2008年12月3日水曜日

ガッリーナ・パドヴァーナとガッリーナ・ポルヴェラーラ

パドヴァの話、その4。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。

今日は鶏の話。
記事でも紹介していますが、パドヴァには、ガッリーナ・パドヴァーナ gallina padovana と、ガッリーナ・ポルヴェラーラ gallina polverara という、数の少ない貴重な品種の鶏がいます。

ガッリーナ・パドヴァーナは、なんといってもその姿が超個性的。
一度見たら目が釘付けになります。

全身がもこもこのタイプ
頭がふさふさのタイプ
連獅子タイプ
白黒タイプ
鷹の羽タイプ

ここまでゴージャスな姿だと、食べる気にならないですねえ。
実際、観賞用としても飼育されているようです。
優しくて人懐こい性格なんだそうですよ。
飼う時は、羽根のお手入れなどもこまめに必要。
それでも敢えて食べてしまう人もいるわけで・・・。
肉は脂肪が少なく、かなりデリケートな味なんだとか。
雉やホロホロ鳥に似ているそうです。

昔からイタリアで飼育されている品種ですが、原産地は不明で、14世紀にポーランドからパドヴァに伝わったとか、オランダ産だとか、最初からイタリアにいたとか、諸説あります。
19世紀ごろから数が減り始め、一時は絶滅寸前まで行きました。
現在は厳しい規定の下で飼育されていて、一羽につき最低4㎡の広さが必要。


そしてこちらはガッリーナ・ポルヴェラーラ。

黒いタイプ
白いタイプ

なかなか精悍な姿をしています。
ポルヴェラーラはパドヴァのやや東にある町。
この鶏も原産地については色々説がありますが、ポーランドから伝わったガッリーナ・パドヴァーナの元祖を地元の半野生の鶏と掛け合わせたもの、という説が有力です。

実際、この鶏は野生の血を濃く残していて、飼う時は放し飼い。
木の枝で寝るのだとか。
肉はデリケートな味。


ガッリーナ・パドヴァーナもポルヴェラーラも、代表的な料理は、ガッリーナ・アッラ・カネヴラ。
丸鶏を袋や豚の膀胱に入れて、直接湯に触れないようにしてゆでる一品です。
デリケートな味の鶏にはぴったりの調理方法ですね。

ポルヴェラーラ市のガッリーナ・ポルヴェラーラのサイトで紹介されているリチェッタをどうぞ。
原文と写真はこちら

ガッリーナ・アッラ・カネヴラ/LA GALLINA ALLA CANEVRA

 鶏・・1羽(2.5kg)
 オリーブオイル・・50cc
 にんにく・・1片
 こしょう
 好みのスパイス
 にんじん・・1本
 玉ねぎ・・小1個
 セロリ・・1本
 レモンのくし切り・・1片

・全部の材料を鶏に詰める。
・鶏をオーブン用の袋に入れる。竹の細長い小片も入れ、蒸気穴になるように竹をはみ出せて袋の口を閉じる。
・湯に入れて約4時間ゆでる。
・ホースラディッシュとサルサ・ヴェルデを添える。



ガッリーナ・パドヴァーナもガッリーナ・ポルヴェラーラも数が少ない鶏なので、パドヴァに行ったら要チェックですね。


次はパドヴァ近郊の三ツ星レストランの話です。



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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年10月号(クレアパッソで販売中)
“グルメ紀行~パドヴァ”の日本語解説は、「総合解説」'06&'07年10月号、P.2に載っています。


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バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...