イタリア料理ほんやく三昧: 7月 2008

2008年7月31日木曜日

レッコのフォカッチャ

今日は、レッコのフォカッチャ focaccia di Recco の話。
『サーレ&ペペ』の記事の解説です。


15 La meraviglia viene tagliata
レッコのフォカッチャは薄~いチーズフォカッチャ, photo by Paolo Costa


17 Delizia
チーズは“とろ~り”よりもっと溶けている, photo by Paolo Costa


レッコはジェノバの東にあるリグーリアの町。


レッコ


ロンバルディアにもレッコという町がありますが、ロンバルディアのほうはLeccoで、リグーリアのレッコはRecco。
リヴィエラ・ディ・レヴァンテ地方の、海辺の美しい町です。


Recco
レッコ, photo by Massimo Bottelli


レッコのフォカッチャは、この町一番の名物。
観光客も、レッコに行ってレッコのフォカッチャを食べない人はいない!
Panificio Moltedo(2/4 Via XX Settembre)やPanificio Tossini(www.tossini.it)あたりが有名。

材料は、小麦粉、フレッシュチーズ、オリーブオイルととてもシンプルですが、作るには、経験が必要。





この人の場合、チーズは牛乳に浸したクレシェンツァを使っていますね。
伝統的には、プレッシンソア、またはクアッリアータと呼ばれるものを使います。
これの作り方は、まず、牛乳2リットルを48時間休ませます。
このうち500ccを40~50度に熱し、レンネット5gを加えてよく溶かします。
これを残りの牛乳に加えて4時間置けば、できあがり。
チーズと違って、かなり手軽にできます。

レッコのフォカッチャにはこんな言い伝えがあります。
その昔、レッコは海からサラセン人の襲撃を受けました。
人々は慌てて内陸に逃げました。
持ってきた食料は、小麦粉、油、塩だけ。
これらの材料に、山の山羊の乳から作ったチーズを加えて作ったのが、レッコのフォカッチャの始まりでした・・・。

牛乳を固めただけのチーズと小麦粉の生地の、シンプルで素朴なこのフォカッチャ、その時からずっと同じリチェッタで作られているそうです。



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関連誌;『サーレ&ペペ』2006年7月号(クレアパッソで販売中)
“レッコのフォカッチャ”のリチェッタは、「総合解説」'06&'07年7月号、P.12に載っています。


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2008年7月30日水曜日

ファゾラーリ

昨日に続いて、イタリアの貝の話です。

今日はファゾラーリ fasolari 。

『ア・ターヴォラ』の記事の解説です。


Fasolari
ファゾラーリのリングイーネ, photo by Gia D. Parsons


様々な色があるアサリと違って、ファゾラーリの殻は、茶色地のチェックのような模様。
身の特徴は、オレンジ色の足

ファゾラーリの学名は、Callista chione 。
和名は、ヨーロッパワスレガイ、というらしいです。
マルスダレガイ科で、ハマグリやアサリの仲間。
長さは5~10cmで、アサリより大型。
海岸から8~10海里離れた、深さ12m以上の海底にいます。

採取が許可されているのは、フリウリからヴェネチアにかけてのアドリア海北部。
約60隻の船と150人の漁師さんがファゾラーリ漁に従事しているそうです。

ファゾラーリは、生で食べたり、パスタやグラティナートなどにするのが一般的。
でも、ビックリするのがこの光景。
 ↓
www.pubblicitaitalia.com

大きなものは、そのままだと硬いので、オレンジの足の部分を肉叩きで叩いて、柔らかくするんだそうです。
いったいどれだけ硬いんでしょうねえ。
それに、叩いてどれくらい柔らかくするのか、気になるなあ。
イタリア人が好む貝の硬さはとは、どの程度のものなのか・・・。


有名シェフの中にも、ファゾラーリがお気に入りの人がいます。
北アドリア海の漁師さんたちが推薦しているのは、パオロ・テヴェリーニ氏。
バーニョ・ディ・ロマーニャ(エミリア・ロマーニャ)の、ホテル&エステ付き高級リストランテ、パオロ・テヴェリーニのシェフです。
hpはこちら
www.paoloteverini.it

シェフのオリジナルのファゾラーリ料理の1つがこれ。
www.mangiarebene.com

ファゾラーリとアスパラジ・ディ・マーレのペンノーニ。
材料は、ファゾラーリ、アスパラジ・ディ・マーレ、パスタ、トマト、にんにく、オリーブオイルというシンプルなもの。
貝はナイフで殻から出したら刻んでしまいます。
これをトマトの小角切り、ゆでたアスパラジ・ディ・マーレ、貝の汁と一緒に、オリーブオイルとにんにくのソッフリットに入れてさっと煮る、というもの。
ちなみに、アスパラジ・ディ・マーレは海岸に生える草で、英名はシーアスパラガス、和名はアッケシソウ。


