イタリア料理ほんやく三昧: パヴィアのドルチェ、トルタ・パラディーゾ

2008年4月28日月曜日

パヴィアのドルチェ、トルタ・パラディーゾ

『サーレ&ペペ』の「パスクアのブランチ」という記事の中に、とても可愛いドルチェ発見。

トルタ・パラディーゾのカンパネッラです。

クレアパッソで今月配本号(2006年4月号) 『サーレ&ペペ』2006年4月号 のP.32に載っています。
「総合解説」のP.7にも写真とリチェッタを載せました。

トルタ・パラディーゾを鐘の形に切ったシンプルなドルチェですが、白い粉糖に覆われた姿がとてもピュアな雰囲気。


トルタ・パラディーゾ torta paradiso は、片栗粉とレモンの皮入りのバタースポンジケーキ。
珍しいことに、誰がいつ考え出したかよく知られているドルチェです。

こんなドルチェ


トルタ・パラディーゾは、1878年にパヴィアのエンリコ・ヴィゴーニ Enrico Vigoni という人が考え出したんだそうです。

ヴィゴーニさんは、ミラノで修業した後にパヴィアでパスティッチェリーアを開いて、その年に発表したのがこのトルタ・パラディーゾ。
それ以来、このトルタは店の名物になり、やがてパヴィアの名物になり、そして世界中に伝わっていきました。

パスティッチェリーア・ヴィゴーニは今もあります。

こちらがヴィゴーニのトルタ・パラディーゾ

店のショーウインドーのトルタ・パラディーゾには、粉糖で、「エンリコ・ヴィゴーニが作り出したトルタ・パラディーゾ」と誇らしげに描かれていますねー。

こちらは店の正面


トルタ・パラディーゾは片栗粉入りなので、スポンジ生地よりぽろぽろとした食感の軽いトルタ。
誰が作ったのかは分かっているのに、「パラダイスのケーキ」というその名前の由来には、なぜかいくつか説があります。

その一つは、これを食べたある貴婦人が、その味を「天国」と表現した、という説。

そしてもう一つの説は、有名なパヴィアの僧院が舞台。

Certosa di Pavia: chiostro grande
パヴィアの僧院, photo by alessandro trezzi

この修道院には厳しい戒律があって、修道士たちは外の俗世間と触れてはいけないことになっていました。
ところが、薬草を研究していたある修道士が、薬草の採取のためにこっそりと外に出てしまいます。
そしてお約束通り、若い人妻と出会います。
そしてなぜか、彼女からあるトルタの作り方を教わります。
そしてやはりお約束通り、脱出は修道院長に知られ、彼は僧院の中で厳重に監視されて、もう外には行けなくなってしまいました。
彼は人妻を思って、彼女から教わったトルタを焼きました。
するとなんとそれが他の修道士たちに大好評で、彼らはそれを「天国のトルタ」と名付けたのでした。
そのトルタのリチェッタは、クザーニ・ヴィスコンティという公爵を通してエンリコ・ヴィゴーニに伝わり、彼によって商品化されたのでした・・・。

さーて、どっちが本当でしょうねえ。

トルタ・パラディーゾは1日置くともっとおいしくなるトルタ。
乾いたトルタなので、そのまま食べると喉に詰まる、という人は、ヴィンサントに浸して食べるんだそうですよ。
ちなみに、パスティッチェリーア・ヴィゴーニはパヴィア大学のすぐ前にあるのですが、学生たちに人気の店、という訳でもないようで、落ち着いてお茶が飲める場所のよう。

Pasticceria Vigoni/Strada Nuova 110、パヴィア


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関連誌;『サーレ&ペペ』2006年4月号(クレアパッソにて販売中)
「トルタ・パラディーゾのカンパネッラ」の日本語リチェッタは「総合解説」P.7に載っています。


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