けないんですよー!
その後数日間、ずーっと手のひらがチクチクしてました。
ちょっとしたトラウマです。
棘まみれになりながらその時選んだフィーコディインディアは、おいしそうな真っ赤な色をしたものでした。
ところが、後で知ったのですが、フィーコディインディアは、赤いから熟しているという訳ではないのです。
『ヴィエ・デル・グスト』の記事にもあるように、フィーコディインディアには、赤い“サングイーニャ”、黄色い“スルファリーナ”、白い“ムスカレッダ”の3種類があります。
イタリア人でもウチワサボテンになじみのない北部の人は、赤い実の方がおいしそうと思うらしく、北では赤い実がよく売れるんだそうです。
でも、一番流通量が多くて、味もよい、とされているのは、実は、黄色いスルファリーナなんですねー。
赤ははっきりした味で、白はデリケートな味。
プーリアのおじいちゃんがフィーコディインディアを食べてます。
みんな素手で触ってますねえ。
年季が違う!
フィーコディインディアの話、次回に続く~。
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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2007年8月号(クレアパッソで販売中)
“フィーコディインディア・デッラ・エトナ”の記事は、「総合解説」'06&'07年8月号、P.36に載っています。
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2008年9月19日金曜日
ファヴィニャーナのマグロのボッタルガ
今日はボッタルガの話。
『ア・ターヴォラ』の記事の解説です。
ボラのボッタルガ, photo by Gaspar Torriero
上の写真はボラのボッタルガですが、今日取り上げるのは、ファヴィニャーナのマグロのボッタルガ。
ファヴィニャーナのマグロのボッタルガ
www.slowfoodsciacca.it
ボラのものより10倍ぐらい大きいですねえ。
このファヴィニャーナのマグロのボッタルガ、今にも消えそうな、風前のともしびの食材なんだそうです。
スローフードの後援食材でもあります。
これだけマグロが獲れない時代に、その卵を使ったものとなるとなあ。
スローフードのサイトには、マグロがいなくなったのは日本人が乱獲したせいだ、みたいなことが書いてあります。
他人事とは言ってられませんね。
ファヴィニャーナと言えば、ワイルドなマグロ漁、マッタンツァで知られる島。
ファヴィニャーナのマッタンツァ, photo by Raffaele Franco
『ア・ターヴォラ』の記事にあるとおり、そのマグロの島で、ボッタルガを作っている店が、たった1軒しかない!
マッタンツァで獲れたマグロは、ほとんどがトラーパニに運ばれて、そこで加工されているのだそうです。
港にある古くて大きな建物が、今は使われなくなったマグロの加工場、というのも寂しい話ですねえ。
島の暮らしは、マグロが激減するにつれて、大きく変わってしまったようですね。
ファヴィニャーナで唯一、マグロのボッタルガを作っているのは、コンセルヴィッティカ・サンマルターノ・ファヴィニャーナ。
hpはこちら。
www.egadi.com
製造過程の写真も掲載していますね。
それによると、ボッタルガ作りは、まず生のマグロの卵巣を塩漬け。
そして型押し。
一定期間プレスしたら洗い、風通しのよい場所に吊るして熟成。
このボッタルガは真空パックで販売していて、1kg130ユーロ。
2万円弱。
他に、マグロの心臓や赤身を塩漬けして干した製品も作っています。
コンセルヴィッティカ・サンマルターノ・ファヴィニャーナのマグロのボッタルガ
シチリアのシェフが、ファヴィニャーナのマグロのボッタルガを使った料理の動画をupしていました。
まずはボッタルガとブロンテ産ピスタチオのキタッラ。
作り方
| ・にんにくの香りを付けたオリーブオイルでプレッツェーモロのみじん切り、粗挽きこしょう、包丁で刻んだ(またはおろした)ボッタルガをソッフリットにする。 ・火を止めてパスタのゆで汁少々を加える。 ・ゆで上がったスパゲッティ・アッラ・キタッラ(生パスタ)を加え、火にかけながらマンテカーレ。 ・皿に盛り付けて刻んだピスタチオで飾り、オリーブオイルをたらす。 ・仕上げにレモンの皮のすりおろしを散らす。 |
応用編のウニとボッタルガのキタッラ
・ソッフリットをパスタのゆで汁で溶いたところにウニを加える。
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関連誌;『ア・ターヴォラ』2006年8月号(クレアパッソで日本語解説付きで販売中)
“ファヴィニャーナのマグロのボッタルガ”の記事は「総合解説」'06&'07年8月号、P.35に載っています。
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2008年9月17日水曜日