この人が、パオロ・テヴェリーニさん。
料理を説明していますが、ファゾラーリは使っていません。





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関連誌;『ア・ターヴォラ』2006年7月号(クレアパッソで販売中)
“ファゾラーリ”のリチェッタは、「総合解説」'06&'07年7月号、P.9に載っています。


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2008年7月29日火曜日

ヴォンゴレ・ヴェラーチ

今日はアサリの話。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事、“アルゼッレ”の解説です。

アルゼッレ arselle とは、アサリの別名。
記事で取り上げているのは、“マルチェッディのアルゼッレ”というブランドの、サルデーニャのアサリ。
マルチェッディは、アルボレーアという潟の端にある地区で、サルデーニャの西側、オリスターノ県にあります。


Marceddì


イタリア語でアサリは“ヴォンゴレ”ですが、細かく言うと、ただ“ヴォンゴレ”と呼ぶ場合と、“ヴォンゴレ・ヴェラーチ vongole veraci ”と呼ぶ場合があります。
たとえば、マルチェッディのアルゼッレは、ヴォンゴレ・ヴェラーチです。
そしてこの写真のスパゲッティ、タイトルは、「ヴォンゴレ・ヴェラーチのスパゲッティ」。


Spaghetti alle vongole veraci
ヴォンゴレ・ヴェラーチのスパゲッティ, photo by Raphaela


ヴォンゴレ・ヴェラーチって、なんでしょう。

答えは、簡単に言ってしまえば、国産アサリのこと。

ヴォンゴレ・ヴェラーチの学名は、Tapes decussatus 。
日本語だと、ヨーロッパアサリと言うようです。

イタリアでは、この国産アサリと、輸入アサリの2種類が流通しています。
輸入アサリの方は、別名、ヴォンゴレ・フィリッピーネ。
学名は、Tapes(Venerupis)philippinarum 。
日本での、いわゆるアサリ。
日本からフィリピンにかけて生息する種類のアサリだそうです。


かつてイタリアでは、アサリの大部分が北アフリカやトルコ、ギリシャからの輸入物でした。
それが、1983年にこのフィリッピーネの養殖を導入したことによって、国内のアサリの生産量が飛躍的に増えたんだそうです。

そんな功績のあるヴォンゴレ・フィリッピーネですが、イタリアでは、おいしいアサリと言えばヴォンゴレ・ヴェラーチ、というのが大方の意見。
だから、ヴォンゴレとヴォンゴレ・ヴェラーチという、2種類の名前が広まったわけですね。

ヴェラーチとフィリッピーネを見分けるポイントは、殻の色と水管の状態です。
まず、殻の色が濃いのがヴェラーチ。
そして、おもしろいのが水管。

ヴェラーチは、水管が根元から2つに分かれているんです。
なかなか衝撃的な姿。
www.sorrentoradio.com

日本のアサリは、こんな風。
mirabeau.cool.ne.jp

イタリアで活アサリを見たら、水管を要チェックですね。



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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年7月号
“アルゼッレ”の記事の訳は「総合解説」'06&'07年7月号、P.7に載っています。


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2008年7月28日月曜日

トレミティ諸島

本日、7月号を発送しました。

というわけで、さっそく7月号の記事から。

『ラ・クチーナ・イタリアーナ』のグルメ紀行、今回は、トレミティ諸島です。

イタリアにもいろんな島がありますねえ。
トレミティ諸島は、プーリア北部の、アドリア海に浮かぶ小さな5つの島。
5つのうち3つは無人島です。
ガルガーノ国立公園の一部で、人口はわずか420人ですが、プーリアの主要な観光地の一つ。





この島に行くには、長靴形のイタリアの拍車の部分、ガルガーノ半島の、ヴィエステかマンフレドーニアから船に乗ります。
または、モリーゼ州のテルモリ、アブルッツォ州のヴァストやオルトーナなどからも船が出ています。
車は禁止ですが、飛行場もあるのでフォッジャからヘリで行くこともできます。
まあ、いずれにせよ簡単には行けないようなので、写真でも見て行った気分に浸りますか。


