イタリア料理ほんやく三昧: カペッツォリ・ディ・ヴェーネレ

2008年10月8日水曜日

カペッツォリ・ディ・ヴェーネレ

今日はヴィーナスの乳房の話、その2。

映画『アマデウス』で有名になったドルチェ、ヴィーナスの乳房。
イタリア語では、カペッツォリ・ディ・ヴェーネレ capezzoli di Venere 。

このドルチェ、映画のおかげで“サリエリのお菓子”、というイメージがすっかり定着しているようです。
いったいどんなドルチェなのか調べてみると、どうもヴェネト州ヴェローナ県の、レニャーゴ Legnago という町のドルチェらしい。

という訳で、レニャーゴについて調べてみると、サリエリ劇場というのが町にあるのを発見。
ん?これはもしかして、ここがサリエリの生まれ故郷?
で調べてみたら、やっぱりそうでした。

アントニオ・サリエリは、1750年、レニャーゴの裕福な商人の家庭に生まれました。
1770年にウイーンに渡り、33歳で宮廷楽長になり、30年以上ずっとその職にあったのだそうです。
甘いものが好きだったという話も残っています。

そうか、あれは彼の故郷のお菓子だったのか・・・。

イタリア各州のドルチェを網羅した本、『L'Italia dei dolci』(Touring Club Italiano)によると、カペッツォリ・ディ・ヴェーネレは、マロンペースト、ココア、砂糖、リキュールがベースの古い菓子。
しばらく忘れ去られていたのですが、レニャーゴの大手菓子メーカー、スカルパートが製造するようになって、再び日の目を浴びました。
2006年のモーツァルトイヤーのおかげで、イタリアよりオーストリアでよく売れた模様。

スカルパートのhpはこちら。
残念ながら、製品の中にカペッツォリ・ディ・ヴェーネレの名前はなし。
まだ作ってるのかなあ。
 ↓
www.scarpato.it


映画では「栗のお菓子」と言っているのですが、ネット上に唯一出回っているカペッツォリ・ディ・ヴェーネレのリチェッタには、なぜか栗は入っていません。
とりあえず訳してみます。
原文と写真はこちら。
 ↓
www.cookaround.com

材料/18個分
 アーモンド・・25g
 生クリーム・・90cc
 バター・・10g
 バニラビーンズ・・1/2本
 ホワイトチョコレート・・150g+コーティング用100~150g
 マジパン・・10g
 ビターココアパウダー
 ラム酒(または他のリキュール)

・アーモンドと砂糖少々を粉にする。
・生クリーム、バター、バニラ(開く)を沸騰させる。バニラを取り除き、チョコレート150gにかけてよく混ぜる。
・アーモンドの粉とリキュールも加えて混ぜる。水にあてて冷まし、こねられる程度に固める。
・コーティング用のチョコレートを溶かす。
・マジパンにココアパウダーを加えて小さく丸める。
・固まったチョコレートをくるみ大に丸め、やや円錐形にして冷蔵庫で軽く固める。
・溶かしたチョコレートでコーティングし、中央にマジパンをのせる。



おそらく、この中にマロンペーストを詰めれば、オリジナルのカペッツォリ・ディ・ヴェーネレに近いものになるのでしょうね。


そうそう、ヴィーナスの乳房はサリエリにまつわるチョコレートですが、モーツァルトにも有名なチョコレートがありました。
その名も、“モーツァルトクーゲルン MozartKugeln ”

MozartMania
モーツァルトクーゲルン, photo by Javier Pedreira


中はこんな風。
 ↓
commons.wikimedia.org

マジパンとヌガーをチョコレートで包んだもの。
ザルツブルグのチョコレートです。
多分、ビーナスの乳房よりはずっと有名。
モーツァルトとサリエリ、お菓子の世界でもライバル関係は同じようで。



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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年9月号(クレアパッソで販売中)
ヴィーナスの乳房の話が出てくる“グルメ紀行~ヴァッレ・イサルコ”の記事は、「総合解説」'06&'07年9月号、P.2に載っています。


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