2008年3月28日金曜日

グラナ・ロディジャーノのラスパドゥーラ

今日はチーズのグラナ・ロディジャーノの話。

こんなチーズです。

名前や姿からも想像がつくように、グラナ・パダーノによく似た硬質チーズです。
産地はロンバルディアのローディを中心とした地方。

ローディはミラノの南東の町。
ポー河流域の、パダナ平野と呼ばれる地域の一部にあって、グラナ・パダーノの産地でもあります。


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Lodi
Originally uploaded by Sunshiney2006




『サーレ&ペペ』今月配本号の「グラナ」のリチェッタの中に、このチーズが出てきます。

グラナ・ロディジャーノはグラナ・パダーノによく似たチーズなので、産地でもグラナ・パダーノに押されて、かなり数の少ない貴重なチーズとなりつつあるようです。
グラナ・パダーノとの違いは、レンネットで固まったカードを型に移した時、グラナ・パダーノはプレスしてホエーを出しますが、グラナ・ロディジャーノはプレスをしません。
そのために、2年から4年熟成させて出来上がった後も、「ラクリマ」と呼ばれる水滴が気泡の跡から染み出してきます。

このチーズで有名なのは、“ラスパドゥーラraspadura”です。
これ

「ひっかく」という意味のラスパーレという言葉が語源。
3~8か月熟成させた若いグラナ・ロディジャーノを、ナイフでひっかくようにしながら削った薄いフリル状のものをこう呼びます。
こちらの写真はラスパドゥーラを作っている所。
ローディでは、サルメリーアや市場などで、こうやってチーズを削って売っている姿を見ることができるそうです。
美しいフリルにするには熟練の技が必要。

このラスパドゥーラ、元々は、グラナから売り物にならない硬い部分を削り取ったもので、貧乏人の食べ物と言われていたそうです。
それが時代と共にグルメな食べ物として知られるようになり、星つきレストランでも出すようになっていったのでした。
レストランでは、客の前で削ってリゾットにのせるところもあります。
『サーレ&ペペ』では、リコッタと卵を混ぜて焼いたチーズケーキに、このグラナをのせていましたね。
粉にしたチーズと違って、フリル状のチーズは見た目がかなりゴージャス。
シンプルなリゾットも何やら特別な一品に変身します。
スカロッピーネにのせるとこんな感じになります。


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関連誌;『サーレ&ぺぺ』今月配本号/2006年3月号(2008年3月現在クレアパッソで販売中)
ラスパドゥーラを使ったリチェッタは「総合解説」に載っています。


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2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ほんやく三昧様

パーティーでラスパドゥーラをしたいのですがチーズと専用の削る物は何処で手に入るのでしょうか?
よろしくお願いします。

杉本隆治

prezzemolo さんのコメント...

杉本さま

コメントありがとうございます。
私もどこで売ってるのか知らなかったので、ネットで検索したら、チーズは下記のWEBページにありました。
問い合わせてみてはいかがでしょうか。

http://www.islandfoods.jp/wp/wp-content/uploads/2013/06/Lodigiano.pdf

ナイフはどこかで売ってるかなー。
イタリアから取り寄せてでも欲しいということであれば探してみますよ。

プレッツェーモロ

バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...