ズッキーニの花のパスタ
ズッキーニの花の話、その2。
『サーレ&ペペ』の記事の解説です。
今日は、ズッキーニの花を使ったパスタのリチェッタ。
『サーレ&ペペ』では、アサリとズッキーニの花のリングイーネを紹介しています。
アサリのパスタにズッキーニの花を加えてなじませただけのシンプルなものですが、ズッキーニの花が入るだけで、ナポリ料理からジェノヴァ料理になったような(分かるかなー)、ちょっと洗練されてゴージャスになったような、そんな印象になるから不思議です。
スパゲッティでなく、アサリのオレッキエッテにズッキーニの花を加えると、上品なプーリア風になるなあ。
ホウボウとズッキーニの花のカラマラータ, photo by Stefania
シャコ、ズッキーニ、ズッキーニの花のスパゲッティ, photo byStefania
ズッキーニとズッキーニの花のタリアテッレ
ヤリイカとズッキーニの花のタリアテッレ
ズッキーニの花のペンネ
ゴルゴンゾーラ、タレッジョ、ズッキーニの花のスパゲッティ
スズキとズッキーニの花のトリポリーネ
ズッキーニの花のマッケローニ
みんな色んなリチェッタを考え出していますねえ。
白身魚やエビ、イカとズッキーニの花は、デリケート系の組み合わせ。
かと思えば、ゴルゴンゾーラとズッキーニの花のように、極端に個性の強いものと組み合わせても、それなりにいけてます。
アンチョビーとズッキーニの花のスパゲッティーニなんてどうでしよう。
『サーレ&ペペ』'00年5月号に載っていたリチェッタです。
アンチョビーとズッキーニの花のスパゲッティーニ Spaghettini alle acciughe e fiori di zucchina
| ・アンチョビー5~6枚を小さく切り、EVオリーブオイル大さじ4とにんにく(半分に切る)で2分炒める。 ・小さく切ったズッキーニの花20個(おしべ類とガクを取る)を加えて2分炒める。 ・スパゲッティーニ320gをアルデンテにゆでる。 ・アンチョビーとズッキーニの花のフライパンにスパゲッティーニを入れてなじませ、プレッツェーモロのみじん切り大さじ2、レモンの皮のすりおろし小さじ1、こしょうを加えて混ぜる。 ・皿に盛り付けてEVオリーブオイルをたらす。 |
塩気のきいた主張のある食材とズッキーニの花の組み合わせは、いくらでも応用が利きますね。
たとえば、ボッタルガとズッキーニの花とか、ドライトマトとズッキーニの花、コラトゥーラとズッキーニの花、ウニとズッキーニの花、イクラとズッキーニの花、etc.・・・。
自家菜園で育てたズッキーニと花を使ってペンネを作った人もいます。
こちらのサイト。
iocomesono-pippi.blogspot.com
なかなかゴージャスな出来ですねえ。
リチェッタは・・・
ペーストとズッキーニの花のペンネ Penne pesto e fiori di zucca
| 材料 バジリコ 松の実 ピスタチオ にんにく ズッキーニ ズッキーニの花・・2~3個 オリーブオイル ペンネ ・にんにく少々、松の実、ピスタチオ、油、塩少々をペーストにする。 ・柔らかい新ズッキーニを薄い輪切りにして耐熱皿に入れ、油をかけて塩を散らす。 ・その上に掃除したズッキーニの花を扇形に広げてのせ、電子レンジとグリルで短時間加熱する。 ・ペンネをアルデンテにゆでてペーストで和え、ズッキーニの輪切りを加えて混ぜる。 ・これを皿に盛り付けてズッキーニの花をのせ、油をたらす。松の実とピスタチオで飾る。 |
このリチェッタ、ズッキーニのデリケートな味を隠さないように、ペーストにパルミジャーノは入れなかったのだそうです。
ズッキーニの花は、フリットとパスタ以外にも色々使えますよね。
フリッタータ
ピッツァやパン
フォカッチャ
チーズの詰め物入りのオーブン焼き
でもやっぱりフリットもおいしそう
アップで
ヤリイカとズッキーニの花のフリット
ズッキーニの花が咲くのは6月から8月頃でしょうか。
来年が待ち切れない~。
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関連誌;『サーレ&ペペ』2006年8月号(クレアパッソで販売中)
“ズッキーニの花”のリチェッタは、「リチェッタ日本語訳/サーレ&ペペ」P.19~に載っています。
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2008年9月16日火曜日
ズッキーニの花
今日はズッキーニの花の話。
『サーレ&ペペ』の記事の解説です。
ズッキーニの花, photo by aurelio candido
ズッキーニの花は、イタリア語では“フィオーリ・ディ・ズッキーナ fiori di zucchina ”。
でも、一般的には“フィオーリ・ディ・ズッカ fiori di zucca ”と呼びます。
ズッカはカボチャ。
なんでズッキーニの花をカボチャの花と呼ぶのか、不思議に思ったことないですか?