Foto aerea: Isole Tremiti
photo by Luigi Bagatella


tremiti 079
photo by michele paolino


Tremiti 2003
photo by Marco Mastropaolo


Tremiti 2003
photo by Marco Mastropaolo


Marco alle Tremiti
photo by Alessio Milan


Caraibi?
photo by Roberto Ferrari


記事で、「春になるとスミレが咲き乱れて海がスミレ色に染まる」と紹介している「スミレの洞窟」(紫の洞窟)はこれ。
www.panoramio.com

スミレ色の写真を探してみたけど、かろうじてスミレ色に見えるのは、この1枚だけ。
滅多に見れない光景なのかも。
www.isole-tremiti.net

どの島もケッパーがそこら中に生えているそうなので、行ったら探してみるのも一興。
ちなみに、ケッパーの花が咲き出すのは5~6月。


今日のおまけ。
海といえば、恒例の岩場からの飛び込み映像。
トレミティ諸島のベスト飛び込み賞は、この人!





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2008年7月25日金曜日

ヨーロッパウナギ

きのうは土用の丑の日。
ウナギ、食べましたか?
ニュースでも一日中、国産ウナギの品不足と価格高騰の話をしてましたねえ。
スーパーにはなぜか国産品と表示されているものしかなくて、大量に輸入されているはずの中国産ウナギは、いったいどこにいってしまったんでしょうか。

日本に生息しているウナギは、Anguilla japonica という学名のもの。
別名、ニホンウナギ。
産卵場所は、グアム沖。
イタリアのウナギは、 Anguilla anguilla 。
ヨーロッパウナギと呼ばれる品種で、産卵場所は大西洋。


anguille (eels)
イタリア語ではアングイッラ anguilla , photo by Stefano Mortellaro


ヨーロッパのウナギ料理は、調理方法や嗜好の違いからか、脂がギトギトで、どうもいまいち。
やっぱりウナギは日本だなあ、なんて思っていたら、そう単純な話でもないようです。

このヨーロッパウナギ、日本にも輸入されているんですねえ。

しかも複雑なことに、ヨーロッパウナギの稚魚が中国に輸出されて、そこで中国産ウナギとして育って日本にやってくる場合も少なくないとか。

ウナギは生態が完全に解明されておらず、卵から孵化させることができない、ということが大きな要因なんでしょうか。

私たちが食べているウナギはすべて、どこかの海で生まれたもの。
その天然の稚魚を捕まえて、養殖するわけですよね。
だから、稚魚が売買される。
ヨーロッパウナギの稚魚はニホンウナギの稚魚より安い。
ということは・・・。

ヨーロッパウナギの養殖は、日本でも試みられたのですが、ウナギが日本の環境になじまず、普及しなかったそうです。
でも、中国ではうまく行ったんですね。
という訳で、現在中国から輸入されているウナギの1~3割はヨーロッパウナギだろうと農林水産大臣が言っていました。
蒲焼の形で輸入されるものは別にして。

しかも、ヨーロッパウナギとニホンウナギは、見た目で区別するのが難しいんだそうです。
ということは、日本の私たちがヨーロッパウナギを食べている可能性、かなり高いですねえ。
ヨーロッパのウナギは大味で、なんて単純には言えないなあ。


イタリアでウナギの町として知られているのは、大きな潟に挟まれた町、コマッキオ(エミリア・ロマーニャ)。
ウナギ祭りも開催されています。
今年は10月4、5、11、12日。

この動画は祭りの様子。





コマッキオのウナギ祭りの風景。
開いて塩焼き
メニューに“ウナギのパスタ”が・・・


日本では土用の丑の日に食べるウナギも、イタリアではクリスマスの時期の名物料理。
その時食べるのは、巨大に成長した雌のウナギ、カピトーネ capitone 。


l'arte... do capitone
おっとっと, photo by Angelo Ferrillo


capitone
カピトーネのフリット, photo by Maria



参考にしたサイト
http://www.irago.co.jp/documents/foreign_eel.html (株)いらご研究所-日本の川にヨーロッパウナギがいる?
http://www.irago.co.jp/documents/MANDAN3.HTM (株)いらご研究所-鰻談放談-3
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/200/3545.html NHK解説委員室ブログ


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2008年7月24日木曜日

いんげん豆のフィアスコ煮

白いんげんのカンネッリーニを使ったトスカーナ料理の続きです。
今日は、ある特殊な道具を使う白いんげん料理の話。

その道具とは、これ。


fiasco di chianti // monteriggioni
こもかぶりのキアンティワイン, photo by giulio nepi


ワインを使うんじゃないですよー。
使うのは、このびんです。

このびんの名前は、“フィアスコ”。
そして料理の名前は、「いんげん豆のフィアスコ煮」、ファジョーリ・アル・フィアスコ fagioli al fiasco 。

こもかぶりのキアンティは、最近では滅多に見かけないですよねー。
このびんがない時は、フラスコっていうんでしたっけ、あれを使います。
できれば底が丸いタイプの方がいいようですが、三角フラスコでこの料理を作った写真を見たこともあります。


