イタリア料理ほんやく三昧: ヴィーナスの乳房

2008年10月6日月曜日

ヴィーナスの乳房

今日は映画に出てきたドルチェの話。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』のグルメ紀行、“ヴァッレ・イサルコ”の解説です。

ヴァッレ・イサルコというのは、イタリアの北の端、オーストリアに接した、トレンティーノ・アルト・アディジェの南チロル地方にある渓谷地帯。


Valle d'Isarco
ヴァッレ・イサルコ地方の風景, photo by rachel_thecat


この地方の秋の名物の一つが、栗。
秋になると、この地方のレストランやパスティッチェリーアには、栗を使った自慢の料理やドルチェがあれこれ登場します。
そんな中で、『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事でチラッと紹介されているのが、栗を使ったあるドルチェ。

その名も、ヴィーナスの乳房

1984年の映画、『アマデウス』の中に登場して有名になったドルチェです。

モーツァルトとサリエリという二人の作曲家を巡る、ミステリアスで絢爛豪華なこの映画、アカデミー賞の作品、監督、主演男優など8部門を受賞しています。
ヴィーナスの乳房が登場するのは、モーツァルトの妻コンスタンツェが、皇帝の姪の音楽教師の仕事に夫を推薦してもらおうと、サリエリの元を訪れた時。

この動画の02:20頃に出てきます。




サリエリはイタリア人。
コンスタンツェにお菓子を勧めて、
「これが何か、ご存じかな?
“カペッツォリ・ディ・ヴェーネレ Capezzoli di Venere ”、“ヴィーナスの乳房”です」

それを聞いたコンスタンツェの反応は、サリエリの期待通り。
「あ゛は・・・」
「ローマの栗のブランデー漬けの砂糖がけですよ。
お一つどうぞ」

コンスタンツェがお菓子を食べている間、サリエリはモーツァルトの楽譜を見て、その才能の完璧なまでの天才ぶりに驚愕し、打ちのめされます。
その間、コンスタンツェはひたすら食べ続けてますねー。
よっぽどおいしかったんでしょうねえ。


映画のヴィーナスの乳房はこれ。
 ↓
www.akakestrel.com


乳房をイメージしたイタリアのドルチェは、他にもあります。

これはカターニアのミニカッサータで、若くして殉教した聖女の乳房の形をしている“ミンヌッツェ minnuzze ”。

minnuzze di sant'aita
ミンヌッツェ, photo by Stefano Mortellaro


カッペッツォリ・ディ・ヴェーネレは、ヴェネトのドルチェのようですね。
リチェッタは次回にご紹介。



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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年9月号(クレアパッソで定期購読の方へは近日発送)
“グルメ紀行~ヴァッレ・イサルコ”の記事は、「総合解説」'06&'07年9月号、P.2に載っています。


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