イタリアでは、ズッキーニの花もカボチャの花も、“フィオーリ・ディ・ズッカ”と呼んで、特に区別しないんですねー。
それはなぜなのか。
どうやら古くからの習慣のようで、イタリア人でも不思議に思う人はいるようです。
そもそもズッキーニは、カボチャを改良したもの。
そしてカボチャは、中米からヨーロッパに伝わったもの。
新大陸発見以前には、地中海には存在しない野菜だったんですねー。
ズッキーニの花とカボチャの花は、大きさは違うけれど、見た目はそっくり。
ズッキーニとズッカなら、それほど語感に違いがないからなのか、とにかくイタリアでは、ズッキーニの花のこともフィオーリ・ディ・ズッカと呼びます。
このブログでは“ズッキーニの花”としてますが、正確には、“ズッキーニかカボチャの花”、というわけですね。
とは言っても、実際にはズッキーニの花であることが多く、中には“フィオーリ・ディ・ズッキーナ”、ときっちり区別して呼ぶ人もいます。
それと、ズッキーニの花には雄花と雌花がありますが、厳密に区別して使うようなリチェッタはあまり見ないですねえ。
ズッキーニの花だけを使うなら雄花、実も使うなら花ズッキーニといった具合でしょうか。
ズッキーニの花の代表的な料理は、フリット。
こちらのサイトのフリットのレシピは・・・。
www.martiranolombardo.info
・ズッキーニの花を摘む時は、朝、花が開いている時に摘む。
・虫に注意。
・ガクとめしべやおしべを取り除く。
衣の材料は、ズッキーニの花10個につき
| 卵・・2個 おろしたチーズ・・大さじ4 小麦粉・・大さじ2 塩 |
掃除した花に衣をつけて揚げるだけ。
シンプルだけど、おいしいし、形よく揚げればきれいですよね~。

ズッキーニの花のフリット, photo by germana

ズッキーニの花のフリットを添えたズッキーニのタリアテッレ, photo by marciespics

詰め物入りズッキーニの花のフリット(左)とバッカラのフリット, photo by rebecca f
詰め物入りのフリットもおいしいですよね。
こちらのサイトのリチェッタをどうぞ。
調理過程の写真付きです。
www.cookaround.com
詰め物入りズッキーニの花のフリット Fiori di zucchina ripieni e fritti in pastella
| ズッキーニの花12個分 ・モッツァレッラ・フィオルディラッテ(牛乳のモッツァレッラ)を12個の小角切りにする。 ・塩漬けアンチョビーを12片に切る。 ・ズッキーニの花を掃除して洗い、破かないように水気をふき取る。 ・アンチョビーとモッツァレッラを詰める。 ・00番の小麦粉大さじ3とぬるま湯2/3カップを手早く混ぜ、塩少々を加える。さらにオリーブオイル大さじ1を加える。 ・卵黄2個を堅く泡立てて衣に加え、さっくり混ぜる。 ・花に衣をつけてピーナッツ油で揚げる。 |
この他に詰め物は、リコッタ、ハム、エピとベシャメル、白身魚、じゃがいものピューレなど、バリエーション豊富。
うずらの卵詰めなんてのもあります。
www.buttalapasta.it
ズッキーニの花のうずらの卵詰め fiori di zucca ripieni
| 材料/4人分 ズッキーニの花・・12個 うずらの卵・・12個 リコッタ・・250g ズッキーニ・・小2本 マジョラム・・1把 シブレット 食パン・・4枚 白ごま・・大さじ1 EVオリーブオイル 塩、こしょう ・うすずらの卵を水からゆでる(沸騰してから3分)。流水に取って冷まし、殻をむく。 ・ズッキーニをスライサーで細くおろす。塩を振って30分置き、水分を出す。 ・リコッタを練り、刻んだシブレット適量を加える。ズッキーニ(水気を絞る)、マジョラムの半量、塩、こしょうも加える。 ・ズッキーニの花(掃除する)を湿らせた布で抜く。混ぜた材料を詰め、中央にゆで卵を1個入れる。 ・花を閉じて耐熱皿(油を塗る)に並べる。 ・パンとマジョラムをミキサーにかけ、ごまを加える。これをズッキーニの花に散らして油をかけ、200℃のオーブンで20分焼く。 |
ズッキーニの花の話、次はパスタのリチェッタです。
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関連誌;『サーレ&ペペ』2006年8月号(クレアパッソで販売中)
“ズッキーニの花”のリチェッタの日本語訳は、「リチェッタ日本語訳/サーレ&ペペ」P.19に載っています。