Flasks 3
フラスコ, photo by Joseph Pitz


こちらのブログで、いんげん豆のフィアスコ煮の作り方を紹介しています。
dueincucina.blogspot.com

この人、この料理を作るために、わざわざこもかぶりのキアンティを買ったんだそうです。
昔はトスカーナのどの家にもこのキアンティがあったのでしょうが、今では最大の難問が、このフィアスコを手に入れることかも。

この人のリチェッタは、
●乾燥カンネッリーニ300g(一晩水に漬ける)、塩、こしょう、セージ10枚、にんにく1片をフィアスコ(藁は取る)に入れる。
●上質のオリーブオイルと水を1対2の割合で入れて豆を覆い、口にコットンを詰める。
●45度傾けて暖炉の炭の上に置き、3時間煮る。

すごくおいしかったそうですよ。
フィアスコは口まで満たさずに、空間を空けるようにします。
塩は、煮上がる間際や、出来上がってから加えるリチェッタもよくあります。
時間をかけてゆっくり煮るのがポイント。
暖炉のおき火の有効利用ってわけですね。

こちらのサイトも写真つき
enogastronomia.blog.dada.net
www.casaemma.com

料理の付け合わせにするとこんな感じ
www.flickr.com

フィアスコと暖炉がなくても、実験用のフラスコを使って、コンロで作ることもできますよー。
その場合、一緒にコルク栓とガラス管も用意し、コルクに管を通して蒸気穴にします。
本格的な実験みたいですねえ。

あれ、これなんか、ぴったりかも。
www.iichiko.co.jp

いいちこフラスコボトルっていうんですか。
2000年グッドデザイン大賞、2000年ジャパンパッケージコンペティショングランプリ、2001年日本パッケージデザイン大賞グランプリ受賞とは、素晴らしい。

「いんげん豆のいいちこフラスコ煮」かあ。
なにやら居酒屋の一品のような響きがするけど・・・。


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2008年7月23日水曜日

白いんげん、カンネッリーニ

白いんげんの小鳥風の話の続きです。

このトスカーナの豆料理は、アルトゥージの本にも載っています。


小鳥料理風いんげん豆 FAGIUOLI A GUISA D'UCCELLINI

フィレンツェのトラットリーアで、“いんげん豆の小鳥風”と呼んでいる料理です。
さやから出したいんげん豆を、まずゆでて水気を切ります。
浅鍋に油とセージ数枚を入れて火にかけ、油が熱くなったら豆を入れます。
塩、こしょうをし、鍋を揺すりながらソッフリットにしたら、シンプルなトマトソース少々をかけてなじませます。
乾燥豆の場合も、皮が薄い豆なら同様に調理できます。
この豆料理は、ゆで肉のコントルノにも向いていますよ。



この料理に使う豆は、カンネッリーニ cannellini 。


cannellini beans
カンネッリーニ, photo by Emilie Hardman


イタリアでいんげん豆と言えば、うずら豆のボルロッティと、小粒の白いんげんのカンネッリーニが代表的。


Borlotti Firetongue
ボルロッティ, photo by Ilja Klutman


イタリア語では、いんげん豆のことをファジョーリ fagioli と言いますよね。
フランス語では、アリコ haricots 。
全然違いますねえ。
なんと、このフランス語の“アリコ”というのは、メキシコのアステカ族の言葉が語源なんだそうです。
そう言えば、いんげん豆は新大陸からヨーロッパに伝わった食材でした。
モンテズマ朝では、いんげん豆のことを“アヤコトル ayacotl ”と呼んでいて、それがフランスでアリコになったとか。
 
