イタリア料理ほんやく三昧: トルタ・フリッタ、ニョッコ・フリット、クレシェンティーナ

2008年9月29日月曜日

トルタ・フリッタ、ニョッコ・フリット、クレシェンティーナ

今日はトルタ・フリッタの話。
『ガンベロ・ロッソ』の記事、「フリット・ミスト」の解説です。

トルタ・フリッタは、エミリア地方の揚げパン。
同じものが、パルマではトルタ・フリッタ torta fritta 、モデナではニョッコ・フリット gnocco fritto 、ボローニャではクレシェンティーネ crescentine という名前で呼ばれています。
それだけでなく、ピアチェンツァではキソリーニ chisolini 、フェッラーラはピンツィーノ pinzino といった具合。
あんな狭い範囲で、どうしてこんなに名前が違うんでしょうねえ。
個人的には、ニョッコ・フリットという音の響きが、ダントツに気に入ってます。


crescentina, or fried dough pillows!
クレシェンティーネ, photo by Robyn Lee


エミリア地方では、生ハムやサラミには、この揚げたてのトルタ・フリッタが付きもの。
おいしそう~
 ↓
http://picasaweb.google.com

食事の時にパン代わりに食べたり、スナックにしたり、アペリティーヴォにしたりと、食べ方は色々。
とてもシンプルな揚げパンですが、作り方は隣合った家でも違うんだそうで。
ネット上をざっと見ても、見事にバラバラ。

こちらの人は、ひし形に切ってます。
 ↓
www.coquinaria.it

生地の大きさや厚さも人それぞれですが、特徴は、中が空洞ということ。


このシェフのトルタ・フリッタは卵入り





トルタ・フリッタとパルマの生ハムは、エミリア地方では切っても切れない関係。
ところが、パルマの生ハムはエミリア地方の外にも広まったけれど、トルタ・フリッタはおいてけぼりをくらったようですねえ。
塩気の利いた生ハムと油で揚げたパン、そして赤ワイン、という組み合わせは、確かに、あまり地中海風じゃないなあ。
かといって、中央ヨーロッパ風(ドイツとかオーストリアとか)でもないし・・・。
エミリア地方限定の味、というわけですね。

生ハムのほかに、パルマでこのトルタ・フリッタに添える定番の一つが、スパッラ・コッタ spalla cotta 。
こんなハム
 ↓
www.laporchetta.it

どうやって作るかというと、まず、豚の肩肉の塊に塩とこしょうをまぶしながら約15日間寝かせます。
これを牛や豚の膀胱に詰めて縛り、吊るして15日~1か月熟成させます。
仕上げに80度から90度で7~8時間ゆで、ゆで汁に漬けたまま冷まします。
冷めてから食べてもいいけれど、温かいものを、少し厚めにスライスして食べるのがおいしいんだとか。
パルマ地方出身の作曲家、ジュゼッペ・ヴェルディは、このスパッラ・コッタが大好物でした。
知り合いにスパッラ・コッタを贈った際に、どうやって食べればいいか、細か~く教えている手紙が残っています。


パルマのプロシュット・クルードとスパッラ・コッタ、パルミジャーノ・レッジャーノ、そしてトルタ・フリッタ。
これだけパルマの味がそろったら、ワインもパルマ産ですね。
コッリ・ディ・パルマDOCというのがあります。
ぶどう品種はバルベーラとボナルダ・ピエモンテーゼ(クロアティーナ)。


DSC03793
パルマの生ハム, photo by Juan E


Oro reggiano
パルミジャーノ・レッジャーノ, photo by Ivano


Parma: piazza del Duomo.
パルマのドゥオモ広場, photo by Francesca Fiorini


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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2007年8月号(クレアパッソで販売中)
“フリット・ミスト”のリチェッタは、「総合解説」'06&'07年8月号、P.11に載っています。


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