リチェッタ翻訳アルバイト募集中。
詳細はcreapasso.comをご覧ください。
[creapasso.comへ戻る]
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2008年9月12日金曜日
ヴィテッロ・トンナート、マイアーレ・トンナート
今日はヴィテッロ・トンナートの話。
『ア・ターヴォラ』今月配本号の解説です。
ヴィテッロ・トンナートと言えば、ピエモンテの夏の名物料理。
ただし下の写真は、フィレンツェの有名店、チブレオのヴィテッロ・トンナート。
チブレオのヴィテッロ・トンナート, photo by David Vogel
『ア・ターヴォラ』の記事にもありますが、イタリアでは、ヴィテッロ・トンナートはローストビーフと並ぶポピュラーな冷製総菜。
“ヴィテル・トンネ vitel tonnė ”、とフランス語風に呼ばれることもありますが、記事では、これがフランス語ではない、ということもちゃちゃっと論破していますよー。
詳しくは、「総合解説」'06&'07年8月号をご覧くださ~い。
ヴィテッロ・トンナートに最適の肉の部位は、子牛のもものしきんぼう。
イタリア語では、マガテッロ magatello やジレッロ girello と言います。
こんな肉
↓
savoldicarnidoc.com
赤身で、きれいに整った筒形をしているのが特徴。
均一の形にスライスできるので、カルパッチョやサルティンボッカにも使えます。
子牛のマガテッロは成牛のものより小さくて、まさにヴィテッロ・トンナートには最適。
最近では、豚のロース肉を使った“マイアーレ・トンナート maiale tonnato ”というのも登場しているようですね。
ヴィテッロ・トンナートもイタリア料理の例にもれず、無数のバリエーションがある料理。
記事では、その一例として、イタリア料理のバイブル、『Grande Enciclopedia Illustrata della Gastronomia』(イタリア料理人必携。クレアパッソに近日入荷予定)から、温製のヴィテッロ・トンナートのリチェッタを紹介しています。
そこでここでは、同じく『Grande Enciclopedia・・・』から、冷製のヴィテッロ・トンナートのリチェッタをどうぞ。
肉をゆでるのではなく、オーブンで焼くリチェッタです。
ヴィテッロ・トンナート Vitello tonnato
| ・鍋にマイルドなEVオリーブオイル大さじ3を熱し、子牛のもも肉(しんたま)1ブロックを入れてさっと焼く。 ・白ワイン(アルネイズかコルテーゼ・ディ・ガヴィ)1カップをかけて塩、こしょうをし、ローリエ1枚、皮つきにんにく1片、香味野菜のみじん切り(玉ねぎ1/4個、にんじん小1本、セロリ1本)を加える。 ・蓋をして、150度のオーブンで1時間焼く。 ・肉を取り出し、焼き汁を裏漉しする。 ・マヨネーズを作る(卵黄2個)。 ・オイル漬けツナ200g、アンチョビー2尾(塩抜きする)、酢漬けのケッパー一握りを乳鉢ですり潰し、マヨネーズに加える。さらに肉の焼き汁も加え、木べらで潰しながらよく混ぜる。 ・肉を薄くスライスし、サルサで覆って冷蔵庫で1時間休ませる。 ・仕上げにケッパーを散らす。 |
豚肉のマイアーレ・トンナートのリチェッタもどうぞ。
これ、ネット上では、まったく同じリチェッタがあちこちでコピーされまくっているようです。
どれもまったく同じなので、訳すサイトは適当に選びました。
原文→www.cucinare.meglio.it
マイアーレ・トンナート Lombo di maiale tonnato
| 材料/4人分 豚ロース・・800g にんじん・・2本 セロリ・・1本 玉ねぎ・・1個 白ワイン・・1カップ オリーブオイル・・大さじ1 塩 粒こしょう・・大さじ1 サルサ; ゆで卵の黄身・・3個 フレンチマスタード・・小さじ3 白ワインビネガー・・小さじ3 アンチョビー・・4枚 ツナ・・200g ケッパー・・大さじ2 オリーブオイル・・1カップ 塩、レモン ・肉を糸で縛り、隙間のできない大きさの鍋に入れる。ワインをかけて水で覆い、スティック状に切ったにんじん、短く切ったセロリ、丸ごとの玉ねぎ、塩少々、粒こしょう大さじ1、油大さじ1を加えて火にかける。 ・沸騰したら弱火にし、蓋をして1時間ゆでる。 ・ゆで汁に漬けたまま冷まし、取り出す。重石をのせて冷蔵庫で休ませる。 ・ゆで卵の黄身、マスタード、塩3つまみ、ビネガー小さじ1を混ぜて均質のクリームにし、油を少しずつ加えてマヨネーズ状にする。刻んだケッパー(塩を洗い落とす)、刻んだアンチョビー、ほぐしたツナ、ゆで汁の野菜(ミキサーにかける)を加えてよく混ぜる。 ・肉を薄くスライスし、やや重ねながら皿に盛り付ける。サルサで完全に覆い、レモンの輪切りで飾る。 |
