2008年11月14日金曜日

柿と平和の樹

秋ですねえ。
が美味しい季節ですねえ。

ところで、柿はイタリア語でも“カキ”。
スペルは cachi 、または kaki 。
イタリアでも、柿は東アジア原産の果物として知られています。

ご存じのようにイタリア語の場合、男性名詞の複数形の語尾はiで、単数形の語尾はo。
だからイタリアの本には、「柿は単数でも複数でも語尾は変化しません。1個の時に“カコ kako ”と言うのは、正確には誤りです」なんて注釈が必ず書いてあります。
カコって、なんだか可愛いですねえ。


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グリエルモ山と柿, photo by Mauro

このなんともジャパンな景色が、実はロンバルディア地方の風景。
ガルダ湖の西あたりです。


wikiによると、柿は古代ギリシャ人も知っていたようですが、栽培用の柿が日本からヨーロッパに伝わったのは、1789年のことなんだそうです。
イタリアに伝わったのは、1916年。
最初に植えられたのは、カンパーニアのサレルノ地方でした。
その後、イタリア中に広まります。
栽培の中心地はエミリアとカンパーニア。
パレルモのすぐ南にあるミジルメーリという町も、柿の栽培が盛んな所として知られています。
イタリアの柿の生産量は世界5位。
輸出もしています。

生産量が多い割には、生食やジャム以外で、イタリア料理の中に取り込まれているケースは、あまり見かけないなあ。


下の写真はレストランの1品。
柿のサルサの上にジェラートを盛り付けたもの。
やっぱりジャム状にするのが一般的なんでしょうか。


Funghetto
ジェラートのフンゲットと柿のサルサ, photo by Sara Maternini


柿のジャムをクロスタータやトルタにするのはよくありそう。

昔の『サーレ&ペペ』(2004年11月号)に、柿のティラミスというリチェッタがあるのを見つけました。
クレーマは、卵黄3個と砂糖100gを白くなるまでホイップし、ミキサーにかけた柿1個、マスカルポーネ100g、リコッタ100g、泡立てた卵白1個を加えたもの。
サヴォイアルディは、コーヒーではなくトロピカルフルーツジュースに浸します。


こちらのサイトで紹介しているのは、柿のレアチーズケーキ。
fiordizucca.blogspot.com

作り方は、レアチーズケーキのペースをビスケットとバターで作り、型に敷き詰めて冷蔵庫で固めます。
リコッタ250g、マラスキーノ大さじ1、砂糖大さじ1、レモンの皮をミキサーにかけ、型に入れて冷蔵庫で冷やします。
柿4個、砂糖大さじ1、マラスキーノ大さじ1、アマレット4個、シナモンをミキサーにかけ、泡立てた卵白1個を加えます。
これをリコッタの上にかけて冷蔵庫で冷やします。
仕上げにホイップクリームと柿で飾って出来上がり。


柿とアマレットは相性がいいみたいですね。


イタリアのwikiに、こんなことが書いてありました。

「柿の木は、“平和の樹”として知られている。
それは、1945年の8月に長崎に原爆が落とされた時、数本の柿の木が生き残ったことに由来する。」

平和の樹の話、全然知りませんでした。
こちらのサイトも勉強になりました。
 ↓
joho.tagawa.fukuoka.jp/syougai/heiwa-kaki.htm


イタリアにも植樹されているのだそうです。
今回は、イタリア人に日本のことを教えてもらいました。



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3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

いやー、写真を見たとき、今回は久しぶりにプレッツェーモロさん撮影の写真かな?と思ってしまいましたよ。ガルダ湖とはびっくり。まあガルダ湖は箱根の芦ノ湖や、と思ったくらいだからなんだか日本的な匂いがするのかも。

柿といちじくは小さい頃家にいっぱい木があったのでおやつにさんざん食べさせられてもう沢山というものの一つでしたが、最近その氷が溶けてまた解禁。先日はイタリアンで柿のシャーベットを頂きましたがこれもオツ。柿のティラミスは食べてみたいなぁ。

柿は日本から入ってきたというのも、キャンティのアグリでアメリカ人から聞いたんですよ(笑)。海外に行くと自分の国の知識を試されますよね。しかしサレルノが主力地帯とはしらなんだ。“平和の樹”なんてことも。

匿名 さんのコメント...

こちらペルージャでは、紅葉した柿の葉がハラハラ落ち始めているところです。
柿の木はどこにでもある木、という感じで植えられているので、イタリアにもたらされたのが1916年なんて、ビックリです。
スーパーで売っている柿の大部分は渋柿をドロドロに熟させた物。
最近はカキヴァニリアという、中くらいのリンゴほどの甘柿も売っていますが、よっぽど熟していないと渋いこともあるので、要注意です。
こんなに渋柿がいっぱい採れるのに、何故か干し柿はないみたいです。少なくとも私はみたことがない。イチジクをはじめとして、ドライフルーツは作るのに・・・。

prezzemolo さんのコメント...

くるりさん
ガルダ湖は芦ノ湖に似てますか。今度芦ノ湖を見たら、なぜか笑ってしまいそうだあ。
柿のこと、アメリカ人から聞いたんですか。そりゃ普通は、日本からヨーロッパに伝わった果物があるなんて思わないですよねえ。平和の樹の話は、日本のwikiには載ってなかったんですよ。
うちも、買ったのやらもらったのやらで柿が過剰在庫ぎみです。でもソルベットはおいしそう~。

バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...