では、“ファジョーリ”は何が語源かと言うと、ラテン語の“ファセオルス phaseolus ”なんだそうです。
ヨーロッパにも、古代ローマ時代から知られている豆がありました。
アフリカから伝わったささげの一種で、ファジョーリ・デル・オッキオ(黒目豆)と呼ばれています。
イタリア語のファジョーリは、元々はこの豆のことでした。
ところが、スペイン人がメキシコからいんげん豆を持ち帰ると、いんげん豆にすっかり勢力を奪われて、今や二軍落ちの身。


legumi
中央部分が黒い大豆のような豆がファジョーリ・デル・オッキオ, photo by Sara


ちなみに、黒目豆は、英語ではブラック・アイド・ピーズ(またはビーンズ)。
どこかで聞いたことあるような・・・


つまり、フランス語のアリコはアメリカ大陸から伝わった言葉で、イタリア語のファジョーリは、古代ローマから伝わった言葉だったんですねー。

アメリカ大陸から伝わったいんげん豆は、各地の気候風土に合うように改良され、今ではヨーロッパには約500種類のいんげん豆があるそうです。
カンネッリーニも、その中の一つ。
トスカーナを中心とするイタリア中部で改良されて、全国に広まりました。


アティーナ(ラツィオ)のカンネッリーニ





トスカーナには、白いんげんを使った名物料理が他にもありますよね。
次はその話です。


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2008年7月22日火曜日

白いんげんの小鳥風

『サーレ&ペペ』に、白いんげんの小鳥風のリチェッタがあったので、今日はその話でも。


Beans
白いんげんの小鳥風, photo by Aldo Frullini


この豆料理は、トスカーナ、特にフィレンツェの伝統料理。
そして、この料理の名前を聞いた誰もが思うのが、「なぜ小鳥風?」


イタリアには、「小鳥」と名のつく有名な料理が、少なくとも3つありますよね。
1つは、ポレンタ・エ・オゼイ polenta e osei。


polenta e osei
これはドルチェ版ポレンタ・エ・オゼイ, photo by mulaohu


オゼイとは、ロンバルディアやヴェネトの方言で、小鳥と言う意味。
本物の小鳥をローストしてポレンタにのせたポレンタ・エ・オゼイはこれ。
www.brembana.info


もう1つは、ウッチェッリ・スカッパーティ uccelli scappati 。
www.ricettemania.com
「逃げた小鳥」という意味の名前で、小鳥の代わりに豚肉や子牛肉を小鳥に見立てた料理。


そして3つめが、この白いんげんの小鳥風 cannellini all'uccelletto 。
いんげん豆の小鳥風 fagioli all'uccelletto とも言いますよね。

こちらはサルシッチャ入り白いんげんの小鳥風。
www.cookaround.com

さーて、この豆料理が、どうして小鳥風なんでしょうか。

小鳥のようだから?
真っ先に頭に浮かぶのがこの説だけど、白いんげんを小鳥のようだ!と言い切るのには、無理がある。

では、なぜ小鳥か。
この疑問は、この料理を食べた人みんなが抱くことですが、中でも、フィレンツェの人たちは子供のころからこの料理を食べている訳で、すでに幼少時に一度は、なぜ小鳥?と思っているんですねー。
そんな時、お母さんが何と教えてくれるか。
その内容によっては、この料理に対する思い出は、ずいぶん楽しいものになるようです。

ある人が、ブログに書いていました。


子供の頃、ご多分にもれず、私も豆は嫌いだった。
そんな私に祖母が作ったのが、いんげん豆の小鳥風だ。
子供の私は、これもご多分にもれず、好奇心から祖母にきいた。
「なんで小鳥風って言うの?」
「実はね、おばあちゃんが、豆にちょっと魔法をかけたんだよ。
ジャックと豆の木ってお話、知ってるでしょ。
豆には魔法の力があるんだよー」
「えー、おばあちゃん、どんな魔法をかけたの?」
「それはね・・・、空を飛べるようになる魔法だよ」
「食べたら空を飛べるの?!」
「そうだよー。
でも、飛ぶには、おじいちゃんみたいにたくさん食べないといけないんだよ」
「うそだあ」
「じゃあ、おばあちゃんが食べて見せようか。
ほーら、ほら。
まあ一口だけじゃ量が少ないから、高くは飛べないけどね」


このおばあちゃんの策略は見事に成功したようです。
なにしろ孫はその後、ブログで白いんげんの小鳥風のリチェッタを、世界に公開するまでになったんですからねえ。
そのブログはこちら。
diariodicucina.myblog.it


白いんげんの小鳥風は、食べると飛べるようになる料理だった。
かわいいですねえ。
でも、一般的に言われているのは、こんなに面白くないごーく普通の説。

小鳥料理とよく似た調理方法だから、小鳥風。

小鳥風の話、明日に続きます。


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関連誌;『サーレ&ペペ』2006年6月号(クレアパッソで販売中)
“白いんげんの小鳥風”のリチェッタは、「リチェッタ日本語訳/サーレ&ペペ」P.9に載っています。