マイアーレ・トンナートもおいしそう。
この料理はサルサで完全に覆ってしまうので、見た目は子牛も豚も、まったく一緒。
でも、料理名に「子牛」という言葉が入っているヴィテッロ・トンナートの場合、豚肉を使って“ヴィテッロ”と名乗ると、偽装表示まがいになっちゃいますもんね。
マイアーレ・トンナート、そのうちもっとメジャーになる日が来るかも・・・。
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関連誌;『ア・ターヴォラ』2006年8月号(クレアパッソで販売中)
“ヴィテッロ・トンナート”の記事の訳は、「総合解説」'06&'07年8月号、P.9に載っています。
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2008年9月10日水曜日
マルケのブロデット
ロッシーニ→ペーザロ→ブロデット→マルケのブロデット、という流れで進んできました。
今日は、マルケを代表する4つのブロデットのリチェッタ編です。
ブロデットは、漁の最中に傷んだ魚や、市場で需要のない魚を使って、漁師が船の上で作っていた料理がルーツ。
作る人の数だけバリエーションはありますが、マルケのブロデット・アカデミー協会は、マルケには大きく分けて4種類のブロデットがある、と言っています。
伝統的なブロデットの基本は、アドリア海の新鮮な魚を使うこと。
でも、同じマルケでも、漁場が砂地か岩場かなど地理的な違いによって、生息する魚が違います。
さらに、オリーブオイル、トマト、ビネガーなど、加えるものが、土地によって違ってきます。
協会が紹介する4種類のブロデットとは、
ファーノ風、アンコーナ風、ポルト・レカナーティ風、サン・ベネデット風。
上から、ファーノ、アンコーナ、ポルト・レカナーティ、サン・ベネデット
どれも漁業の伝統のある町です。
そのリチェッタは・・・
原文と写真はこちら→www.todine.net/accademiadelbrodetto
ファーノ風ブロデット Brodetto alla Fanese
トマトペーストとビネガーを加えるのが特徴。
この地域では、酢のようになったワインを水で薄めて飲む習慣があったので、おそらくその名残。
| ・魚はシャコ、スカンビ、カニなどの甲殻類、コウイカ、ヤリイカ、カサゴ、アンコウ、ヒメジ、エイ、ホシザメ、マトウダ、シタビラメなど。これらを同じ大きさに切る。 ・玉ねぎをオリーブオイルとトマトペースト少々でソッフリットにし、魚、水、ビネガー、塩、こしょうを加える。 ・魚の身が骨から簡単にはがれるようになるまで煮る(15~30分)。 ・パーネ・トスカーノなど塩気のないパンを添える。 ・数時間置いてから食べてもよい。 |
アンコーナ風ブロデット Brodetto all'Anconitana
| ・13種類の魚を入れると言われている。メルルーサ、ホシザメ、エイ、コウイカ、タコ、カサゴ、ヒメジ、サバ、ボラ、マトウダイ、ホウボウ、ヒラメ、アンコウ、シャコ、ムール貝、アサリ、ヤリイカ、スカンピなど。 ・陶器の鍋に玉ねぎとにんにくのみじん切りを入れてオリーブオイルでソッフリットにし、ビネガー1/2カップ、プレッツェーモロのみじん切り、トマトソースを加える。 ・魚を硬いものから入れて煮る。 |
ポルト・レカナーティ風ブロデット Brodetto di Porto Recanati
| ・玉ねぎの薄切りをたっぷりのオリーブオイルでソッフリットにし、小さく切ったコウイカを入れて弱火でなじませる。 ・魚のブロード、サフラン、塩、こしょうを加えて弱火で煮る。 ・魚各種に小麦粉をつけ、別の大鍋に硬いものから入れる。イカも入れる。 ・イカの煮汁を全部かけ、湯と白ワイン同量ずつ、塩、こしょうを加えて15~18分煮る。この間はかき混ぜない。必要なら魚を崩さないように時々鍋をゆする。 ・トーストしたパンを皿に敷き、その上に魚を盛り付けて煮汁をかける。 ・ピアット・ウニコとしてサービスする。ワインは白だけでなく、若い赤やフレッシュなロゼも合う。 |
サン・ベネデット風ブロデット Brodetto di San Benedetto
| ・玉ねぎと唐辛子1片をオリーブオイルでソッフリットにし、コウイカ、ヤリイカ、白ワインを入れる。 ・粗く切ったグリーントマト、緑のピーマン、赤ピーマンを加える。 ・ホシザメ、アンコウ、カサゴ、エイ、ホウボウ、シャコなどを加え、蓋をせずに弱火で煮る。 ・煮上がる数分前にビネガーを加える。 ・トーストしたパンを添える。 |

バーリの市場の岩場の魚あれこれ, photo by tazebao

こちらはシチリアの市場の魚あれこれ。ヒメジしか分からない・・・, photo by Giovanni

ホウボウ, photo by Astrid Walter

サン・ベネデットの港, photo by Peter Forster

サン・ベネデットの港に入る漁船, photo by Peter Forster

ポルト・レカナーティの海にかかった虹, photo by Tizi
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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年8月号(クレアパッソで販売中)
“ペーザロ;ロッシーニの生まれ故郷”の日本語訳は、「総合解説」'06&'07年8月号、P.2に載っています。
ちなみに、同じ月の『サーレ&ペペ』にはアブルッツォ風ブロデットのリチェッタが載っています。日本語訳は「総合解説」'06&'07年8月号、P.7にあります。
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2008年9月8日月曜日
ロッシーニの生まれ故郷、ペーザロ
ロッシーニとペーザロ、今日はペーザロの話。
ペーザロは、マルケ州の町
ペーザロは、マルケの中では州都アンコーナに次いで大きな町。
ここ数年発展が続いている景気の良い町なんだそうです。
目の前は砂浜が続くアドリア海。
南北は丘に囲まれていて、一年中温暖な気候。
ペーザロを紹介する動画。
3:30あたりからロッシーニの話も出てきます。
ロッシーニの生家はパラッツォ・ドゥカーレのそばにあって、現在、ロッシーニ博物館になっています。
カーザ・ロッシーニ
www.kontrotempo.it
ロッシーニは、ペーザロが生んだ一番の有名人。
毎年8月に2週間にわたって行われるロッシーニ・オペラ・フェスティバルも有名。
今年は8月9日から23日まで開催されました。
会場になったテアトロ・ロッシーニ
www.teatrorossini.it
このフェスティバル、初の海外公演として、今年の11月に日本にやってくるようですね。
その関連サイトで、ロッシーニ・オペラ・フェスティバルのことを解説しています。
ペーザロのことまで、ちゃとん書いてありますねえ。
↓
www.tbs.co.jp/event/rossini2008
ペーザロの料理で有名なものと言えば、ブロデット。
ズッパ・ディ・ペッシェのアドリア海での呼び方が“ブロデット”, photo by lucadea
隣町のファーノでは、毎年9月に、ブロデットとズッパ・ディ・ペッシェ・フェスティバルも開催されます。
hpはこちら
www.festivalbrodetto.it
今年は、9月12日から10月12日まで、町の魚屋さんで、ブロデット用のセット1人前約400gを6ユーロで販売するそうです。
レストランでは、ブロデットが1人前15ユーロに。
バールやパブでは、魚のつまみが5ユーロ。
メインイベントは、19日から21日まで。
イタリア各地のレストランが出店するので、イタリア中のズッパ・ディ・ペッシェを味わうことができるみたいですよ。
フェスティバルの動画
↓
festivalbrodetto.it
もう一つ、『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事では、ピアディーナもペーザロの名物として紹介しています。
ソーセージのピアディーナ, photo by ♥♡ Kiki Hood ♡♥
ロマーニャ地方のものとはちょっと違って、ラードを塗りながら折り込むペーザロのピアディーナ。
地元の人が、おいしい店としてブログで紹介しているのが、da Terry。
地元の人はla Untaと呼んでいるそうです。
Baia Flaminiaのvia Bruxellesにあります。
マルケには、ブロデット・アカデミー協会というのがあって、ブロデットの普及に取り組んでいます。