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2008年7月18日金曜日

リグーリアのパスタ

今日はリグーリアのパスタの話。

『サーレ&ペペ』6月号で、ボルディゲーラ(インペリア)のラ・ヴィア・ロマーナというレストランのシェフ、ピーノ・フランゼーさんが、パンソッティのリチェッタを紹介していました。

店のホームページはこちら
www.laviaromana.it

パンソッティ Pansotti とは、リグーリアの詰め物入りパスタ。

こんなパスタ
www.flickr.com

“パンソッティ”という名前は、「太鼓腹」という意味の“パンチュート”が語源。
詰め物の定番は、リグーリアの野草のミックスの“プレボッジョン preboggion ”と、“プレッシンスア prescinseua ”と呼ばれるカード(凝乳)。
どちらも手に入りにくい素材なので、ボッラジネ(ボリジ)とリコッタなどで代用するのが一般的。
サルサは、くるみのサルサが定番。
形はさまざまありますが、三角形のものが有名。

作り方の写真
www.prezzemoloefinocchio.it


リグーリアには、いろんなパスタがありますねえ。


●トレネッテ trenette

Trenette con le vongole
アサリのトレネッテ, photo by Paolo Piscolla


トレネッテとじゃがいもを少量の湯でゆでるという、ちょっと変わった作り方のペーストのトレネッテ





●トロフィーエ trofie

Pesto, Green Beans, Potatoes, Pasta
さやいんげんとじゃがいものトロフィーエ, photo by Su-Lin


トロフィーエの作り方





●コルゼッティ corzetti

www.flickr.com


元々は、貴族の紋章を押していました。





●テスタローリ testaroli

www.veganblog.it


テストでテスタローリを焼く






どのパスタも、ペースト・ジェノヴェーゼと相性がバッチリ。

Pasta al pesto
ペースト・ジェノヴェーゼのスパゲッティ, photo by lucadea


ジェノヴァのパラーティフィーニ協会という団体が、ペースト・ジェノヴェーゼ選手権というのを開催しています。
2008年の優勝者は、カリフォルニアの韓国系アメリカ人、James D. Bowienさんでした。

優勝者はアメリカ人、と伝えるニュース
www.primocanale.it



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関連誌;『サーレ&ペペ』2006年6月号
“ピーノ・フランゼーシェフ”のリチェッタは、「総合解説」'06&'07年6月号、P.22に載っています。


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2008年7月17日木曜日

テレビでサッカー観戦するイタリア人

『ラ・クチーナ・イタリアーナ』6月号に、“テレビを見ながらつまむ料理”、という特集があります。
ふーん、ソファーでくつろぎながら、映画でも観るっていう設定かな、なんて思ったら、違いました。

「テレビでサッカー観戦しながらつまむ料理」、でした。

言われてみれば、当然だ。
これはイタリアの雑誌だもんね。
しかも、2006年の6月号なので、あの、ワールドカップ、ドイツ大会の真っ最中。
イタリア中が、テレビの前に釘付けだった時ですね。


普段、イタリア人はどんな風にテレビでサッカー観戦するのか、ちょっと覗いてみました。


まずは、お上品な人たちの様子。
セリエAの、ローマ対カリアリ戦でのローマサポーター。
画面から、1秒たりとも目を離しません。






そして次は、下町バージョン。
ナポリ対ジェノアの試合をナポリ人が集まって観ると、こうなる。
セリエA昇格を決めた時のようですね。






点が入るとこうなる。






何かを食べたり飲んだりする暇、ないですね。

そして最後はちょっと懐かしい、2006年、ワールドカップで優勝したアッズーリを讃える動画。
愛情がこもってます。






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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年6月号(クレアパッソで販売中)
“イタリア版TVディナー”のリチェッタは、「リチェッタ/ラ・クチーナ・イタリアーナ」に載っています。


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2008年7月16日水曜日

海と空につながるプールがあるホテル

夏のバカンスの話、今日は、「海と空につながっているプールのあるホテル」です。
今回も『V&S』6月号から。


まず1軒目は、カプリの5つ星ホテル、カエサル・アウグストゥス。

ホテルのpv

ホテルのhpはこちら。
www.caesar-augustus.com

ここの売りは、海抜300mの高さにあるプール。

青一色
夕暮れ
気持ち良さそう

最高~。
ゴージャス~。

もちろん、お値段もゴージャス。
オーシャンビューの部屋は、550ユーロ(約95,000円)から。
一番高いカエサル・スイートは、1,450ユーロ(約250,000円)。