hpはこちら
www.todine.net/accademiadelbrodetto
協会によると、ブロデットのリチェッタは漁師さんの数だけあるけれど、大きく4つに分類することができるんだそうです。
北から並べると、
ファーノのブロデット
アンコーナのブロデット
ポルト・レカナーティのブロデット
サン・ベネデットのブロデット
それぞれどんなブロデットなのか、リチェッタもあるので、次回はその内容を訳してみます。
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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年8月号(クレアパッソで販売中)
“ペーザロ;ロッシーニの生まれ故郷”の日本語訳は、「総合解説」'06&'07年8月号、P.2に載っています。
翻訳アルバイト募集中。
詳しくはcreapasso.comをご覧ください。
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2008年9月5日金曜日
ロッシーニと料理
ロッシーニの話、今日は料理編。
若くして成功して、早々にオペラから手を引いたロッシーニですが、美食に関しては、生涯現役でした。
子供の頃からの食いしん坊。
でも、父親が仕事を失うなど、おそらく贅沢ができない幼少時代を過ごした反動だったでしょうか。
リッチになってからは、イタリア各地の銘品を次々に取り寄せたり、天才シェフ、アントナン・カレームと親交を深めるなど、美食道を徹底的に極めました。
「自分はピアニストとしては三流だが、美食家としては世界一」と言ったという話も残っています。
また、なにかと伝説の多い人で、生涯に3回泣いた、と告白した話も知られています。
その3回とは、初めて作ったオペラの初演の時、パガニーニの演奏を聴いた時、そして船遊び中に、トリュフを詰めた七面鳥を海に落としてしまった時。
こんな話もあります。
アントナン・カレームの主人、ロスチャイルド男爵がロッシーニにぶどうを贈ったことがありました。
ところがロッシーニは、「素晴らしいぶどうをありがとうございます。でも実は私、カプセルに入ったワインは苦手なんです」という手紙を男爵に書いたんですねー。
ジョークを理解した男爵は、最高のシャトー・ラフィットを樽で贈ったのだそうです。
こんな奔放で豪快な性格のロッシーニ。
引退後、パリの自宅は人気のサロンとなり、毎週土曜には、料理と音楽を楽しむために、様々な人が訪れました。
でも、社交界は派閥や噂の渦巻く世界。
実は、彼のサロンの料理は最低だったと、いう話もあるんですよー。
料理するロッシーニのカリカチュア
palazzo-olivia.it
ロッシーニと言えば、フォアグラとトリュフ。
敬愛するモーツァルトの名を出して、「トリュフはきのこのモーツァルトだ!」という名言を残していることからも分かる通り、フォアグラとトリュフが大好きでした。
彼の代表作、トゥルヌド・ロッシーニも、ヒレの中心部を切り取った厚さ2~3㎝の牛肉、フォアグラ、トリュフが主役。
トゥルヌドという名前の由来は、フランス語で「背を向ける」という意味の“tournez le dos”、が語源という説が一番有名。
パリのカフェ・ド・アングレのシェフがロッシーニのレシピでこの料理を作る時に、厨房に入ってきたロッシーニがあまりに口を出すものだから、「あっちを向いていてください!」と言ったから、という説がよく知られています。
この他に、ロッシーニが料理を仕上げる時に、招待客に背を向けて隠していたから、という説もありますよね。
でもそうすると、フォアグラもトリュフものせない、ヒレ肉の中央部分の筒切りのことを“トゥルヌド”と呼んで、フォアグラとトリュフをのせると“トゥルヌド・ロッシーニ”と呼んでいる現状は、説明がつかないような・・・。
ロッシーニとはまったく関係なく、レ・アールの市場の、中央通りから背を向けていた一角の名前、という説もあるし・・・。
まあ、トゥルヌドの話はフランス人に任せます。
こちらは、フランス人のシェフが、なにやらトゥルヌド料理を作っている動画。
この料理、ラタトゥイユを崩さないようにテーブルにのせるのは至難の業に違いない!
ロッシーニと言えば、落とし卵のロッシーニ風も有名。
これも例のごとく、フォアグラの上に落とし卵とトリュフをのせたもの。
写真を探したのですが、見つからなかった。
贅沢すぎて作る人がいない?
さて次回は、こんなロッシーニの生まれ故郷、ペーザロの話です。
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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年8月号(クレアパッソで販売中)
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2008年9月3日水曜日
ロッシーニ、その1
今日からは、『ラ・クチーナ・イタリアーナ』のグルメ紀行、“ペーザロ;ロッシーニの生まれ故郷”の解説です。
「総合解説」より、“ペーザロ;ロッシーニの生まれ故郷”
まずは、ロッシーニの話。
この人、当然、音楽の世界では誰もが知っている有名人ですが、西洋料理の世界でも、なかなかの有名人。
料理に携わる人なら、ロッシーニのオペラは聞いたことがなくても、彼の名前の付いたあのステーキなら、知ってますよね。
トゥルヌド・ロッシーニ, photo by YAMASHITAS
この超ゴージャスなトゥルヌド・ロッシーニは、いわゆるインターナショナル料理ですが、イタリア料理で人の名前がついているものって、何かあるでしょうか。
私は、カルパッチョとノルマ風パスタぐらいしか思いつかないんですが・・・。
自分の名前が料理の名前になってしまうなんて、すごいですよねえ。
ロッシーニって、いったいどんな人なんでしょう。
ジョアキーノ・ロッシーニ
1792年、マルケ州の海辺の町、ペーザロ生まれ。
幼少期は、ナポレオンがイタリアを次々と手中に収めていった時代です。
ロッシーニの父親は親ナポレオン派で、占領フランス政府の通達文を、文字が読めない人々のために、市中で読み聞かせて告知する仕事をしていました。
その際、人を集めるために、まずラッパを吹いたのだそうです。
町のオーケストラにも属していました。
母親は歌手でした。
ナポレオン没落後、反ナポレオン派が実権を握ったペーザロでは、ロッシーニの父親は仕事ができなくなってしまいます。
そのため、ロッシーニはまだ幼いうちに母に連れられて町を出て、ラヴェンナ、フェッラーラ、ボローニャなどを転々とします。
ペーザロとロッシーニの関係は、人生の始まりの部分だけだったんですね。
ロッシーニはボローニャの音楽学校で学びました。
18歳で既にオペラを発表して、しかも大成功を収めています。
20歳の時にはもう、ヨーロッパの偉大なオペラ作家としての名声を手に入れていました。
24歳で、代表作、「セビリアの理髪師」を発表。
1823年、彼はイタリアを後にします。
そして、ウイーンやロンドンを経て、パリに移り住みました。
1829年、「ウィリアム・テル」を発表。
ロッシーニ36歳。
これが彼の最後のオペラとなりました。
もう十分稼いだし、やることはやった、というわけです。
その後、1868年に76歳で亡くなるまでの40年間、フィレンツェやパリの豪邸で、友人たちに囲まれて過ごしました。
トゥルヌド・ロッシーニが誕生したのはパリ時代のこと。
彼の遺体は、フィレンツェのサンタ・クローチェ教会に眠っています。
遺産は、生誕地のペーザロ市に寄付されました。
オペラのことはまったく知らない私でも、「フィ~ガロ、フィガロ、フィガロ♪」のアリアは聞いたことがあります。
『セビリアの理髪師』から、その一節。
『ウィリアム・テル』のこの序曲も、よく耳にしますよね。
カラヤンでどうぞ。
ロッシーニの話、次回に続きます。
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2008年9月1日月曜日
トマトの話、その4(コンセルヴァ)
トマトの話、その4です。
クレアパッソの定期購読をご利用の方には、もうすぐ今月の配本号がお手元に届きますが、その「総合解説」にも、トマトの記事の訳を載せています。
『サーレ&ペペ』の「トマトのコンセルヴァ」という記事です。
「総合解説」“トマトのコンセルヴァ”より
生のトマトで作るびん詰めのリチェッタ集です。
ペリーニ、ラマーティ、サン・マルツァーノなど、これまで紹介したさまざまな品種それぞれに適したびん詰めを、たっぷり紹介しています。
その中で1つ、まだ紹介していない品種がありました。
ピッツテッリ pizzutelli というトマトです。
こんなトマト
↓
www.agraria.org
ミニトマトの一種です。
チェリートマトは球形でダッテリーニは楕円形ですが、このピッツテッリは卵形。
ミニトマトの中では一番サルサやびん詰に適している品種。
それにしても、トマトのびん詰って、トマトソースやパッサータぐらいしか思い浮かばなかったけれど、色んな種類があるものですねえ。
記事には、チェリートマトの酢漬けやレモン漬け、なんていうのもあります。
ありそうであまり見たことのない、手作りホールトマトのびん詰めのリチェッタもあります。
下の動画は、香味野菜入りトマトソースのびん詰め作り
まずサン・マルツァーノを天日に数日さらして完熟させます。
これを、玉ねぎ、にんじん、セロリ少々と一緒に数時間煮て、冷めたらトマト専用の裏漉し機に通しながら皮を取り除きます。
再び煮て2~4時間煮詰めたら、バジリコと一緒にびんに入れて2時間煮沸殺菌。
トマトの話、今回はここまで。
次回は、ロッシーニの生まれ故郷、ペーザロの話です。
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“トマトのコンセルヴァ”の日本語訳は、「総合解説」'06&'07年8月号、P.21に載っています。
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