IMG_0956
カプリと言えば、青の洞窟, Jerry Chen


Sophia Loren's House on the Coast of Capri, Italia
ソフィア・ローレンの別荘, Summer


Insalata Caprese
インサラータ・カプレーゼ, photo by ethan


Torta caprese affettata
トルタ・カプレーゼ, photo by Vincenzo Caico


Sorrento Sunbather
ソレントの港で、カプリ行きのフェリーに乗る人たちを見送るにゃんこ, photo by Neil Mallett



2軒目は、パンテッレリーア島(シチリア)の、パンテッレリーア・ドリーム・エクスクルーシブ・ホテル。

hpはこちら。
www.pantelleriadream.com

そしてこれがプール。
シンプル、でも最高
空が広いなあ
リラックス~


ここは1泊150ユーロ(約26,000円)~290ユーロ(約50,000円)。
季節によって100ユーロ以上値段が違います。

パンテッレリーアは、シチリアの西側にある火山島。
シチリアよりチュニジアに近い位置にあります。
イタリアの都市から、飛行機でも行けます。


specchio di Venere
ビーナスの鏡, photo by mauro


Pantelleria (105 of 113)
島の教会, photo by PerDiletto


Pantelleria: Grazia nella vasca della Grotta di Sataria
天然温水プール, photo by Gino Roncaglia


Cappero
パンテッレリーア島のケッパーは有名, Gianluca Carnicella


Wine from Pantelleria
おいしいパッシート・ディ・パンテッレリーアもありますねー, photo by Tore Urnes



そしてこれは、ラヴェッロ(カンパーニア)のホテル・カルーソのプール。





ホテルのhpはこちら。
www.hotelcaruso.com

お値段は710ユーロ(約120,000円)~3,058ユーロ(約530,000円)。
やってられまへんなあ。


ラヴェツロは、アマルフィのすぐそばの、山の上の美しい町。


Villa Ruffolo
ラヴェッロのルッツォロ荘, photo by



夏休みっていいなあ。
仕事する気分じゃなくなったー。



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関連誌;『V&S』2007年6月号


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2008年7月15日火曜日

美しいイタリアの砂浜、10選

今日は、『V&S』(旧ヴィアッジ・エ・サポーリ)の選ぶ、“イタリアの簡単には行けないビーチ10選”をご紹介。
船でないと行けない、町から25キロ離れている、など、どこも簡単にはたどりつけない所ばかり。
そのおかげで人も少なく、手つかずの自然が残っています。
宝石のような色のイタリアの海と砂浜をどうぞ。



Tropea, Sicht in die Bucht von Tropea
カーポ・ヴァティカーノ(カラブリア)のPraia 'i Focu, photo by federer&partner



Riserva dello Zingaro
シチリア北海岸のRiserva dello Zingaro, photo by Elga Cappellari



Le due sorelle...
コーネロ(マルケ)のLe Due Sorelle, photo by Lara



[s] vendicari
シチリア南東部のVendicari, photo by tony ...



Spiaggia del Buon Dormire
チレント(カンパーニア)のCala degli Infreschi, Alessandro



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チレント(カンパーニア)のCala degli Infreschi, Matteo Tripodi



fiascherino
リヴィエラ・デル・レヴァンテ(リグーリア)のFiascherino, Alle



マレンマ(トスカーナ)のCala Violina

プーリアのアドリア海側の
Torre Guaceto


サレント(プーリア)のPorto Selvaggio

コスタ・ヴェルデ(サルデーニャ)のScivu


こういう所でバカンスを過ごしてみたいものですねえ。



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関連誌;『V&S』2007年6月号(クレアパッソで販売中)


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2008年7月14日月曜日

トゥッリーガ

今日はワインにまつわる話。

『クチーナ・エ・ヴィーニ』6月号から、アルジョーラスのトゥッリーガの話です。


P8120307.JPG
トゥッリーガ, photo by dok42dok


トゥッリーガと言えば、アルジョーラスを代表するワインであり、サルデーニャのトップクラスの赤ワイン。
そして、イタリアの大御所エノロゴ、ジャコモ・タキス氏の代表作の一つ。

アルジョーラスのhpはこちら。
www.cantine-argiolas.it

ぶどうはカンノナウ、カリニャーノ、ボヴァーレ・サルド、そしてマルヴァジーア・ネーラ。
全部サルデーニャの品種。
たった5~7%のマルヴァジーア・ネーラが、このワインの寿命を支えるポイント、と語る現エノロゴ、マリアーノ・ムッル氏の話、興味深いですねえ。

“トゥッリーガ”という名前は、畑のある場所の地名で、サルデーニャ南部、カリアリ県のセレーガス市にあります。


352° Festa di Sant'Efisio
セレーガスの民族衣装, photo by Cristiano Cani


『クチーナ・エ・ヴィーニ』によると、トゥッリーガという場所は、考古学上重要な所なんだとか。
いったいどう重要なのか・・・。
その謎を解く鍵となるのが、ワインのラベルの赤い像。

この像、トゥッリーガの母神と呼ばれています。
現在は、カリアリの国立考古学博物館所蔵。
こんな像。
 ↓
www.flickr.com

新石器時代の石の像で、紀元前2500年頃のもの。
日本で言えば縄文時代。
完璧なシンメトリーをなすこの像、実は、新石器時代のものとしては、地中海地域のもっとも重要なものの一つなんだそうです。
へえ~。
トゥッリーガを飲む機会があったら、ラベルの像の鑑賞も忘れずに。


今日のおまけ。
カンノナウ・ディ・サルデーニャが持ちねたのコメディアン。
イタリアワインとイタリア料理の知識があって、なんとなくイタリア語が分かれば、結構笑えます。






おまけのおまけ。
マルヴァジーアという名前のにゃんこが、カリカリ食べてます。
ちなみに、イタリア語でカリカリはクロッカンティーニ。






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関連誌;『クチーナ・エ・ヴィーニ』2007年6月号(クレアパッソで販売中)
“トゥッリーガ”の記事の日本語訳は、「総合解説」'06&'07年6月号、P.34に載っています。


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2008年7月11日金曜日

オレストランテ

海辺のレストラン、もう1軒紹介します。

今日の店は、オレストランテ orestorante 。
『ア・ターヴォラ』6月号の解説です。

店は、ローマの近くの、ポンツァという島にあります。
ポンツァ島は、夏になるとラツィオやカンパーニアからバカンス客が大勢訪れる、美しい海に囲まれた島。
その島で一番の有名店が、オレストランテ。
ベルギーのアルベール国王が誕生祝いをしたり、ジョルジョ・アルマーニやモナコのカロリーナ王女もやってきたとか。


Ponza - faraglioni del calzone muto
ポンツァの離れ岩, photo by gengish skan


Palmarola - scoglio dell'elefante
象の岩, photo by gengish skan


cala di luna / moon cove
月の入り江, photo by tittimi


ponza town
市街地, photo by tittimi


生まれ故郷の島で、1995年にオレストランテを始めたシェフのオレステ・ロマニョーロさんは、島のヨットクラブの会長さんでもあります。
毎日最低1回はヨットに乗る、がモットー。
奥様はソムリエでパスティッチェーラ。

店のhpはこちら。
 ↓
orestorante.it

ちょっと写真が小さいですが、テラス席は海の真ん前。
ティレニア海に面したレストランの中では、最高クラスのロケーションなんだそうです。
ただし、テラスの一番端の席はいつも埋まっているので、かなり前に予約が必要。
blog.sanleonardo.it

『ア・ターヴォラ』でもリチェッタを披露していた店の名物、クルマエビのカタイフ巻き、ウニのマヨネーズ添えは、こんな料理。
blog.sanleonardo.it

シーフード入りアマトリチャーナや、イカ墨のクスクスもスペチャリタ。

店で人気の料理は、“カラマラータ” calamarata 。
イカリングの形をしたグラニャーノのパスタとイカのプリーモ・ピアットです。

こんな形のショートパスタ。
www.setaro.it

パッケリの仲間で、最近、じわじわと人気が出てきたような・・・。

カラマラータ(ヤリイカ形)という名前、インパクトありますよねー。
しかも、誰もが当然のように、このパスタの具にはヤリイカを使うから面白い。
もちろん他の具材でもいい訳ですが。
それでもやはり、シーフードの具のカラマラータが大多数。


Calamarata
ムール貝のカラマラータ, photo by Paolo Valdemarin


calamarata con gallinella e fiori di zucca
ホウボウとズッキーニの花のカラマラータ, photo by Stefania


ちなみにこの写真のカラマラータ、どちらもオレストランテの料理ではありませんので、あしからず。


ポンツァの青い海に飛び込んでイルカと一緒に遊んだら、オレストランテのテラス席でカラマラータを食べる、これ、夢のようなバカンスだなあ。

今日のおまけ。
この夢のバカンスを、半分現実のものにしたチビッコ。






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関連誌;『ア・ターヴォラ』2006年6月号(クレアパッソで販売中)
オレステ・ロマニョーロシェフのリチェッタは、「総合解説」'06&'07年6月号、P.20に載っています。


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